Column

2022.10.24

乾燥肌・スキンケア

ニキビができるとついつい潰したくなりますが、毛穴に雑菌が入ったりニキビ痕になったりする可能性があるので注意が必要です。ニキビが気になる方は、適切な方法でケアをしましょう。

今回は「ニキビの種類」を解説すると共に「なぜニキビを潰すのはよくないのか」について解説します。ニキビのケア方法についても詳しく紹介しますので、ニキビ肌に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ニキビの種類と特徴

ニキビにもいくつか種類があり、それぞれ状態も異なります。今できているニキビがどのような状態なのかを知るためにも、まずはニキビの種類を知っておきましょう。

ニキビの種類は大きく分けて4つあります。それぞれの特徴や状態について詳しく紹介します。

白ニキビ

白ニキビは、ニキビの初期段階です。毛穴に白い点のようなものができます。大きさやニキビができた部位によっては見た目が気になるかもしれません。

毛穴にできた白い点は、皮脂や角質などの老廃物が溜まっている状態です。白ニキビは炎症が起きていないため、痛みを感じるケースは少ないです。腫れもないので、ニキビ部分を触るとポツっとした感触があります。

ニキビの白い点のようなかたまりが気になり、白ニキビは潰してしまう方も少なくありません。ニキビを潰すと肌トラブルを引き起こす可能性があるので注意しましょう。

黒ニキビ

白ニキビが進行すると、黒ニキビになります。毛穴に詰まった皮脂か角質などの老廃物が酸化し、白い点が黒く見えている状態です。

黒ニキビも炎症は起きていないため、痛みや腫れはほとんど感じません。ただし、そのまま放置すると炎症を引き起こす可能性があるので、きちんとケアすることが大切です。

黒い点が気になりニキビを潰してしまう方も多いですが、状態が悪くなる可能性があるので控えましょう。

赤ニキビ

ニキビが炎症した状態を、赤ニキビと呼びます。毛穴に皮脂や角質が詰まり塞がると、アクネ菌が増殖して炎症を引き起こし、赤ニキビへと進行します。さらに状態が悪くなると、周辺の皮膚細胞も破壊されてしまうため、適切なケアが必要になります。

強い痛みや腫れの症状が現れる傾向にあるため、赤ニキビは不快感を伴います。我慢できない痛みや腫れの症状がある場合は、医療機関で診てもらうようにしましょう。

黄ニキビ

赤ニキビの状態からさらに悪化したニキビが黄ニキビです。ニキビの最終段階ともいわれています。毛穴の中に膿が溜まっている状態で、表面はやや黄色く見えます。

黄ニキビは肌の奥深くまで炎症を起こしている可能性があり、セルフケアで完治させるのは困難です。

早く黄ニキビを治そうと膿を出す方もいますが、かえって状態が悪くなる場合があるので注意しましょう。

ニキビは潰すとどうなる?

ニキビは種類に限らず、潰すのはおすすめできません。皮膚科などの医療機関ではニキビを潰して治療を行うこともありますが、セルフで行うのはリスクが伴うので控えましょう。

ニキビを潰してはいけない理由について詳しく解説します。

雑菌が入り炎症を起こす可能性がある

ニキビを潰すと雑菌や細菌が患部に入り、かえって悪化させる可能性があります。ニキビを潰すことで炎症物質が周りに広がることもあり、潰す際の刺激でさらに炎症物質が分泌されてしまいます。

肌トラブルを引き起こさないためにも、ニキビは潰さないようにしてください。

膿を出せばスッキリとした感覚が味わえますが、不用意にニキビを潰すと膿を出し切れず、肌に残ってしまいます。膿が残っているとニキビは治らないので、潰しても何度も同じことの繰り返しです。

きちんとニキビを治すためにも、潰さずにケアしましょう。どうしても気になる場合は医療機関で処置してもらいましょう。

ニキビ痕になる可能性がある

赤ニキビや黄ニキビなど、炎症しているニキビを潰すとニキビ痕が残る可能性があります。

通常、ニキビ跡はニキビの炎症が要因となりますが、白ニキビや黒ニキビでも潰すことで炎症が起こり、ニキビ痕として残る場合があるので注意しましょう。

また、ニキビを潰す際に、爪やピンセットなどで肌を傷つけることあります。皮膚に傷ができるとニキビがある部分だけではなく、その周りも含めてニキビ痕として残る可能性があります。

クレーター状のニキビ痕などはセルフケアで治すのは難しいので、どんなニキビも潰さないようにしてください。ニキビが気になる方は潰さず、適切な方法でケアしてください。

ニキビを潰さずケアする方法

気になるニキビの適切なケア方法を紹介します。スキンケアの順番は一般的な方法と変わりませんが、注意したいポイントがいくつかあります。

ニキビができたときの洗顔や保湿方法を詳しく紹介するので、日々のスキンケアに役立ててみましょう。

洗顔のポイント

ニキビの大きな原因は、皮脂による毛穴詰まりです。普段から毛穴詰まりを改善、予防してニキビのない肌を目指しましょう。

まずは洗顔で毛穴に詰まった皮脂や角質などの汚れをしっかり落とすことが大切です。

ただし、洗浄力の強い洗顔料や洗顔のし過ぎは肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌が乾燥する要因となるので注意が必要です。

乾燥肌は皮脂の過剰分泌を引き起こすため、皮脂を取り除き過ぎるとニキビができやすい状態になるので注意してください。

ニキビ肌は、洗顔料をよく泡立て、キメの細かい泡を肌にのせます。ニキビや肌に直接手が触れないようにしながら、泡で優しくマッサージするようにしながら洗顔を行うのがポイントです。

最後にしっかりと洗顔料をぬるま湯で洗い流しましょう。タオルで顔を拭く際は、ニキビや肌に刺激を与えないように、やわらかいタオルで押し当てるようにしながら水分を吸収させます。

ニキビの痛みや腫れにより洗顔料の刺激が気になる方は、敏感肌用の洗顔料を使うなどしながら工夫してみてください。

保湿方法

肌の乾燥はニキビの要因の1つです。肌を乾燥させないためにも、洗顔後はきちんと保湿ケアを行いましょう。

乾燥肌は皮脂の過剰分泌を促すほか、肌のバリア機能が低下することで紫外線などの刺激に敏感になる傾向があります。肌を労わるためにも、普段からしっかり保湿ケア行い、肌にうるおいを与えてください。

基礎化粧品は、高保湿成分が含まれた商品がおすすめです。ニキビの痛みや腫れが気になる場合は、添加物の少ない基礎化粧品や敏感肌向けの商品を選ぶと良いです。

基礎化粧品は少なくとも化粧水と乳液(またはクリーム)の2つのアイテムは使用すると良いでしょう。化粧水は肌に水分を与える役割があり、うるおいのある肌へと導きます。

乳液やクリームなどの油分が含まれている基礎化粧品は、肌内部の水分の蒸発を防いだり、外部の刺激から肌を守ったりする役割があるため、スキンケアに取り入れたい基礎化粧品です。

「化粧水→乳液」の順番でスキンケアを行い、保湿ケアに努めましょう。必要に応じて美容液など、ほかの基礎化粧品をプラスしても良いです。

ニキビは体の内側からのケアも大切

ニキビを改善したり予防したりするためには、洗顔やスキンケアだけではなく、体の内側からのケアも重要です。

ニキビの改善や予防のために普段から意識したい生活習慣を紹介します。今日からさっそく以下の要点を意識しながら過ごしてみましょう。

栄養バランスの良い食事

ニキビを治すためにも、まずは食生活を見直しましょう。脂肪分や糖分の多い食事は皮脂の過剰分泌の要因となり、ニキビを悪化させる可能性があります。

お菓子やジュース、揚げ物や菓子パンなどをよく食べる方は、ニキビを治すためにも摂取量を調整してください。

偏食やダイエットによる栄養不足は肌に悪影響を与えます。日頃から栄養バランスの良い食事を心がけ、肌や体を健康に保ちましょう。

栄養バランスの整え方がいまいちわからない方はまず、主食、主菜、副菜などを意識しながら食事をしてみましょう。

水分補給

水分不足になると血行不良が起こり、新陳代謝が悪くなったり肌のターンオーバーが乱れたりします。体が水分不足になると肌が乾燥しやすくなるため、ニキビに悩んでいる方は意識的に水分補給を行いましょう。

肌の乾燥は皮脂の過剰分泌を引き起こし、ニキビを悪化させてしまう可能性があります。のどが渇いた状態は既に水分不足の状態になっているので、のどが渇く前に水分補給を行うのが望ましいです。

ただし、カフェインの含まれた飲み物は利尿作用があるため、水分補給には向きません。水やカフェインの含まれていない麦茶などで、水分補給を行ってください。

十分な睡眠時間

睡眠不足は、ニキビをはじめとしたあらゆる肌トラブルの要因の1つとなります。普段から睡眠時間が少ない方は、この機会に生活リズムを見直してみてみましょう。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌を修復したりターンオーバーを正常に働かせたりする大事な役割を果たしています。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌に影響を与えるため、普段から十分な睡眠時間を確保することが大切です。

ストレスを溜め込まない

ストレスにより免疫力が下がると、アクネ菌が増殖し、ニキビができやすくなる傾向にあります。ストレスも皮脂の過剰分泌の要因と考えられているので、ニキビを改善、予防するためにも普段からストレスの少ない生活を心がけましょう。

ストレスが全くない生活を送るのは難しいので、ストレス発散方法を見つけておくと良いです。趣味に時間を費やしたり、入浴時間を満喫したりするなどリフレッシュしながら、ストレスを溜めないように意識してみましょう。

ニキビを潰すのはNG!スキンケアと体の内側からのケアで予防していこう

ニキビを潰すと炎症を起こしたりニキビ痕が残ったりするので、決して自身では潰さないように注意してください。

ニキビは適切な洗顔と保湿ケアで改善する可能性があるので、ゆっくりと時間をかけながら根気よくケアしていきましょう。

ニキビの痛みや腫れが気になる場合は、我慢せずに医療機関に相談することも大切です。スキンケア方法や生活習慣を見直してもニキビが改善しない場合は、ほかにも原因がないか医師に診てもらうようにしてください。


泉医師からのコメント

医療機関でなく自身の判断でニキビを潰すことで肌に負担がかかり、ニキビをかえって悪化させてしまうことがあります。自己流のやり方でニキビを潰すと、患部に雑菌が入り込み、それが原因でひどいニキビ跡になってしまう場合があります。食事や睡眠などの生活習慣やスキンケアを見直し、必要に応じて医療機関を受診するようにしましょう。

泉医師

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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