2017/18シーズンには英国で中等度~高度のインフルエンザ流行がみられ、B型及びA(H3)型インフルエンザの同時流行であった。
公衆保健における影響は主に高齢者でみられ、ケアホームでのアウトブレークが多数報告された。病因及びICUへの入院率のピークは過去6年間で最高であったことが確定診断例のデータから示された。あらゆる原因による超過死亡率は、イングランド及びウェールズでは2016/17シーズンと同様に特に高齢者で高かったが、2014/15シーズンよりも低かった。スコットランドでは2017/18シーズンの超過死亡率は過去数シーズンで最も高かった。
RSウイルスやライノウイルス、アデノウイルス及びパラインフルエンザウイルスなど他の呼吸器系ウイルスの流行レベルは近年と同等であった。英国では高い致死率と英国への輸入の危険性がある2種類の新たな呼吸器系ウイルス、MERSコロナウイルス(中東で流行)及び中国東部で流行している鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)に対するサーベイランスが続けられている。
以上の内容は、英国における2017/18シーズンのインフルエンザ及び他の呼吸器系ウイルスに関するPHEの年次報告書の結論である。英国全体におけるインフルエンザの死亡率及び罹患率に関するデータ、ウイルス学的なデータを示しているこの年次報告書は、PHEのNational Infection Serviceのインフルエンザ・サーベイランスチームが各地方政府の公衆保健機関及び研究所と共同で作成したデータ及び他の全国的なデータによるものである。
【インフルエンザワクチンの接種率及び効果】
イングランド及び他の地方政府におけるインフルエンザワクチン接種率の要約が年次報告書に記載されている。イングランドにおけるワクチン接種率は、65歳以上(72.6%)や医療従事者(72.6%)を含む全ての対象群で昨シーズンよりも高かった。
イングランドにおけるGPの患者、医療従事者におけるワクチン接種率に関する個別レポート、国の小児インフルエンザ予防接種計画によるワクチン接種率のレポートも発表されている。