制酸剤、緩下剤 酸化マグネシウム錠「ケンエー」
簡易懸濁法による経管栄養用チューブの通過性について
簡易懸濁法による経管栄養用チューブの通過性について
酸化マグネシウム錠250mg・330mg・500mg「ケンエー」(以下、酸化マグネシウム錠「ケンエー」と略す。)は、独自の製剤設計により、水に懸濁しやすくより細かい粒子に崩壊することを特長とした製剤である。今回、本製剤の簡易懸濁法による経管投与の適用可否を評価するため、酸化マグネシウムとして約1gを用いた場合のシリンジ及びチューブの通過性について試験した結果をここに報告する。
- 【供試製剤】
-
250mg錠、330mg錠及び500mg錠について、物性の差はほとんど認められないことから、代表として330mg錠を用いて試験を実施した。
供試製剤1:酸化マグネシウム錠330mg「ケンエー」
供試製剤2:日局酸化マグネシウム(細粒) - 【試験方法】
-
シリンジのピストン部を抜き取り、シリンジ筒内に供試製剤(3錠又は酸化マグネシウムとして1g)を入れ、ピストンを戻した。次に温水(55℃)20mLを吸引し、筒先にふたをして10分間放置した後、振り混ぜてよく懸濁し、経管栄養用チューブの注入口より注入した。さらに、同シリンジを用いて、水(常温)20mLで経管栄養用チューブを洗浄した。注入の際、経管栄養用チューブは体内挿入側の端から3分の2を水平とし、注入口を30cmの高さにセットした。また、注入速度は2~3mL/秒とした。なお、温水(55℃)の代わりに水(常温)を用いた場合についても試験を行った。
判定は、○(スムーズに通過)、△(通過したが抵抗を感じた)、×(シリンジもしくはチューブが閉塞)とし、閉塞した場合は、閉塞部分を写真内に赤丸で示した。[シリンジ及び経管栄養用チューブ]
組み合わせ①
シリンジ:Exacta-Med オーラルディスペンサー(Baxa社)
チューブ:ニューエンテラル フィーディング チューブ 6.5Fr(日本シャーウッド株式会社)
組み合わせ②
シリンジ:テルモカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社)
チューブ:ニューエンテラル フィーディング チューブ 8Fr(日本シャーウッド株式会社)
組み合わせ③
シリンジ:テルモカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社)
チューブ:バードPEGキット20Fr + バード ジェジュナルカテーテル9Fr(株式会社メディコン) - 【試験結果】
- 酸化マグネシウム錠「ケンエー」は、いずれのシリンジ及びチューブ組み合わせにおいても、閉塞することなく通過した。
(1)温水(55℃)を用いた場合
表2.経管栄養用チューブの通過性(懸濁液:温水(55℃)の場合)
組み合わせ① | 組み合わせ② | 組み合わせ③ | ||||
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ニューエンテラル フィーディングチューブ (8Fr) | 判定 | ニューエンテラル フィーディングチューブ (6.5Fr) | 判定 | バードPEGキット(20Fr) + バード ジェジュナル カテーテル(9Fr) | 判定 | |
酸化マグネシウム錠 「ケンエー」 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
日局酸化マグネシウム (細粒) | × | × | × |
(2)水(常温)を用いた場合
表3.経管栄養用チューブの通過性試験(懸濁液:水(常温)の場合)
組み合わせ① | 組み合わせ② | 組み合わせ③ | ||||
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ニューエンテラル フィーディングチューブ (8Fr) | 判定 | ニューエンテラル フィーディングチューブ (6.5Fr) | 判定 | バードPEGキット(20Fr) + バード ジェジュナル カテーテル(9Fr) | 判定 | |
酸化マグネシウム錠 「ケンエー」 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
日局酸化マグネシウム (細粒) | 〇 | × | × |
(2021年9月作成)