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【医師監修】アロマテラピーでインフルエンザを予防しよう! おすすめのアロマを紹介!

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザを予防するための対策グッズと聞くと、何を思い浮かべますか?手指のアルコール消毒剤や高性能のマスクなどを思いつく人は多いと思いますが、アロマテラピーで使う精油(エッセンシャルオイル)にも、インフルエンザの予防効果が期待できることをご存じでしょうか?今回は、癒しやリフレッシュに限らず、ウイルスから身を守るためにも知っておきたい「アロマ」について、詳しく紹介します。

アロマテラピーでインフルエンザ予防

マスクとアロマオイル

「アロマテラピー」というと、「いい香りに癒される」というイメージを持っている人は多いと思いますが、実は期待できる効果はそれだけではありません。日本アロマ環境協会ではアロマテラピーを、「植物から抽出した香り成分である『精油(エッセンシャルオイル)』を使って、美と健康に役立てていく自然療法」と説明しています。というのも、精油には心と身体の働きをリラックスさせる鎮静作用だけでなく、食欲増進や消化促進作用、ホルモン調整作用、虫よけ作用など、さまざまな作用が期待できるものがあるからです。なかには、「抗ウイルス」「抗菌」「抗感染」や、「免疫の働きを強めて活性化する」といった作用を持つとされる精油もあるため、インフルエンザの予防に役立つことが期待されています。さまざまなパワーを秘めた精油を普段の生活にうまく取り入れて、インフルエンザ予防に役立てましょう。

インフルエンザ予防にオススメのアロマと活用法

黄色い花のアロマオイル

続いて、インフルエンザ予防に効果が期待できると考えられている精油を具体的に紹介します。なお、どんなに効能があると期待されるものであっても、香りが好みに合わなければ使いづらいので、気になる精油があれば実際に香りを嗅いでみて、心惹かれたものを入手するのがよいでしょう。また、1種類の精油の中には数十から数百の芳香成分が含まれ、効果もひとつには限らないとされています。持病やアレルギーがある人、小さい子どもや妊婦さんなどは、医師に相談してから使うようにしてください。

●ティートゥリー
ティートゥリーは、オーストラリアに自生する木で、オーストラリアの先住民が擦り傷ややけどなどの治療に用いるなど、古くから万能薬として使われてきました。葉から採取した精油には、強力な抗ウイルス作用や抗菌作用、殺菌力があるとされています。薬品を思わせるシャープでスパイシーな香りが特徴です。肌への刺激が比較的少なく、幼児から高齢者まで使いやすい精油とされています。
インフルエンザ対策には、アロマ用のディフューザーやアロマランプなどを使って空気清浄を兼ねた芳香浴に使ったり、喉の痛みや鼻づまりといった症状を緩和させる効果を期待して、精油をコップに1滴落としてうがい時に使ったりするのがオススメです。
なお、芳香浴は、アロマディフューザーなどがない場合でも、身近なものを活用して気軽に楽しむことができます。重曹に精油を数滴含ませたものを小瓶などに入れて部屋に置いたり、ティッシュに数滴落として身近な場所に置いたりと、特に専用の器具を揃えなくても簡単に試せるので、ティートゥリーに限らずほかの精油でも試してみてください。

●ユーカリ
ユーカリも、強い殺菌・抗菌効果を持つとされる精油です。清々しく少し甘さを感じさせる香りは、心身をリフレッシュする効果もあるとされています。比較的安い値段で手に入るのも魅力です。消臭作用も持っているので、芳香浴に利用すれば、空気清浄作用だけでなく部屋にこもった不快な匂い対策にも効果が期待できます。また、ティートゥリー同様、呼吸器系のトラブルを緩和させる効果が期待できるため、喉や鼻の不調を感じたらマグカップにお湯を入れユーカリの精油を1滴垂らして、蒸気吸入をするのもオススメです。ただし、ユーカリの精油は刺激が強いので、蒸気吸入を行う際は必ず目を閉じてください。また、喘息や咳の症状がみられる時には蒸気吸入は控えましょう。

●ラベンダー
ラベンダーは、アロマテラピーで最も多く使われる精油で、その用途の広さは「万能精油」と呼ばれるほど。ハーブの爽やかさとフローラルな甘さが調和した穏やかな香りは、特にリラックス効果に優れていると定評があります。
インフルエンザ予防に役立つ効果としては、抗菌・抗ウイルス作用のほか、免疫力アップなども期待できるといわれています。また、作用が穏やかであるため、子どもにも安心して使いやすい精油といえます。ティートゥリーと同様に、芳香浴やうがいの際に使ったり、無添加の液体ハンドソープに精油を混ぜて(ハンドソープ100mlに精油を20滴程度)、オリジナルのハンドソープを作ったり、バスタブに3~5滴程度精油を落としアロマバスにして楽しむのもオススメです。

●ラベンサラ
ラベンサラは、マダガスカル原産のクスノキ科の樹木で、現地の原住民が古くからさまざまな用途で薬草として利用してきた植物です。その精油は、ローズマリーに似たスパイシーな香りを持ち、殺菌や抗ウイルスの作用に優れ、免疫力を強化する作用も期待できるため、インフルエンザ予防に役立つとされています。ティートゥリーやラベンダーと同様に作用が穏やかで、肌に対する刺激性が弱いという点も特長です。芳香浴やアロマバスをはじめ、幅広い用途に使いやすい精油といえます。

●レモン
フレッシュなレモンをそのまま閉じ込めたような親しみやすい香りで、年齢を問わず人気のある精油です。レモンの精油は、優れた殺菌作用や消毒作用があるといわれています。先に紹介した精油と同様に、芳香浴やアロマバスに利用できるほか、精油10滴程度を10mlのエタノールに混ぜて、40mlほどの水を加えれば、室内の空気を清浄化するエアーフレッシュナーとしても役立ちます。ただし、レモンの精油は肌につけた状態で日光や紫外線を浴びると皮膚トラブルを起こしてしまう光毒性があるとされているため、肌に使用した後は日光に当たらないように気をつけましょう。

まとめ

精油は医薬品ではありませんが、セルフケアの一環として取り入れることで、インフルエンザから身を守るために役立つことが期待できます。また、インフルエンザ予防だけにとどまらず、美容や癒しなど、プラスαの効果がもたらされる可能性があるのもうれしいですよね。植物の力を味方につけて、楽しみながらインフルエンザ対策を行ってみてくださいね。

木村医師よりコメント

アロマテラピーは科学的根拠を求められる西洋医学とは違って、古来より伝わる、生活の中で生み出された方法です。病気になった場合には、薬が必要になることもあるかもしれませんが、予防するためのセルフケアとして、取り入れてみるのもひとつの方法です。心も健康にしてくれるアロマテラピーで香りも楽しめば、生活を豊かにすることができるでしょう。

監修者

医師:木村眞樹子

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

 

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