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電子レンジは調理に役立つ便利な家電ですが、使い続けるうちに汚れが溜まりやすいです。電子レンジの掃除をしたいと考えていても、汚れを落とすのに何を使えば良いかわからない方もいるかもしれません。
今回は、電子レンジの汚れを落とすための掃除方法を説明します。何を使いどのような方法で掃除すれば良いか、やってはいけないこと、日ごろから電子レンジを清潔に保つ方法もあわせて紹介します。
電子レンジにはさまざまな汚れが付着します。何が付着しているかによって適切な掃除方法が異なるため、まずは電子レンジの汚れの原因を知ることが大切です。
以下では、考えられる主な汚れの原因について説明します。
加熱の際に飛び散ったり、こぼれ落ちたりした食品のカスが、電子レンジの汚れの主な原因です。タンパク質や糖分、油分など、食品に含まれる成分が加熱の際に飛び散り、電子レンジの庫内が汚れる場合もあります。
これらを放置すると、電子レンジ使用時に付着したままの汚れが、毎回温められたり冷めたりして、取れにくくなります。油汚れのこびりつきや焦げつきの原因になるため、注意が必要です。
食品を温めると水蒸気が発生し、固まって白いシミのような水垢となることがあります。スチーム機能つきの電子レンジに発生しやすく、長期間放置するとこびりついてしまいます。
食品による汚れが酸性なのに対し、水垢による汚れはアルカリ性のため、掃除方法を使い分けると効果的です。
加熱の際に発生した水蒸気で電子レンジの庫内が湿った状態が続くと、カビが生える可能性があります。カビは水滴や食品のカスをエサにして繁殖するため、汚れの放置は悪循環につながります。
カビが繁殖すると、黒い斑点のような酸性の汚れとなり落ちにくく、汚れだけでなく悪臭の原因にもなります。衛生面でも問題があるため速やかな除去が必要です。
電子レンジは主に、庫内の底面や天井、側面が汚れやすいです。ターンテーブルがある場合は、外して洗浄しましょう。
最も汚れやすいのは庫内ですが、電子レンジの外側もチェックが必要です。直接指で触れる操作パネルには、手垢などが付着しやすいため拭き掃除を行いましょう。
また、排気口や吸気口、電源プラグにはほこりが溜まりやすいです。定期的に取り除きましょう。
電子レンジは、気づかないうちにさまざまな箇所に汚れが付着している可能性があるため、全体的にチェックすることが望ましいです。
電子レンジに付着した頑固な汚れは、水拭きなどではなかなか落とせません。日常的に使う家電のため、掃除に使えるアイテムを常備しておくと便利です。
多様な使い方ができて、電子レンジの掃除にも役立つ代表的なアイテムを紹介します。
無水エタノールは、水を含まない純粋なエタノール(濃度99.5%以上)で、無色透明の液体です。揮発性が高く、すぐに蒸発する性質があります。
布に含ませて拭き取ると汚れが落ちやすく、電子レンジを含め多様なものや場所の掃除に使える便利なアイテムです。アルコールの一種のため、汚れ落としだけでなく除菌もできます。
ただし、無水エタノールは揮発性が高いため、使用後は速やかに蓋を閉めましょう。また、引火のおそれがあるため、火気のそばでは使用しないでください。注意点を守って使用することが大切です。
重曹は、白い粉末状の物質で、正式名称は「炭酸水素ナトリウム」です。水に溶けるとアルカリ性になります。自然由来の物質でお菓子作りなどにも用いられ、ベーキングソーダとも呼ばれます。
体や環境への負荷がかかりにくいため、一般家庭でも使用しやすく広く活用されています。
電子レンジの掃除に使う場合、食品のカスなど酸性の汚れ落としや、においの除去に向きます。酸性の汚れにアルカリ性の重曹を使うと、中和反応が起き、汚れが落ちやすくなるからです。
一方、アルカリ性の汚れには酸性のアイテムを使うと同様の効果が得られます。
クエン酸は、重曹に似た白い粉末状の物質です。有機酸の一種で、梅やレモンなどに含まれる酸味の主成分でもあります。食品添加物としても活用され、pH調整剤や酸味料としての役割を持ちます。
カルシウムを溶かす、アルカリ性の汚れを中和するなどの作用があり、電子レンジではアルカリ性の水垢汚れの掃除に適しています。
なお、塩素系の漂白剤やカビ取り剤と混ぜると、有害な塩素ガスが発生するため注意が必要です。
電子レンジの汚れは放置すると落ちにくくなるため、早めに掃除することが望ましいです。
汚れの原因に合わせて、適切な掃除方法を選びましょう。ここからは、前述の電子レンジの掃除に使えるアイテム別に、掃除方法を詳しく説明します。
無水エタノールは汚れ落としに適しており、汚れの種類を選ばずに使用できます。すぐに蒸発するため、水気が残らない点もメリットです。
なお、無水エタノールで電子レンジを掃除する場合は、機器の説明書やホームページなどに記載の清掃方法に従い利用しましょう。また、掃除の際は必ず換気を行ってください。
【用意するもの】
【手順】
重曹を水に溶かした重曹水を電子レンジで加熱することで、アルカリ性の蒸気を庫内に充満させ酸性の汚れを落とします。食品カスのこびりつき(油汚れ)や焦げつきを掃除するのに適した方法です。
【用意するもの】
【手順】
重曹を使う掃除方法と同様の手順で、クエン酸水を加熱し酸性の水蒸気を充満させアルカリ性の汚れを落とします。水垢の掃除に向いている方法です。
【用意するもの】
【手順】
掃除の方法や使用アイテムを間違えると、トラブルが起こる場合があるため注意が必要です。掃除する前に以下の注意点を押さえておきましょう。
重曹水やクエン酸水を入れる耐熱容器は、必ず電子レンジ対応のものを使ってください。非対応のものを使うと、容器の破損だけでなく発煙や発火が起こるかもしれません。
また、高温の状態で庫内を拭くとやけどを負うおそれがあります。加熱後に行う拭き掃除は、必ず庫内が冷めてからにしましょう。
合成洗剤やメラミンスポンジを使わないことも大切です。住宅用や家具用の洗剤は電子レンジを傷つけるおそれがあります。メラミンスポンジも研磨作用により汚れを落とすため、電子レンジを傷つけてしまいます。
電子レンジの汚れを掃除せずそのままにしておくと、さまざまな不具合が生じます。
汚れが蓄積すると、悪臭やカビが発生します。庫内に発生した悪臭により、食品を温める際ににおい移りする場合もあります。水蒸気や食品カスによりカビが発生した状態では、健康被害も起こり得るため注意が必要です。
衛生面の問題だけでなく、汚れが原因で加熱効率が低下する点も大きなデメリットです。電子レンジのマイクロ波が蓄積された汚れを温めるため、使用時に加熱ムラができてしまいます。加熱効率が下がると無駄な消費電力が発生し、電気代があがる原因にもなります。
さらに、発火により火災が起こるおそれもあります。蓄積された汚れが加熱され続けると焦げつきとなり、炭化し発火するケースも考えられます。
庫内だけでなく庫外のほこりも引火の原因になります。電子レンジを安全に使うためにも、汚れやほこりの放置は避けましょう。
電子レンジの汚れの蓄積による不快なにおい、機能低下などを防ぐには、日頃から清潔に保つことが大切です。電子レンジを清潔に保つためにできることを紹介します。
週1回程度の掃除でも良いですが、できればこまめにお手入れするとより清潔に保てます。
例えば、1日の終わりに濡れ布巾で拭くのも良いでしょう。汚れが蓄積されていなければ、水拭きだけでもきれいになります。無水エタノールを使ってさっとひと拭きするのもおすすめです。
庫内の汚れ防止には、加熱時に食品が飛び散らないようにすることが大切です。ラップや蓋をして温める習慣を付けましょう。
ただし、密閉すると破裂することがあるため、ラップはふんわりかけるか、蒸気が出る穴を開けて加熱してください。蓋の場合は少しずらして隙間を作るか、穴の開いたものを使用すると良いでしょう。
また、加熱し過ぎると食品が爆発したり吹きこぼれたりするため、適切な加熱時間を守ることも重要です。
コンロ付近は油汚れが付着しやすいため、電子レンジを置く場所には向きません。
また、高すぎる場所に置くと掃除がしにくいです。高い場所は食品の出し入れがしづらく、こぼしてしまうなど汚れが増える原因にもなります。庫内が見えにくいため、汚れが付着しても気づきにくいなど、さまざまなデメリットがあります。
反対に低すぎる場所でもほこりが溜まりやすいため、避けたほうが良いでしょう。食品の出し入れがしやすいよう、電子レンジの扉を開きやすい配置にすることも大切です。
日常的に使う家電は、使いやすさとお手入れのしやすさを考慮して、無理なく手の届く場所や向きに設置しましょう。
電子レンジの掃除は、汚れの原因に合わせた方法で行うことが望ましいです。食品カスによる油汚れには重曹、水垢にはクエン酸を使うと、中和反応により汚れが落ちやすくなります。
汚れが蓄積すると、悪臭が発生し不衛生なだけでなく加熱ムラなども起こるため、蓄積してしまう前に掃除しましょう。電子レンジを使いやすく目が行き届きやすい配置にし、こまめにお手入れしたり、庫内が汚れないよう加熱時に工夫したりすることも大切です。
無水エタノールは、さまざまなタイプの汚れを落とせる便利なアイテムです。電子レンジ以外の掃除にも役立つため、常備しておくことをおすすめします。
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