消毒薬の選び方
消毒剤の毒性、副作用、中毒
10.トリクロサン(Tricrosan)
毒性
(単位:mg/kg)
LD50 | ||
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マウス | 腹腔 | 84 |
経口 | 4530 | |
皮下 | 3800 | |
ラット | 腹腔 | 89 |
静脈 | 29 | |
経口 | 3700 | |
皮下 | 3900 | |
ウサギ | 皮膚 | 9300 |
生殖に及ぼす影響
トリクロサンの100,200及び400mg/kgを妊娠ラットに胎仔の器官形成期を含む妊娠7日から17日まで毎日1回強制経口投与し、妊娠の維持及び胎仔発生に及ぼす影響を検索した。
- 妊娠母体について、400mg/kg用量では摂餌量の減少、立毛、流涙、失禁及び下痢などの中毒症状が観察された。
- 妊娠20日目の胎仔について、400mg/kg用量において胎仔死亡率の有意な上昇が認められた。外表奇形の発現は認められず、内部器官及び骨格の検査においてもトリクロサン投与によると考えられる異常例は観察されなかった。
トリクロサンは加熱やUV照射でダイオキシン誘導体(毒性物質)を生成することがあるので注意すること。
副作用
接触皮膚炎
20歳、女性。トリクロサン含有制汗・防臭用のスプレーを用いているうちに、両腋窩に色素沈着、紅斑よりなる皮膚炎の発生を見た。後日トリクロサン含有アルコール液を用い前膊、手を消毒し、該部に掻痒性の皮疹の発生を見た。翌日より顔面、頸部にも拡大した。