インフルエンザの予防接種の副作用(副反応)ついて
2022.11.28| 感染症・消毒
インフルエンザの予防接種は受けたいけれど、副作用が気になって躊躇してしまう人もいるかもしれません。ここでは、インフルエンザの予防接種によってどんな副作用が起こりうるのか、予防接種を受ける時の注意点も含めてご紹介します。
※注)通常ワクチン接種によって生じる免疫付与以外の反応を「副反応」といいますが、ここでは一般的な用語である「副作用」の用語を使用してご説明しています。
インフルエンザ予防接種後の副作用にはどんなものがあるの?
腫れの症状
インフルエンザの予防接種をすると、期待している効果とは違う不都合な反応が起こることがあります。インフルエンザワクチンの接種によって重篤な症状が出ることはほとんどありませんが、注射した箇所が赤く腫れるケースは接種した人の約10~20%に見られます。これらの症状は2~3日で見られなくなるのが普通です。
全身症状
ほかにも、接種した人の5~10%には全身にだるさや熱、頭痛などが見られることがありますが、これも数日で症状は消えます。
ごくまれにある重篤な症状
非常にまれなケースですが、予防接種後に重篤な副作用が起こる場合があります。代表的なものとして挙げられるのは、「アナフィラキシーショック」で、接種してから30分くらいの短い時間で反応が出るのが特徴です。じんましんや湿疹、痒みが広がり、立ちくらみやめまい、腹痛や下痢、さらに呼吸困難などの症状が出ることもあります。
また、手足のしびれや麻痺、筋力の低下などが見られる「ギラン・バレー症候群」が発症することもあります。これはアナフィラキシーショックよりも症状が出現するまでは長く、接種後すぐに出ることもあれば数週間たってから見られる場合もあります。
予防接種の副作用が出てしまったら
腫れが出た場合
冷たいタオルなどで患部を冷やします。かゆくてもかかないようにしましょう。もし腫れが大きく広がるようなら、病院を受診しましょう。
発熱した場合
37度程度の微熱なら、自宅で水分を充分にとって安静にします。ただし38度以上の熱が続くようなら、病院を受診しましょう。
下痢や腹痛の場合
脱水をおこさないために、水分補給を忘れないようにしましょう。消化の良い食事を無理のない程度とりましょう。
こんな副作用が出たら要注意!
インフルエンザの予防接種をした後、以下のような反応が見られた場合には、急いで医療機関での診察を受ける必要があります。
★冷や汗、ふらつき、けいれん、血圧の低下などの全身症状
★息切れ、動悸、呼吸がしにくい
★歩きにくい、手足が動かしにくい
★嘔吐、唇の腫れ、蕁麻疹
★目のまわりの腫れ、視力低下、目の痛み
★動作が鈍くなる、意識障害、口のもつれや物忘れ
インフルエンザの予防接種時の注意点
インフルエンザ予防接種前の注意
前日は睡眠をしっかりとって体調の良い状態にしておきましょう。特に子どもに接種させる場合には、接種前に体調不良がないかをよく確認します。
インフルエンザ予防接種後の過ごし方
予防接種をしてから30分程度は、急な副作用が起きないかどうか確認するため、病院内で過ごすか、すぐに医師と連絡できる場所にいるようにしましょう。接種後は入浴など普段通りの生活は可能ですが、激しい運動は避けます。また、接種後数日間は、体調に大きな変化がないかどうか、注意して過ごすようにし、万一高熱や広範囲のひどい腫れ、けいれん、呼吸困難などの重篤な症状は出た場合には、至急受診してください。
インフルエンザ予防接種を延期または中止するケース
インフルエンザの予防接種を希望していても、次のような場合には接種を延期するか、中止することがあります。該当する場合は医師と相談しましょう。
★接種当日37.5度以上の熱がある人
★何らかの急性疾患にかかっている人
★インフルエンザの予防接種でアナフィラキシーショックを起こした経験のある人
★インフルエンザの予防接種で接種2日以内に発熱や発疹などのアレルギーを疑う症状が出たことのある人
★心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患がある人
★過去にけいれんの既往のある人
★過去に免疫不全の診断を受けた人、あるいは近親者に先天性免疫不全症の人がいる人
★卵アレルギーなど、接種液の成分に関するアレルギー反応が出る恐れのある人
まとめ
インフルエンザの予防接種によって起こる副作用には、頻繁に見られるごく軽い症状のものから、まれにしか発生しない重篤な症状のものがあります。インフルエンザの予防接種をした後に、ちょっと気になる症状が見られたら、上記の記事を参考にして対処し、重篤な症状は見逃さないようにしましょう。