Column

2024.11.08

乾燥肌・スキンケア

乳液に含まれることの多い「セラミド」は肌のうるおいに欠かせない成分の1つです。

今回は、セラミドの特徴や役割、セラミドが含まれる乳液の選び方について解説するので、ぜひスキンケアの参考にしてください。

乳液に含まれることの多い「セラミド」とは?

乳液に含まれることの多いセラミドは、もともと誰の肌にでもある成分で、肌の角質層に存在しています。外部の刺激から肌を守る働き(バリア機能)があり、うるおいも保持します。

正常なバリア機能を維持するポイントは、天然保湿因子、細胞間脂質、皮脂膜の3つの保湿因子があげられます。

セラミドの役割

セラミドは「細胞間脂質」の1つで、角質細胞間の隙間を埋めて水分を抱え込む働きがあります。肌に十分な水分があるとキメが整い、肌にうるおいを与えます。

また、肌がふっくらしてくることで、毛穴が目立ちにくくなります。

セラミドが不足すると肌はどうなる?

前述のとおり、セラミドはもともと肌に存在する成分で、年齢を重ねるごとに減少し、50代は20代の半分程度になるといわれています。

セラミドが不足すると、角質細胞間の接着力が落ち、その結果肌のバリア機能の低下を招きます。

また、肌の乾燥によるカサつきや肌荒れを繰り返しやすくなり、シワの原因にもなります。

セラミドが含まれている乳液の選び方

セラミド入りの乳液を選ぶ際には、パッケージに記載されている成分表示を確認してください。例えば、セラミドの種類が「セラミド+アルファベット」で示されている場合は、セラミドのなかでも、「ヒト型(バイオ)セラミド」を表しています。

「ヒト型(バイオ)セラミド」は、ヒトのセラミドに近づけて作られており、肌への浸透が良いことが特徴です。

また、セラミドの種類によって保湿力や価格が異なるため、自身の肌に合ったものを選ぶことが大切です。敏感肌やアレルギーを起こしやすい方の場合は、アルコールや界面活性剤、防腐剤などほかの成分も確認しましょう。

セラミド入り乳液の役割とつけるタイミング

セラミド入り乳液は、バリア機能を高めることで肌の乾燥や肌荒れを防ぐことができます。乳液をつけるタイミングは、洗顔後にまず化粧水で水分を補った後、少しおいてから乳液をつけるのが良いです。

化粧水の直後ですと、乳液が流れ落ちたり塗りムラになったりする可能性があるので、化粧水を肌にしっかり馴染ませた後が良いでしょう。

セラミド以外で保湿効果におすすめの成分

セラミド以外にも保湿効果の高い成分がありますので、いくつか紹介します。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質の特徴は、高い保湿力に加えて血行促進や抗炎症の効果が期待できることです。乾燥による肌のカサつきだけでなく、赤みやかゆみを伴った皮膚の症状の改善にも期待できます。

ヘパリン類似物質が含まれた保湿剤には、医薬品と医薬部外品があります。

医薬品は、医療機関で治療薬として処方されるもので、保湿のほかにも血行促進や抗炎症の作用があり、乾燥肌の治療薬として販売されている製品などがあります。

医薬部外品は、処方箋がなくても薬局で購入できるもので、毎日のスキンケアにも使いやすく、高い保湿効果が期待できます。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、もともと人の皮膚や関節に存在する物質で、高い保湿や保水力を有しています。そのため、肌にハリや弾力を与え、乾燥によるシワを目立たなくする効果が期待できます。

スキンケアとあわせて肌のうるおいを保つ方法

セラミド入りの乳液は肌に直接作用しますが、体の内側からのケアも大切です。

セラミドの1日の摂取目標量は0.6mgといわれています。例えば、生イモこんにゃく・米・小麦・大豆・わかめ・ひじき・牛乳など、セラミドの含有量の多い食べ物を積極的に摂りましょう。

栄養バランスの良い食事とあわせて、セラミド入りのドリンクやサプリメントを補助的に摂取するのも良い方法です。

ほかにも、水分補給をこまめにして体の内側から乾燥を防ぐことも大切です。

セラミド入りの乳液と内側からのケアで健やかな肌を保とう

肌に十分な量のセラミドがあると、キメが整って奥からうるおいに満ちてふっくらとした肌が目指せます。

また、毛穴が目立ちにくくなることもあるので、セラミド入りの乳液などを活用したスキンケアを取り入れてみましょう。

さらに、外からのアプローチだけでなく、内側からのケアも大切です。食生活や生活習慣なども意識して健康的な肌を目指しましょう。


赤須医師よりコメント

セラミドは、皮膚の細胞と細胞の間の隙間に存在する物質で、「細胞間脂質」の1つです。セラミドが豊富にあると肌が水分を抱え込む力が増し、うるおいをキープすることができます。肌の保湿力がアップしてバリア機能が高まると、健康で美しい肌を保つことができます。

赤須玲子先生

監修者

医師:赤須 玲子

赤須医院院長
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。著書に「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)などがある。
○医学博士○日本皮膚科学会専門医○美容皮膚科学会会員○アメリカ皮膚病理認定医

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