【医師監修】インフルエンザ感染中の食べ物は何がいい?おすすめの食事内容を紹介
2022.11.28| 感染症・消毒
体は体温を上げて体内に入ってきたウイルスを撃退しようと頑張っているのですが、熱を生み出すためには多くのエネルギー源・栄養素が消費されてしまいます。
なるべく早く回復するためにも、十分な休息とともに栄養をしっかりととりながら安静にすることが大切です。
しかし、インフルエンザにかかると食が進まない場合もあるでしょう。今回は、自分自身や家族がインフルエンザに感染した場合、どのような食べ物が体にとって負担なく摂りやすいか紹介します。
インフルエンザに感染した場合におすすめの食べ物は?
インフルエンザでは38度以上の高熱が出ることが多く、こまめな水分補給が重要です。発汗が激しい場合や、高熱が続いている場合は医師の指示に従いながら、経口補水液など効率よく水分を補給できるように心がけてください。
そのうえで、無理せず食事が出来そうであれば、ビタミンやミネラル類などバランスが良く、消化の良いものから食べ始めましょう。
食欲がある場合は、野菜スープや雑炊
野菜スープ、雑炊などは口当たりもよく栄養を補給しやすい料理です。
食べたものは消化されてはじめて栄養分として体内に吸収されます。消化に時間がかかれば、それだけ胃腸への負担も大きくなってしまいます。
しかし煮込むことや熱を入れることで、食材の消化もよくなり、食材もシンプルなものだけで、栄養バランスがとることができます。また、スープは水分量も多いため、水分補給の役割も担ってくれます。
おかゆを食べる際も、梅干し、昆布、たまごなどをトッピングするとタンパク質、ミネラルなども摂れるのでおすすめです。
飲み込むのがつらい場合は、ゼリーなど滑らかなものを
インフルエンザは呼吸器の感染症なので、のどの痛み・咳などの症状もみられます。とくに、のどが痛むと、食べものを飲み込みづらくなってしまうため、食事が億劫になってしまうこともあるでしょう。
そのような場合は、りんごなど果物をすりおろしたものや、ゼリーと一緒に食べると口当たり良く食べることができます。
しかし、酸味の強い果物は胃腸に刺激となってしまうこともあるので注意しましょう。
胃腸に負担のかかるものは避ける
食物繊維が多いものや脂っこい食事は消化に時間がかかり、弱った胃腸の負担になってしまいます。
そのほか胃腸に刺激となってしまう辛いものや、カフェインを多く含む飲み物は避けるようにしましょう。
インフルエンザで食欲がない場合は?
食欲が十分に回復していない場合には、無理に固形物を食べる必要はありません。
ゼリー飲料や経口補水液で、水分・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂るようにしましょう。
極端に冷えたものは胃腸への刺激となりやすく、場合によっては嘔吐を誘発する可能性もあります。なるべく常温のものを摂るようにしてください。
解熱したら徐々に通常の食事へ戻す
熱が下がってくると食欲も戻ってくることが多いですが、急に普段の食事に戻すとこれまで流動系の食事しか入ってきていなかった胃腸へ負担がかかってしまいます。
体調が回復しても、しばらくは消化に良いものを食べるようにして、徐々に品数を少しずつ増やしながら、ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素をしっかり摂っていきましょう。
インフルエンザ予防におすすめの栄養素
インフルエンザに感染しないための体作りには、日々の食生活も大きく影響します。基本的にはバランスの取れた食事をとり、免疫力を高め、ウイルスに負けない体をつくりましょう。
ここではインフルエンザ予防にもおすすめの栄養素を紹介します。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や体内の血液成分、免疫などの基本構造となる非常に大切な栄養素のひとつです。
しかし、タンパク質だけを摂っていれば良いというわけでなく、タンパク質が私たちの体の構成成分となる際には、次に紹介するビタミン類やミネラル類が存在しないと正常に機能しなくなる可能性があります。
ビタミンC
ビタミンCは、ウイルスへの抵抗力を高めるインターフェロンの分泌を促進すると言われています。
ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草、小松菜などの野菜、イチゴ、みかんなどの果物に多く含まれます。熱に弱いため、なるべく生で食べられるものを摂ることをおすすします。
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜の働きを正常に保つことに関与するビタミンです。
主に動物性の食材に多く含まれ、レバーやうなぎ、牛乳、野菜ではβカロテンなどを多く含む人参、春菊などを摂ると良いと言われています。
インフルエンザにかかったときは、ビタミンやミネラルを含んだ食べ物を
体力回復に必要な食事は、少しずつ体調をみながら慣らしていくようにしていきましょう。
また、感染しないためにも日ごろからバランスの取れた食事を心がけ、こまめな手指消毒、手洗い、予防接種などを含め感染対策を徹底していきましょう。
監修者
医師:佐藤留美
内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。 久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。
佐藤医師よりコメント
インフルエンザに感染した場合、こまめな水分補給、十分な休息とともにビタミン、ミネラルやタンパク質などをバランスよく摂取するように心掛けましょう。