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キッチンの換気扇の汚れが気になり、きれいに掃除したいと考えている方も多いでしょう。換気扇にこびりついた油汚れは頑固で、少し擦っただけではなかなか落ちないことも珍しくありません。
そこで今回は、換気扇が汚れる原因と掃除のポイント、換気扇汚れの予防方法をまとめて紹介します。掃除の前準備となるファンの取り外し方や具体的な掃除手順もわかりやすく解説するため、ぜひチェックしてください。
換気扇が汚れる原因は主に、料理中に出る油・空気中のホコリ・タバコのヤニの3つです。以下でそれぞれの原因についてさらに詳しく見ていきましょう。
揚げ物中に跳ね返った油や油を含んだ空気を吸い込むと、換気扇に油汚れが溜まります。油は冷えると粘着性を持ち、ホコリやそのほかの汚れを吸着する原因にもなるため要注意です。
また、溜まった油が酸化すると、黒ずんだ汚れに変わることもあります。
空気中を漂うホコリは、空気と一緒に換気扇に吸い込まれ、油に吸着して層を作ります。掃除しないまま放置すると、ホコリが蓄積し、落ちにくく頑固な汚れに変化するため注意が必要です。
換気扇の近くで喫煙する習慣がある場合、タバコのヤニも汚れに加わります。臭いが染み付くと、換気扇のスイッチを入れるたびにタバコの臭いを振り撒くこともあります。
誤った方法で換気扇掃除を行った場合、時間や手間をかけても汚れが落ち切らないケースがあります。
以下では、換気扇汚れを効率良く落とすためのポイントを2つ紹介するため、掃除の前にチェックしてみてください。
油汚れは、冷たい水で洗い流してもなかなか落ちません。とくに冬場は、40〜60℃程度の熱めのお湯を使って掃除をするのがおすすめです。
換気扇のパーツを取り外したら、お湯に洗剤を溶かして1〜2時間ほど浸け置きしましょう。洗剤が油汚れと反応して汚れを落とすには、一定の時間がかかるためです。ただし、後述する無水エタノールを掃除に使用する場合、浸け置きは必要ありません。
換気扇を掃除するには、まずファンを取り外す必要があります。
以下では、ファンの取り外し方を、シロッコファン・プロペラファンのタイプ別に見ていきましょう。
シロッコファンは円筒形をした換気扇で、本体を覆うようにレンジフードが付いていることが特徴です。シロッコファンの本体は、レンジフードのフィルターの奥にあります。
シロッコファンを取り外す手順は、以下のとおりです。
シロッコファンの羽は鋭利な形状で、取り外し中に回転するとケガをするリスクがあるため、必ず電源プラグを抜いてから作業を行いましょう。電源プラグの位置がわからない場合は、チャイルドロックを設定したりブレーカーを落としたりするのも1つの手です。
フィルターの外し方は製品により異なりますが、横にずらす、留め具を外すといった手順で簡単に外れるケースが多いです。ネジを回してファンを取り外すときは、ファンが落下しないよう、ファン本体を片手で支えながらネジをゆるめてください。
プロペラファンは、扇風機のようなプロペラの形の羽が付いた換気扇です。多くのプロペラファンにはレンジフードが付属しないため、シロッコファンと見分ける際の参考にしてください。
プロペラファンを取り外す手順は、以下のとおりです。
スピンナーが油で固まって回しにくいときは、ドライヤーで熱風を当てて油を溶かすと回しやすくなる場合があります。
続いて、実際に換気扇を掃除する手順を詳しく見ていきましょう。今回は、無水エタノール・重曹という洗剤の種類別に掃除手順を解説するため、用意しやすい洗剤での掃除方法を確認してください。
【用意するもの】
無水エタノールとは、水分をほとんど含まない純度の高いエタノールのことです。換気扇のほか、電化製品などの掃除にも使われます。無水エタノールでの換気扇の掃除方法は、以下のとおりです。
無水エタノールには、瞬時に水分を奪って蒸発する性質があり、直接触れると手が荒れるため、掃除の際は必ずゴム手袋を装着してください。アルコール濃度が高く引火しやすいので、ガスコンロの火がついていないことを確認してから使用することも大切です。
また、掃除中は窓を開けるなど、換気をしながら行うようにしてください。
なお、レンジフードの素材によっては無水エタノールの使用が望ましくない場合もあります。無水エタノールを使う場合は、必ず清掃対象となる製品ホームページや取り扱い説明書の清掃方法を確認し、使用可能かどうかをチェックしましょう。
上記の清掃方法と説明書に記載の方法が異なる場合は、説明書に記載の方法に従ってください。
【用意するもの】
重曹は、スーパーやドラッグストアなどで手軽に購入できる粉末状の物質です。水に溶かすと弱アルカリ性を示すため、酸性の汚れである油汚れを落としやすくする効果が期待できます。
重曹を使った換気扇の掃除方法は、以下のとおりです。
パーツの浸け置きは、シンクや浴室でゴミ袋を使って行うと便利です。汚れが落ちにくい場合は、重曹を溶かした水で拭いた後、無水エタノールと水を8:2で混ぜた洗剤で拭き掃除をするのも良いでしょう。
換気扇を汚れたまま放置した場合、カビの繁殖や故障など、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。換気扇の掃除を怠るリスクを詳しく見ていきましょう。
換気扇に汚れが蓄積すると、換気機能が低下し、臭いが正常に排出されなくなります。換気機能が低下すると、料理やタバコの臭いが部屋にこもって不快感を覚えやすくなるほか、咳などの健康被害につながるリスクもあるため注意が必要です。
換気機能が弱まると、空気を入れ替えるために長くファンを稼働させる必要があり、電気代が高くなることがあります。電気代が大幅にアップするわけではありませんが、少しでも省エネや節約を心がけたい方は、定期的に掃除をするのがおすすめです。
蓄積した汚れに雑菌やカビが繁殖した場合、臭いや害虫発生の原因になることがあります。キッチンが不衛生な状態になると、食中毒のリスクもあがるため注意しましょう。
油汚れに含まれる塩分や水分は、換気扇の塗装を劣化させ、サビや故障の原因となるため要注意です。油汚れは可燃性が高く、汚れが蓄積すると火災のリスクもあがります。
汚れをきれいに落とした後は、予防を行うことで、大掛かりな掃除の頻度を減らせます。最後に、換気扇汚れの予防方法を詳しく見ていきましょう。
普段からフィルターを付けていれば、換気扇の奥に汚れが入り込みにくくなります。ただし、汚れたフィルターを使うと換気扇の吸気効率が落ちやすいため、フィルターはこまめに新品に交換してください。
また、レンジフードに可燃性のフィルターを使うと、調理中に引火するリスクがあります。フィルターはガラス繊維などでできた不燃性のものを使うと良いでしょう。
市販の髪用リンスを布に染み込ませて、換気扇のパーツやレンジフードを拭く方法も効果的です。リンスでコーティングすると、界面活性剤の効果により汚れやホコリが付きにくくなります。
換気扇は、1ヶ月に1回や2〜3ヶ月に1回など、期間を決めて定期的に拭き掃除をしてください。定期的に軽めの掃除をすることで、頑固な汚れの蓄積を防げます。
拭き掃除には、食器用洗剤を染み込ませたキッチンペーパーを使いましょう。また、無水エタノールを染み込ませた布で拭く方法もおすすめです。
換気扇汚れの主な原因は、油やホコリ、タバコのヤニです。汚れが付着したまま放置すると、換気効率の低下や電気代の上昇、悪臭、カビの繁殖、故障などさまざまなトラブルの原因となるため、汚れが気になってきたら早めに掃除を行ってください。
換気扇掃除には、無水エタノールや重曹が効果を発揮します。誤った方法で掃除をするとなかなか汚れが落ちない場合があるため、掃除の前に正しい手順を把握して、効率良く作業を行いましょう。
換気扇掃除を終えた後は、きれいな状態を維持するために、予防をすることが大切です。換気扇掃除に用いる無水エタノールは、掃除後の汚れ予防にも使えます。
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