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【医師監修】インフルエンザ予防接種の2回目は違う病院でもいい?接種間隔も解説

2022.11.28| 感染症・消毒

季節性インフルエンザが日本で流行する時期は、クリスマスやお正月、成人式、受験シーズンなどの大きなイベントと重なる時期でもあるため、予防接種を受けて対策をとる方も多いことでしょう。

インフルエンザの予防接種は1回接種だけの場合と2回の接種が必要な場合があり、特に2回接種を受けるお子さんを持つ親御さんにとっては、接種するタイミングや接種する医療機関で頭を悩ませることもあるのではないでしょうか。

この記事では、インフルエンザの予防接種を2回受ける場合の接種間隔や2回目の接種を受ける医療機関は1回目の時と違ってもよいのかを解説していきます。

インフルエンザの予防接種は1回?2回?

厚生労働省によるとインフルエンザの予防接種は、13歳以上は1回接種を原則とし、6ヶ月以上13歳未満の子どもは2回接種が推奨されています。

なぜ13歳未満の子どもは2回接種が必要なのかというと、子どもは大人に比べて免疫の働きが弱く、1回のワクチン接種では十分な免疫獲得が得られ難いからです。

なお、1回目の接種時には12歳で、2回目の接種時に13歳になる場合であっても、12歳で受ける予防接種として考え、2回接種で問題ありません。
一方で、13歳以上の方は1回の接種でよいとされています。健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究により、1回接種も2回接種もほとんど変わらない結果が得られています。

ただし、13歳以上の方でも、慢性的な基礎疾患があったり、免疫が著しく低下した状態にあったりする場合には、医師の判断で2回接種が必要になる場合があります。

インフルエンザの予防接種はどのくらいの間隔をあけるの?

13歳未満の子どもの場合、インフルエンザワクチンの2回目の接種は、1回目の接種から2~4週間の間隔をあけることが原則です。可能であれば3~4週間の間隔をおくと高い免疫効果が得られると言われています。

インフルエンザの予防接種のスケジュール

季節性インフルエンザが流行し始める前には予防接種を受け、ウイルスに対する抗体を獲得しておきたいもの。ワクチンを接種してから身体のなかで十分な抗体ができるまでには2~4週間を要するため、予防接種のスケジュール(いつ、どこで、何回目の接種なのか)をあらかじめ想定しておくとよいでしょう。

例えば、2回接種する13歳未満の子どもの場合、1回目を10月下旬~11月上旬、2回目を11月下旬~12月上旬にワクチンが打てるようにスケジュールを組んでおきましょう。1回の接種でよい13歳以上の方は、遅くても12月上旬までにはワクチンを打っておきましょう。

インフルエンザの予防接種2回目は違う病院でも大丈夫?

インフルエンザの予防接種費用は医療機関ごとに異なるため、2回目の接種は費用の安い医療機関にしたいこともあるかと思います。あるいは予約がいっぱいで2回目は違う医療機関で接種しなければならない、といった状況も考えられます。

結果から言うと、2回目の予防接種を1回目とは違う医療機関で受けることは問題ありません。ただし、2回目の接種であることを事前にその医療機関に伝えておきましょう。

インフルエンザの予防接種の効果はどのくらい持続する?

インフルエンザの予防接種を受けると、からだの中でインフルエンザウイルスに対抗するための抗体がつくられます。その抗体はからだの中で徐々に増えていき、約1ヶ月後にピークを迎えます。

接種後3ヶ月を過ぎた頃から少しずつ薄れていくのですが、効果は5ヶ月程度持続するとされています。

予防接種以外でも感染予防対策を心がけよう!

予防接種を受けたからと言って、インフルエンザにかからないというわけではありません。流行時期には日常生活のなかでも感染を予防する行動を常に心がけるようにしましょう。

特に6ヶ月未満の乳児はワクチン接種が受けられないため、保護者などが感染予防のための行動をとることが大切です。

例えば、規則正しい生活を心がけ、マスクや手洗い、手指の消毒、室内の適度な換気や加湿、外出時には人混みに行かない、などです。

石けんと流水による手洗いは、手指に付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するのに有効な方法です。また、インフルエンザウイルスにはアルコール消毒液を用いた手指衛生も効果的。インフルエンザの流行時期には、外出先や帰宅時にこまめな手洗い、手指消毒を心掛けましょう。

空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。インフルエンザの流行時期と冬場の空気の乾燥は重なるため、室内は換気を行いながら加湿もしっかりしておくとよいでしょう。

インフルエンザの流行時期には人混みや繁華街への外出を控えたいもの。どうしても外出せざるを得ない場合にはマスクをつけ、帰宅時には手洗いをしましょう。

インフルエンザの予防接種のスケジュールを立てよう

インフルエンザの予防接種は10月頃より開始され、その予約に関する案内が9月末頃より医療機関の受付窓口やHPなどで公開され始めます。

インフルエンザの流行が本格化する前に予防接種が終えられるよう、スケジュールを立てておきましょう。また、予防接種を受けたからと言って安心せず、流行時期には日常生活のなかで感染予防対策をとるように心がけましょう。

工藤医師よりコメント

1回目のインフルエンザの予防接種から2回目を受けるタイミングはある程度の幅がありますので、あらかじめご自身やお子さんの無理のないスケジュールを立ててから受けることをおすすめします。

監修者

医師:工藤孝文

内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。
テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。
NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。
著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

 

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