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vol.27 自動手指衛生遵守システムは医療関連感染の発生率低下に関連する
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背景

医療関連感染(HAI)は良好な手指衛生(HH)の実践により防止可能である。HH遵守監視システム(HHCS)はHH遵守を測定する上で信頼性があることが示されているが、HAI減少に対する有効性のデータは限られている。

方法

アメリカの市中病院において非ランダム化前後比較介入研究が行われた。HHCSの導入前後でHAI率を調査した。介入前期間は2014年1月に開始し、介入は2015年3月に開始した。データは2017年9月まで収集した。その他の感染に特化した介入も実施された。HAI率は発生率比(IRR)として計算された。

結果

介入前および介入期間中にそれぞれ14,297人と36,890人の患者が対象となった。1か月当たり平均696,928件のHH機会がHHCSによって記録された。介入期間中に、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)発生率に有意な低下が認められた(IRR 0.55、95%信頼区間0.35~0.87)。同様に、中心ライン関連血流感染(CLABSI)の発生率にも有意な低下が認められた(IRR 0.45、95%信頼区間 0.23~0.89)。000136

考察と結論

これらの結果から、自動システムによるHH実践の監視を他の感染対策に追加することがHAIを減少させる有効な手段であることが示唆される。HAIの減少においてHHCSの潜在的な役割を明確にする研究が今後必要である。

監修者コメント

本システムは、手指衛生の実施を以下の2つの方法で検知できる。

(1)アルコールを化学的に検知

(2)シンクから一定距離以下に一定時間以上滞在

本システム使用により、カテーテル関連尿路感染や中心ライン関連血流感染の低下が著しい。同時に行われた他の介入の影響も考えられるが、本システムのHAI減少に関する有用性が大いに期待できる。HHCSは様々な種類のものが開発され臨床で使用されているが、本システムはなかでも実際の手指衛生実施をかなり正確に検知するものとして有望であり、今後も更に研究が進むものと思われる。