激しい下痢や嘔吐などの症状を引き起こすノロウイルス。
毎年冬場に流行する感染性胃腸炎の主な原因であるノロウイルスは感染力が強いのが特徴です。
特に保育園や幼稚園、小学校などで集団感染が起こりやすく、感染した子どもがおうちにウイルスを
持ち帰り、あっという間に他の家族に拡がってしまうケースも珍しくありません。
ご家庭内の感染を防ぐために、ノロウイルスの正しい予防と対策方法をご紹介します。
ノロウイルスは毎年11~1月に流行する、感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。
主にヒトの手指や食品などを介して感染し、おう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。
ノロウイルスの治療薬や予防のワクチンはなく、特に抵抗力の弱い子どもやお年寄りは吐いた物を喉に詰まらせたり、肺に入って肺炎を起こして死亡するケースもあるので注意が必要です。またノロウイルスは感染力が非常に強く、感染者の吐物やふん便中に含まれる数百万~数億個のうち、わずか10~100個程度で感染すると言われています。
このように非常に強力なウイルスとして知られ、少量でも感染能力があるばかりか、ノロウイルスは、過去に一度ノロウイルスに感染していても免疫がつかず、何度でも感染する可能性があります。
感染性胃腸炎は例年10月頃から増え始め、12、1月に流行のピークをむかえます。
患者数が特に増えるのは12~1月頃。
多い月で4,000~5,000人/月になり、年間で17,000人の患者数が発生した年も。
ノロウイルスには、以下のような感染経路があります。
正しい予防対策のためにも、感染の原因をきちんと把握しましょう。
発生場所の約7割は飲食店で最も多く、次いで旅館、弁当の仕出屋と続きます。
食べ物に関する場所や人が多く集まるところにノロウイルスの危険が潜んでいます。
感染すると、1~2日で発症。吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを引き起こし、発熱することはあっても、高熱になることはあまりありません。通常、これらの症状が1~2日続いた後、自然に回復しますが、高齢者や子供の場合は、1日に20回以上の下痢をおこし、脱水症状などで入院が必要となることがあります。また、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。しかし、そんな人の糞便にも発症者と同じほどのウイルスが潜んでいるため、二次感染の予防対策に注意が必要です。