独特の香りと食感、そしてみずみずしい果肉が魅力のナスは、食卓を彩る人気野菜のひとつです。夏から初秋にかけて旬となるナスは、メイン料理はもちろん「あと一品欲しい」というときの副菜にもぴったり。しかし、調理する際に色が悪くなってしまうのがナスの難点でもあります。できれば、色鮮やかにおいしく仕上げたいもの。
そこで今回は、ナスを色鮮やかに調理する方法についてご紹介します。
■ナスを調理すると変色する理由
ナスを煮たり、早漬けやぬか漬けにしたりすると、ほとんどの場合に色落ちしてしまいます。ナスが色落ちしてしまうと、おいしそうに見えなくなるのが難点です。
ナスを調理すると変色してしまう原因には、ナスに含まれる「アントシアニン」という色素成分が大きく影響しています。アントシアンは水溶性のため、水に溶けやすい性質があります。また、加熱すると水分と一緒に色が抜け落ちるという性質もあるため、加熱調理することで色が悪くなってしまう性質があります。他にも、アントシアンには酸と反応することで褐色化する性質もあります。そのため、漬物などを作るとアントシアニンが乳酸菌の「酸」と反応し、変色してしまうのです。
■ナスの色落ちを防ぐにはミョウバンが効果的
ナスを調理する際、変色は防ぎたいもの。ナスの変色を防ぐには、ミョウバンが効果的です。ナスを調理する際にミョウバンを用いることで、ナスの変色を防ぐことができます。
ミョウバンには、アルミニウムが含まれています。ミョウバンに含まれているアルミニウムとナスに含まれているアントシアニンが結合すると、錯塩が形成されます。錯塩が形成されると色素が安定するため、色落ちしにくくなります。また、ミョウバンには収れん作用があるため、色鮮やかに仕上がるだけでなく歯ざわりがよくなる効果もあります。ミョウバンを用いることで、いっそう風味も増すといわれています。
■ミョウバンを使ったナスの漬物レシピ
ミョウバンを用いたナスレシピは、以下の通りです。
~ナスの早漬け~
【用意するもの】
・小ナス……250g
・焼ミョウバン……小さじ1杯
・水……250g
・塩……小さじ1杯
【作り方】
1.水に焼ミョウバンと塩を入れ、煮立てながらよく溶かします。
※最初は濁っているものの、焼ミョウバンが溶けると水の色が透明になります。
2.水が透明になると、冷まします。
3.ナスを適当な大きさにカットし、水気を切ります。
4.ビニール袋にナスを入れ、少量の「2.」をナスにかけ、よく揉み込みます。
5.2分くらい揉み込めば、「2.」の残りをすべてビニール袋に入れ、よく混ぜます。
6.空気を抜いて口を縛り、2時間ぐらい常温に放置してから冷蔵庫で冷やします。
7.翌日まで冷やせば、完成です。
~ナスのぬか漬け~
【用意するもの】
・ナス……1本
・焼ミョウバン……小さじ1杯
・塩……小さじ2杯
・ぬか床
【作り方】
1.ヘタを付けたままのナス全体に焼ミョウバンと塩を揉み込みます。
2.4分~5分おいてからナスをぬか床に漬けます。
3.翌日まで漬けると、完成です。
ミョウバンを用いることで変色を防ぎ、色鮮やかに仕上げることができるナスレシピ。ナスレシピを調理する際はミョウバンを活用し、おいしく仕上げましょう。