インフルエンザの検査方法は医療機関によってさまざまです。インフルエンザの検査は痛みがあるから苦手、という方も少なくありません。
インフルエンザの検査方法の中には、唾液で検査できるものはあるのか疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事ではインフルエンザの検査は唾液でできるのか、どのような検査方法が多いのか、などを解説します。
インフルエンザの検査は唾液でできるのか
インフルエンザは呼吸器感染を起こすウイルスであり、鼻からのどの部分に付着していることが多いため、ウイルスが確認されやすいという事もあり鼻粘膜からの検査が一般的となっています。
一方で、現在では唾液から検査を行う方法など、より負担の少ない検査方法が出てきています。
しかし、鼻粘膜よりも感度が低い傾向にあるという背景もあり、インフルエンザの唾液検査ができる医療機関はそこまで多いわけではありません。もし、鼻からの摂取が苦手であるといった理由がある場合には、医療機関によっても実施している検査方法が異なりますので、どのような検査を行っているか、前もって確認しておくと良いでしょう。
検査方法の種類について、以下で確認していきましょう。
鼻咽頭ぬぐい液
最も多く実施されているのが、この鼻咽頭のぬぐい液を検査する方法です。鼻から綿棒をいれて液を採取します。
鼻から喉の奥を採取するため、こどもであれば約5cm、大人で約10cmの長さまで挿入します。感染により鼻やのどの粘膜が炎症を起こしていたりすると痛みや違和感を強く感じやすい事もあります。
また、鼻づまりがあると挿入が困難なケースもありますので、検査前には症状を伝えておくと良いでしょう。
鼻腔ぬぐい液
鼻腔とは鼻の穴から2~3cmほど中に入った空間です。鼻から綿棒を入れ、鼻の手前の方から検体を採取する方法となります。
鼻咽頭ぬぐい液よりも検出感度はやや低い傾向にはありますが、綿棒による刺激などは少なくなります。
鼻かみ液
名前のとおり、鼻をかんだ紙についた鼻汁にて検査をする方法です。
自分自身で採取可能な反面、小さい子供など自分で鼻をかむことができない場合や、鼻汁の症状がない場合には十分な検体量が採取できないといった難点もあります。
インフルエンザの検査を受けるタイミング
病院で処方される抗インフルエンザ薬は、発症してから48時間以内に服用するのが望ましいとされています。
そのため、インフルエンザ感染が疑われる症状があらわれた際には、重症化しないうちに医療機関を受診することが大切ですが、あまり検査が早すぎても十分なウイルス量が確認できず、陽性であっても陰性結果となってしまうことがあります。
検査のタイミングとしては、発症してから12~48時間を目安に検査をするのが望ましいとされています。
インフルエンザの予防方法
インフルエンザに感染した場合には速やかに対応することが大切ですが、まずはインフルエンザに感染しないようにすることが大切です。
基本的なところにはなりますが、予防方法について紹介していきます。
予防接種
インフルエンザワクチンによる予防接種は、ウイルス感染を防ぐ効果が期待できます。ワクチン接種により完全に感染を防げるわけではありませんが、感染しても重症化しにくく軽症で済む可能性が高まります。
重症化が心配な妊婦や基礎疾患がある方は、予防接種が推奨されています。
手洗い・手指の消毒
インフルエンザウイルスはエンベロープウイルスに該当し、消毒用エタノールなどアルコール消毒が効果的です。
咳やくしゃみによる飛沫感染と同じく、手を介した接触感染も経路として頻度が高く注意が必要です。外出先など水道がない場所でも消毒ができるため、携帯用などを持ち歩くと良いでしょう。
換気・加湿
こまめに換気、もしくは換気が難しい場合は空気清浄機を活用すると良いです。
室内の空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下する場合があるので、適度に加湿を行いながら、インフルエンザ予防を心がけましょう。
インフルエンザの検査方法は医療機関に相談しよう
インフルエンザの検査方法については現在も研究が進められており、複数の検査方法が存在します。
検査方法によって長所短所がありますので、事前に実施している医療機関などに確認をしておくと良いでしょう。
インフルエンザの検査方法にはいくつかありますが、それぞれ長所と短所があります。インフルエンザに感染しないようにするためには予防が大切です。予防接種、手洗いうがいや換気・加湿を心掛けましょう。
監修者
医師:佐藤留美
内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。