水回りの掃除や疲労回復など、家事や健康維持に役に立つクエン酸。ひとつ持っておくと生活のあらゆる面で活用できることから、非常に重宝します。そんなクエン酸は、調理に用いることも可能です。味に変化をつけるだけでなく、調理の下処理や色彩を豊かにするなど、調理だけでもさまざまな活用法があります。
そこで今回は、調理に使えるクエン酸の活用術をご紹介します。
■えぐ味やヌメり取りに
食べた際に独特のヌメりがある山芋や里芋。山芋は短冊切りにしてわさび醤油をかけて食べたり、すりおろして蕎麦やご飯にかけて食べたりするのが人気な食べ方のひとつです。里芋は、煮物や豚汁に入れるのが美味しい食べ方でもあります。
そんな山芋や里芋は、料理の下ごしらえが大変な野菜でもあります。きちんと下ごしらえをしなければえぐ味が生じたり、ヌメりで料理しづらかったりするのが山芋や里芋の難点です。しかし、クエン酸を用いると簡単にえぐ味やヌメりを取り除くことができます。その方法はとても簡単です。皮をむく際に、クエン酸水に30分ほど浸しておくだけ。たったこれだけで、えぐ味やヌメりを取り除くことができるのです。
■野菜の色を鮮やかに
煮物や炒め物、炊き込みご飯などさまざまな料理に活用できる根菜類。栄養価が高く保存性にも優れているため、根菜類は食卓に欠かせない野菜でもあります。しかし、ごぼうやれんこん、うどなどを料理していると、時間が経つにつれて黒っぽくなってしまうもの。そんな根菜類の褐色化を防ぐのにも、クエン酸は役立ちます。
根菜類の褐色化を防ぐには、料理する前にクエン酸水に浸しておくのが効果的です。そうすることで、褐色化を防ぎ、白くきれいに仕上げることができます。また、さつまいもやかぼちゃなども同様に料理すると、鮮やかな黄色に仕上げることも可能です。煮物を煮ている際にクエン酸をひとつまみ入れるだけでも、きれいな色に仕上げることができます。野菜が色鮮やかに仕上がると、料理も引き立ちます。
■煮崩れ防止
野菜の色を鮮やかに仕上げるクエン酸は、煮崩れ防止にも役立ちます。煮崩れを起こすのは、加熱により野菜に含まれるペクチンという物質が分解されやすくなるためです。ペクチンは、細胞と細胞をつなぎ合わせる接着剤のような働きをしています。そんなペクチンは、中性やアルカリ性の状態だと熱に分解されやすいものの、酸性だと分解されにくくなる特徴があります。煮汁にクエン酸を加え煮物を酸性にすることで、煮崩れを防ぐことができるのです。
■味の調節に
甘いものを食べた際に「甘すぎる」と感じたり、辛いものや苦いものを食べた際に「辛すぎる」「苦すぎる」と感じたりした経験のある方もいるかもしれません。クエン酸を用いると、たとえ出来上がっていても味を調節することができるのです。
甘すぎるものにクエン酸を加えると、甘さを抑えることができます。また、辛すぎたり苦すぎたりするものにクエン酸を加えても、辛さや苦さを抑えることができます。たとえば、大根おろしが辛すぎる場合などにクエン酸を加えると、味を柔らかくすることができるのです。
■お酢の代わりとして
酸味のある味が特徴のクエン酸は、お酢の代わりとして活用することも可能です。酢の物や甘酢だれに使えるのはもちろん、漬物などに用いるとビタミンCを保った上で野菜の色彩や新鮮味を保つこともでき、おすすめです。
さまざまな調理術に活用できるクエン酸。クエン酸がひとつあれば、掃除や健康維持だけでなく、料理の幅も大きく広がります。