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掃除をする際に、お風呂のカビに悩む方は多いのでないでしょうか。目に見えるカビだけを掃除しても、原因となる菌を除去しなければカビは再び発生します。
カビの問題を根本から解決するには、カビの種類や発生する原因を知り、適切な対処をしなければなりません。
今回は、お風呂に生えるカビの基本的な知識やカビを予防する方法、カビを落とす方法を紹介します。繰り返し生えてくるカビに悩む方は、ぜひ参考にしてください。
お風呂に生えるカビの主な種類は、黒カビ、青カビ、赤カビの3種類です。お風呂の床や壁、天井、洗面用具などあらゆる箇所に発生します。
それぞれのカビの特徴は、以下のとおりです。
種類 | 特徴 | におい |
赤カビ | 繁殖するスピードが早い ピンク色でヌメリがある 擦れば簡単に落ちる | なし |
青カビ | 青緑色、粉っぽい 特定の箇所に集中して発生する 根を張るとなかなか落ちない | あり |
黒カビ | 黒い汚れのように見える お風呂でもっとも目立つ 根を張るとなかなか落ちない | あり |
赤カビはカビではなく、酵母の一種である赤色酵母(ロドトルラ)です。人体に害はありませんが、黒カビのエサとなるため除去する必要があります。
黒カビや青カビの胞子は、アレルギー症状や喘息を引き起こす場合があるので、見つけたら速やかに除去しましょう。
カビは微生物の一種で、真菌に分類されます。赤カビはカビではなく酵母ですが、同じ真菌の仲間です。人間の目には見えないほどの小さな胞子が成長して、目に見えるカビになります。
成長したカビは、空気中に胞子をばらまきます。そして、胞子はどこかに付着し、カビにとって良い環境が揃う場合のみ、発芽して菌糸を伸ばし成長します。
カビを根本から防止するためには、目に見えるカビだけでなく、菌や胞子への対策が必要です。
お風呂にカビが発生するのは、カビが育ちやすい環境が揃っているためです。カビは、「温度」「湿度」「栄養」の3つが揃ったときに増殖しやすくなります。
カビが好む温度、湿度、栄養は以下のとおりです。
要素 | 条件 |
温度 | 20~30℃ |
湿度 | 70%以上 |
栄養 | 皮脂汚れ、石けんカスなど |
3つの条件が揃わないようにすれば、必然的にカビが増殖する可能性が低くなります。カビ予防の重要なポイントとして把握しておきましょう。
お風呂のカビは、発生する前に予防ができます。お風呂のカビの予防方法には、以下のようなものがあります。
複数の予防法を取り入れることにより、カビの発生確率をより抑えられます。なるべく多くの予防法を取り入れましょう。
以下では、それぞれの方法を詳しく解説していきます。
お風呂場全体のカビを予防したい方は、製品から出る煙がお風呂全体に行き渡る、燻煙タイプの防カビ剤がおすすめです。
燻煙タイプの防カビ剤を使用する際には、戸や窓は閉め、換気扇も止めておきましょう。また、使用中はお風呂の中には入れません。
約2ヶ月間効果が持続するので、カビの生えやすい季節に入る前の使用や、定期的な使用がおすすめです。
なお、製品にもよりますが、使用時は銅製品や真鍮製の装飾金具、トタン製品、観葉植物をお風呂の外に出す必要があります。
また、あらかじめカビ掃除をしておく必要がある場合と、そうでない場合があるので、説明書を読んでから使用しましょう。
防カビに手間をかけたくない方には、置くタイプの防カビ剤がおすすめです。お風呂場に置いておくだけで成分が空気中に広がり、カビの繁殖を抑えます。
化学成分が気になる方は、天然成分で作られた製品をチェックしてみてください。
置くタイプだけでなく、吊り下げるタイプや貼るタイプもあるので、それぞれのお風呂場に合ったものを選びましょう。
カビの予防には、無水エタノールや消毒用エタノールもおすすめです。カビの胞子の多くは、アルコールによって死滅させられます。カビ胞子を除去することで、カビの増殖を防止できます。
ただし、無水エタノールは、そのまま使用するとすぐに蒸発してしまい、十分なカビ防止効果を得られません。無水エタノールは水と8:2の割合で混ぜて使用しましょう。
無水エタノールを水で希釈したら適量を布に染み込ませ、カビが生えているところやカビが生えそうなところを拭いてください。アルコール対応のスプレーボトルに入れ、カビを拭いた後にスプレーしてもかまいません。
ただし、無水エタノールや消毒用エタノールには漂白成分が入っていないため、染み込んだ黒カビの色までは落とせません。メラミンスポンジやブラシで擦って落としましょう。
ほかの防カビ製品は防カビにしか使えませんが、無水エタノールや消毒用エタノールは窓掃除や電化製品の掃除、キッチンの掃除などに幅広く使えるのが利点です。
入浴後の冷水シャワーで、カビのエサとなる皮脂汚れや残った石けんを洗い流すのも、カビ予防には効果的です。
カビが発生しやすい温度は20~30℃ですが、冷水によって浴室の温度を下げれば、カビが発生しにくくなります。
また、高温の温水シャワーでもカビを防止できます。カビの多くは熱に弱く、50℃以上の熱湯をかけると死滅します。
温水の場合は、シャワーの温度を60℃程度に設定し、一箇所に5秒以上かけ続けましょう。ただし、温度が高すぎると浴室の床や壁の素材を痛める可能性があるので注意が必要です。高温の温水による火傷にも注意しましょう。
お風呂に湿気が残ると、カビが発生しやすくなります。お風呂に入った後は十分に乾燥させましょう。
お風呂の床や壁に残った水分を雑巾で拭いたり、スクイージーで水切りしたりするのもおすすめです。
お風呂の中に湿気がこもらないよう換気を心がけましょう、また、浴室乾燥機能がついている場合は、活用するのもおすすめです。
お風呂の排水溝にあるゴミは毎日取りましょう。排水溝に溜まったゴミはカビのエサになり、カビの発生・繁殖の原因となります。
お風呂の中でも排水溝はカビが生えやすい箇所なので、こまめに掃除する必要があります。
排水溝にゴミが溜まっていると水の流れも悪くなります。水の流れが滞ると湿気が溜まりやすくなり、お風呂全体のカビの増殖につながります。
排水溝のゴミや汚れがすぐわかるように、あえて排水溝の蓋をしないのも1つの方法です。
お風呂に置くものは、なるべく吊るす収納にしましょう。シャンプーやリンスなどを直接置くと、容器の底と床の接地面に水気が溜まり、カビが発生しやすいです。
吊るす収納にすれば、水が残らず乾きやすいのでカビの発生を抑制できます。吊るすことを前提に作られたお風呂グッズも多く販売されているので、ぜひチェックしてみてください。
お風呂のカビを落とす方法は、以下のとおりです。
それぞれの掃除方法を詳しく解説していきます。
擦ってもなかなか落ちないカビには、塩素系漂白剤を使いましょう。塩素系漂白剤の主成分、次亜塩素酸ナトリウムはカビの根っこまで除去し再発も予防します。
また、漂白剤が入っているので、パッキンやタイルの目地などに染み付いたカビの色もキレイに落とせます。お風呂掃除には、カビがある箇所にピンポイントで塗布できるスプレータイプがおすすめです。
ただし、塩素系漂白剤は強力な洗剤なため、使用する際には以下の注意点を守りましょう。
塩素系漂白剤と酸性のものが混ざると、有毒な塩素ガスが発生します。酸性洗剤だけでなく、クエン酸や酢も一緒に使用することは避けましょう。
クエン酸と重曹を使ったカビ掃除は、比較的軽いカビにおすすめです。塩素系漂白剤に比べると、きつい臭いもなく、触ったときの肌への影響も少なめです。
クエン酸と重曹を混ぜてカビ掃除する方法は以下のとおりです。
細かい隙間にできたカビや、落ちにくいカビを掃除する際には、重曹やクエン酸をペースト状にして掃除しましょう。
重曹とクエン酸には相性の悪い素材があり、使用すると変色や劣化の可能性があるので注意が必要です。
重曹は大理石、クエン酸は大理石や金属、天然木、アルミ、漆やニスで塗装されているものに使わないようにしてください。
カビは、カビが好む温度や水分、栄養が揃ったときに発生、増殖します。お風呂はカビが好む条件が揃っているため、家の中でもとくに注意が必要です。
カビを防止するには、防カビ剤の使用や無水エタノールによる拭き掃除がおすすめです。
カビが生えにくくなるよう、お風呂場をシャワーで洗い流す、乾燥させる、排水溝のゴミをこまめに取る、お風呂に置いてあるものを吊るすなどの日常的な対策も忘れずに行うと良いでしょう。
お風呂のカビを防止して健康と生活環境を守りましょう。
なお、健栄製薬では無水エタノールをオンラインショップで購入できるため、手軽に手に入れたい方はぜひ検討してみてください。
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