汗ばむ季節が近づくと、脇汗が気になるようになるもの。女性であれば特に、脇から臭う汗の臭いや汗染みに悩むことも少なくありません。汗やその臭いを抑えるには制汗剤が効果的ですが、市販の制汗剤には化学成分が含まれていることもあるため肌トラブルを心配して使用を控えるケースもみられます。
そこでおすすめとなるのが、「焼ミョウバン」です。以下では、汗に対する焼ミョウバンの効果についてご紹介します。
■汗に対する焼ミョウバンの効果
ミョウバンとは、硫酸アルミニウムカリウムのこと。無色、もしくは白色の結晶や粉末状となっており、味は少々渋く、においはありません。これを乾燥させたものは、「焼ミョウバン」と呼ばれます。ミョウバンはアク抜きや煮崩れ防止などの料理に用いられる食品添加物であるため、肌にも安心して使うことができます。
そんなミョウバンには、汗や汗の臭いを抑える効果があります。
・制汗作用
ミョウバンには、収れん効果があります。ここでの収れんとは、血管を収縮させる作用を指します。収れん作用により、汗腺が閉じて汗が出にくくなります。
・消臭作用
人には、「アポクリン腺」と「エクリン腺」という2種類の汗腺があります。エクリン腺から出る汗はほとんどが水分であるため、臭いはほとんどありません。これに対し、アポクリン腺から出る汗にはアンモニアやタンパク質、脂質や糖質などが含まれており、それらが常在菌と反応することでイヤな臭いを発するのです。ミョウバンには消臭効果があり、特にアンモニアに対して優れた消臭効果を発揮します。そのため、汗のイヤな臭いの原因となるアポクリン腺から出る汗の臭いを抑える効果があるのです。
■焼ミョウバンを使った制汗対策
汗や汗のイヤな臭いを抑えるなら、ミョウバン原液を使った制汗対策がおすすめです。ミョウバンを用いた制汗剤の作り方は、以下の通りです。
【用意するもの】
・焼ミョウバン……50g
・水……1.5L
・容器
【ミョウバンを使った制汗剤の作り方】
1.容器に水1.5Lを入れ、そこに焼ミョウバンを加えます。
2.容器のフタをしっかりと閉め、よく振って混ぜ合わせます。
※焼ミョウバンは溶けにくいため、はじめは溶け残った粒により液体が白く濁ります。混ぜ合わせてから2日~3日置いておくと、次第にミョウバンが溶け透明の液体に変わります。
3.混ぜ合わせた液体が透明になれば、制汗剤(ミョウバン原液)の完成です。
【使い方】
制汗剤として肌に使用する際は、ミョウバン原液を水で10倍に薄めてから使用します。必ず薄めた上で使用するようにしましょう。
薄めたミョウバン原液を指ですくい取り、脇の下に薄く塗り広げます。薄めたミョウバン原液をタオルやティッシュに染み込ませ、それらで脇の下を拭くのも効果的です。タオルやティッシュに染み込ませたものは携帯することも可能で、外出先で使用することもできます。
※使用する部位が化膿や炎症を起こしている場合は、使用するのを避けましょう。過敏症状が現れた場合も、使用を中止、または避ける必要があります。また、高濃度のミョウバン原液は金属を腐食させる場合があるため、注意が必要です。
食品添加物としてあらゆる料理に用いられ、私たちの生活の身近にあるミョウバン。そんなミョウバンは歴史が長く、古代ローマ時代から「制汗剤」として使用されていたといわれています。「世界最古のデオドラント剤」といっても過言ではないミョウバンを使い、肌に優しく制汗対策を行いましょう。