2023.05.12
乾燥肌・スキンケア
【医師監修】ストレスによって肌荒れが起きやすい場所・治し方を紹介
ストレスで肌荒れが起きるというのは、誰もが一度は耳にしたことがある言葉です。しかし、「なぜストレスを感じると肌荒れにつながるの?」と、疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。
実はストレスを感じたとき私たちの身体の中では、さまざまなことが起きているのです。
今回は、ストレスと肌荒れの関係を詳しく解説します。ストレスによる肌荒れの特徴や治すための生活のポイントも合わせて紹介しますので、肌荒れの原因がストレスかもしれないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ストレスと肌荒れの関係
ストレスと肌荒れは関係があると考えられています。ストレスを感じたときに、私たちの体内で起きる現象が肌荒れの原因になる可能性があるとされているのです。
以下では、ストレスを感じたときに私たちの体内で起きる現象と、ストレスが肌に与える影響について解説します。
ホルモンバランスの乱れ
ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌されるといわれています。皮脂が過剰に分泌されると毛穴がつまりやすくなり、ニキビができやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れもストレスが原因で起きる現象の1つといわれています。自律神経とは、交感神経と副交感神経を良いバランスに保ち、内臓の動きなどの生命を維持するための機能を正常に働かせているものです。
ストレスを感じると、この自律神経のバランスが乱れてしまい、交感神経が優位になるといわれています。交感神経が優位になると血管が収縮し、血行不良を招きやすくなります。
さらに血行不良は肌の温度低下へとつながっていき、その結果としてバリア機能が低下しやすくなります。
バリア機能とは、肌を外部刺激から守り、うるおいを守るものです。このバリア機能が低下すると、肌が乾燥し、ニキビや肌荒れの原因になる可能性があります。
ターンオーバーの低下
自律神経が乱れると、肌の生まれ変わりであるターンオーバーも低下するといわれています。
ターンオーバーのリズムが乱れると、肌のバリア機能を低下させ、外部刺激にも敏感になりやすいです。
肌が敏感になると、花粉やホコリなどにも過敏になり、肌荒れしやすい状態になってしまいます。
ストレスによる肌荒れの種類
前述したとおり、私たちはストレスを感じるとホルモンバランスや自律神経が乱れ、さまざまな肌の不調を招いてしまいます。
ストレスがかかることで、起きる可能性がある肌荒れの種類を以下で紹介するので、ご自身が気になるものがあるかチェックしてみましょう。
- ニキビ
- 肌のくすみ
- シミ
- 赤み
- かゆみ
- 乾燥
ストレスによる肌荒れが起きやすい場所
ストレスによる肌荒れのなかでも、ニキビは顎周辺やフェイスラインにできやすい特徴があります。顎周辺のニキビは、ストレスや生活習慣によるホルモンバランスの乱れが主な原因です。
ストレスを感じると、男女ともに男性ホルモンが分泌されるといわれています。フェイスラインは髭が生える場所なので、男性ホルモンの影響を受けていると考えられています。
ストレスによる肌荒れの治し方
ストレスによる肌荒れを治すためには、まずストレスを上手にコントロールする方法を見つけることが大切です。現代社会において、ストレスをゼロにするのは難しいので、うまく発散する方法を見つけましょう。
また、スキンケアで肌荒れしにくい肌を目指すことも大切です。以下で主なストレス発散方法とスキンケアのポイントを紹介するので、上手にストレスコントロールしながら健康的な肌を目指していきましょう。
アロマの香りでリラックスする
ストレス解消には、アロマの香りでリラックスするのもおすすめです。香りは脳に働きかけ、リラックスさせる作用があるといわれているので、お気に入りのアロマを見つけてみるのも良いかもしれません。
ラベンダーやベルガモット、イランイランの香りがストレス解消に良いとされているので、ぜひ試してみてください。
しっかり睡眠する
ストレスを感じたときは、しっかり睡眠をして休むことが必要です。睡眠不足になると、心も身体も疲れた状態になり、ストレスが溜まりやすくなります。睡眠は心と身体をリフレッシュする大切な時間です。
ストレスを感じたらいつもより早く寝るよう心がけてみてください。
体を動かしてリフレッシュする
ウォーキングなどの軽めの運動でも、体を動かすとストレスを解消するホルモンが分泌されるといわれています。
運動すると、交感神経が優位になり、ポジティブになりやすくなると考えられているので、ストレスを感じているときこそ外に出て少し体を動かしてみてください。
ストレスコントロールをする
ストレスコントロールとは、特定の行動をすると、ストレスが解消されると意識づけて、主体的にストレスを解消することです。
例えば、ショッピングに行く、ゆっくりお風呂に浸かるなど、ご自身がリラックスできることをいくつか見つけておきます。
ストレスを感じたときに決めておいた行動を実践し、ストレスをご自身でコントロールしていきましょう。
クレンジングと洗顔で肌を清潔に保つ
肌のターンオーバーを整えていくために、クレンジングと洗顔を適切に行いましょう。
クレンジングはメイクだけでなく、肌表面の汚れも落としてくれます。使用量を守ることで、肌の摩擦も軽減できるので、お使いのアイテムの使用方法を確認して適切な量で顔を洗ってください。
洗顔はほこりや余分な皮脂を洗い流して、肌を清潔に保ってくれます。洗顔料はしっかりと泡立てて、きめ細かい泡で顔を包み込むようにして優しく洗ってください。
クレンジングや洗顔を行う際は、擦らないことを意識してぬるま湯で洗い流しましょう。
保湿ケアでバリア機能を高める
ストレスでターンオーバーが乱れると、肌のバリア機能が低下し乾燥しやすくなるといわれています。
洗顔後は化粧水や乳液を使って、しっかり保湿をしてバリア機能の正常化につなげていきましょう。
スキンケアアイテムは、ヒアルロン酸やセラミドなど高保湿とされる成分が含まれているものを使うのがおすすめです。
赤みや炎症がひどい場合は医療機関に相談する
赤みや炎症がひどい場合は、さらに肌荒れが悪化する可能性があります。セルフケアで改善を目指さずに、なるべく早く医療機関に相談するようにしましょう。
ストレスと上手に付き合って肌荒れを治そう!
ストレスを感じると、ホルモンバランスや自律神経が乱れ、私たちの身体に良くない影響が出る可能性があります。肌荒れもその1つです。
しかし、現代社会においてストレスをゼロにするのは難しいでしょう。肌荒れの原因となっているストレスの解消法を見つけて、上手に付き合いながら肌荒れをしにくい肌を目指していきましょう。
ただし、なかなか改善しない場合、痛みや赤みがひどい場合は、医療機関へ相談するようにしてください。
監修者
医師:泉 さくら
日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。
泉医師からのコメント
ストレスにより免疫力が低下し、ターンオーバーのリズムが崩れると、刺激や異物の侵入から肌を守る機能が低下します。 肌のバリア機能が低下すると、皮膚は様々な外的刺激に抵抗できずに、さらなる肌荒れを招いてしまいます。
肌荒れの原因を突き止め、肌荒れのタイプに応じたスキンケアや治療を行っていくことで、より早く肌荒れを改善することが可能です。