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インフルエンザの予防にはアルコール消毒を! 効果的な使い方とは?

2022.11.28| 感染症・消毒

感染力の強いインフルエンザウイルスですが、きちんと対策をとることで感染リスクを大きく軽減することができます。特に、優れた予防効果が期待できるアルコール消毒は、ぜひ取り入れたい対策の一つ。正しく使うことで、インフルエンザウイルスをしっかり除去してくれます。そこで今回は、アルコール消毒の効果的な使い方を紹介します。

インフルエンザを予防するには? 感染経路を絶つ基本の予防対策

インフルエンザウイルスの感染経路には、ウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、付着したウイルスが体内に侵入する「接触感染」の2つがあり、インフルエンザの予防には、これらの感染経路を絶つことが効果的です。「飛沫感染」は、感染者のくしゃみや咳、つばなどに含まれたウイルスを吸い込むことで起こります。感染者と接近することで生じやすいため、流行シーズンはマスクを着用し、できるだけ人混みを避けるようにしましょう。「接触感染」は、感染者がウイルスの付いた手でものに触れることでウイルスが付着し、その場所に触れた手で口や鼻を触ることで起こります。感染者が触れたものを完全に避けることはできないため、手についたウイルスをしっかり洗い流すことが大切です。帰宅時や食事の前など、こまめな手洗い・うがいを習慣にしましょう。
また、身体が疲れていると免疫力も低下し、感染症にかかるリスクも上がってしまいます。十分な睡眠時間を確保できるよう早寝早起きを守り、栄養バランスのよい食事を一日3食摂るなど、規則正しい生活を心がけましょう。

手を洗う女の子

アルコール消毒を取り入れて、インフルエンザ予防を強化!

インフルエンザの予防にアルコールは効果的?

先に紹介したとおり、インフルエンザの効果的な予防法の1つに手洗いがあります。その効果をより高めるために取り入れたいのが、アルコールによる消毒です。アルコール消毒液は手軽に除菌できることに加え、実は、インフルエンザウイルスを除去する手段としても有効なのです。
ウイルスには、ウイルス粒子の最も外側にエンベロープと呼ばれる外膜を持つものと、持たないものがあります。エンベロープを持つウイルス(エンベロープウイルス)は、エンベロープによって力を保持しているため、それが破壊されると不活化され、感染力を失います。つまり、ウイルスが付着したとしても、エンベロープを破壊できれば感染を防ぐことができるのです。エンベロープはそのほとんどが脂質で構成されているため、アルコール消毒液で簡単に破壊することができます。そして、インフルエンザウイルスは、このエンベロープウイルスに該当するため、アルコール消毒が有効なのです。
一方、エンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)は、外膜がなくても力を保持できるウイルスであるため、アルコールは効きにくいと考えられています。ノロウイルスやロタウイルスがノンエンベロープウイルスに該当します。これらを除去するには、次亜塩素ナトリウムを含む塩素系漂白剤など、より強力な消毒が必要です。

アルコール消毒の効果的な使い方

アルコール消毒液はさまざまなタイプが市販されていますが、ウイルスの体内への侵入を防ぐには、手指の消毒タイプがおすすめです。より高い効果を得るためには、消毒だけで済ますよりも、手洗いと組み合わせて使うことが推奨されています。十分に消毒するためにも、次の手順に従ってしっかり行いましょう。

≪手指のアルコール消毒の手順≫
1. 流水で十分に手を濡らす
2. 手のひらでせっけんを泡立て、手の甲、指の間、指先、爪の間、手首まで、全体で30秒程度時間をかけてしっかり洗う
3. 流水でしっかり流す
4. 清潔なタオルやペーパータオル等で手の水気を拭き取る
5. 適量のアルコール消毒液を出し、すみずみまでなじませ、乾くまですり込む

手洗いを十分に行った後、アルコール消毒をすることでさらに予防効果が高まります。ここで注意したいのは、手洗い後の水気を十分に拭き取ってからアルコール消毒を行うことです。水分が残ったままの状態ではアルコールが薄まってしまい、十分な消毒効果が得られません。手順の一つひとつを丁寧に行いましょう。

アルコール消毒のイメージ

また、家族にインフルエンザ感染者がいる場合、家具や建具を消毒するのも感染予防になります。この場合には手指消毒タイプよりも強力な消毒用エタノールを使って、ドアノブや階段の手すり、照明のスイッチなど、家族みんなが触れる場所を消毒しましょう。

≪建具や家具のアルコール消毒の手順≫
1. 消毒する場所に直接触れないよう、ゴム手袋を着用する
2. 消毒用エタノールをペーパータオルや使い捨ての雑巾に含ませる
3. 家具や建具など気になる箇所を丁寧に拭く
4. 使い終わったペーパータオルやゴム手袋は、ナイロン袋に入れて処分する

家具や建具の素材によっては消毒できないものがあるので、消毒液の説明書きをしっかり読んでから行いましょう。また、噴霧するタイプの消毒液の場合、消毒したい場所を直接噴霧すると、付着しているウイルスを飛び散らしてしまう可能性があります。必ずペーパータオル等に含ませてから拭き取りましょう。

インフルエンザの感染を拡大させないためにも、基本の予防対策を徹底

目に見えないウイルスは、気が付かないうちにじわじわと感染が広がってしまうのが怖いところ。感染経路である「飛沫感染」と「接触感染」を絶ち、自分自身の身を守ることはもちろん、周囲の人に感染を広げない対策も必要です。インフルエンザは感染から発症まで3日程度の潜伏期間があるため、自覚症状のないままウイルスをまき散らしている場合があります。人の集まる場に出向く際はマスクを着用し、咳やくしゃみが出る際は、さらに口元をハンカチなどで抑えるようにしましょう。
また、ウイルスを無意識のうちに広範囲へ運んでしまうのが手です。不特定多数の人が触れる電車のつり革や、公共の場のドアなどを介し、人の手から手へとウイルスを広げてしまう恐れがあります。知らないうちに手に付着したウイルスを、様々な場所へ広げないよう、こまめな手洗いを徹底しましょう。

まとめ

インフルエンザウイルスの除去に優れた効果を発揮するアルコール消毒。感染経路を絶つ手段としてとても有効なので、流行期にはぜひ常備しておきたいですね。使い方も簡単なので、日々の予防対策にぜひ取り入れましょう。

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