2023.02.27
乾燥肌・スキンケア
【医師監修】痛いニキビを治す方法は?原因や対処法について解説
少し手が触れるだけでも、痛みを感じることがあるニキビ。今回のコラムでは、痛みを伴うニキビが出来る原因・対処法から、普段のスキンケアで気を付けたい点まで解説します。
痛みのあるニキビが気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
痛いニキビができる原因
ニキビには痛いニキビと痛くないニキビがあります。
痛くない状態であっても、アクネ菌が増殖し悪化することで痛いニキビになってしまいます。痛いニキビはさらに炎症が進むと膿がたまり、ニキビの周囲まで炎症するようになります。
痛いニキビの種類
痛みを伴うニキビは、「赤ニキビ」と「黄ニキビ」と呼ばれる状態があります。ここでは「赤ニキビ」と「黄ニキビ」について説明します。
赤ニキビ
赤ニキビは、皮膚が炎症して赤く見えることが名前の由来です。ニキビの直径は5mm以下で、指で抑えると軽い痛みがあります。
黄ニキビ
赤ニキビからさらに炎症が進み、中心部に膿が溜まった状態が黄ニキビです。アクネ菌が毛包を壊してしまい、炎症が周囲の皮膚にまで広がった状態になっています。
ニキビ痕になるリスクも高いので、黄ニキビがある場合は早めに医療機関へ相談するほうが良いでしょう。
痛いニキビを治す方法は?
痛みを伴うニキビを早く治すためにご自身でできる方法を紹介していきます。
丁寧に洗顔する
ニキビの根本原因は、皮脂が毛穴に詰まることなので、洗顔はとても重要なポイントです。洗顔料はよく泡立てて、きめ細かい泡をクッションにして、ニキビを刺激しないように優しく洗います。洗顔の刺激が気になる場合は、敏感肌向けの洗顔料を使うのも良いでしょう。
しっかり保湿する
肌の乾燥もニキビの要因になるので、ニキビがあってもしっかり保湿することに努めましょう。
基礎化粧品は、肌への負担が少ない敏感肌向けのアイテムや、低刺激のスキンケアアイテムを使うと良いでしょう。
医療機関を受診する
ニキビに痛みや炎症がある場合は、ニキビ痕になるリスクもあるため、医療機関を受診するのが望ましいです。
ニキビのNG対処法
ニキビができた際の対処法を知っておくことは大切です。しかし、やってはいけない対処法をすることで悪化してしまう可能性があります。対処法とあわせて、やってはいけない対処も覚えておきましょう。
ニキビを潰す
ニキビを自身で潰すと、潰した箇所から細菌が侵入して化膿する可能性があります。ニキビを潰すことで肌が傷つくため、悪化する、ニキビ痕になりやすくなるといったリスクも想定されます。
ニキビに触る・刺激を与える
ニキビがあると気になって無意識に触ってしまうことがありますが、触って刺激を与えると症状が悪化する可能性があります。
ニキビができているところは刺激に弱くなっているので、なるべく触らないように心がけましょう。
ニキビをメイクで隠す
ニキビが目立たないようにメイクで隠そうとしてファンデーションなどをつけると、アクネ菌が繁殖しやすくなることがあります。
どうしてもメイクをしなくてはいけない場合は、帰宅後にすぐメイクを落とすようにしましょう。
過剰に洗顔する
ニキビを治したいからといって、過度な洗顔をしたり、洗浄力の高い洗顔料でゴシゴシ洗ったりしてはいけません。
かえってニキビに刺激を与えて悪化させ、ニキビを潰して痕になるリスクが上がります。洗顔は1日朝晩の2回まで、ぬるま湯でこすらないようにして優しく行うようにしましょう。
ニキビを繰り返さない生活のポイント
ニキビができる原因はさまざまですが、睡眠や食事などの生活習慣も関わってきます。
ここからはニキビを繰り返さないために大切な生活習慣のポイントを紹介します。
バランスの良い食生活を心がける
脂質や糖質の多い食事は、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を招く可能性があります。脂っこい食事や甘いお菓子、ジュース等を過度に摂りすぎないようにしましょう。
反対に栄養不足や偏食も肌に悪影響を与える可能性があるので、主食、主菜、副菜などバランスを意識した食事を摂るよう心がけましょう。
十分に睡眠する
睡眠不足はニキビだけでなく、さまざまな体の不調の原因になります。睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の修復をするといわれています。生活のリズムを整え睡眠時間を確保できるよう努めましょう。
ストレスを発散する
ストレスによって免疫力が低下すると、ニキビができやすくなります。
まったくストレスのない生活を送るのは難しいですが、適度に発散する方法を見つけておくと良いでしょう。趣味など好きなことをする時間を設ける、ゆっくり入浴するなども1つの方法です。
痛いニキビは適切なスキンケアで対処しよう
痛いニキビができた場合、刺激を与えずに適切なスキンケアを行うことが大切です。
痛みがひどい場合や、黄ニキビになっている場合は、自分自身で無理に治そうとせずに医療機関へ相談するようにしましょう。
ニキビができる原因はさまざまですが、普段からの丁寧なスキンケアと、適切な生活習慣で繰り返さないようにしていきましょう。
監修者
医師:泉 さくら
日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。
泉医師からのコメント
痛みのあるニキビの多くは、毛穴の中にたまった皮脂や老廃物などを餌として、ニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖し、炎症を起こしている状態です。これだとつい、コンシーラーなどで隠し、毛穴を長時間塞いでしまいたくなりますが、これは、空気が少ない場所を好むアクネ菌の繁殖を促してしまい、自然に毛穴からニキビの中身が出て治癒するチャンスを逃してしまう可能性があります。
炎症を起こした痛いニキビは、自宅でのケアでは思うように改善しない場合もありますので、その場合には早めの皮膚科受診が大切です。