Column

2022.09.09

乾燥肌・スキンケア

毛穴の白いニョロニョロしたものは一体何か、知らない方は多いかもしれません。この白いニョロニョロがいったい何者なのか正体を知ったうえで、対処していきましょう。

間違ったケアと適切なケアを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

毛穴の白いニョロニョロの正体

毛穴の白いニョロニョロは角栓といわれるものです。

角栓とは、毛穴から分泌された皮脂と古くなった角質が混ざりあったものを指します。特に角栓は皮脂の分泌が多い、鼻や顎、おでこなどのTゾーンに多く見られる傾向にあります。

角栓はできてから、最初は白く見えますが、空気に触れて酸化していくと黒ずんで見えることがあり、毛穴の黒ずみとして新たな悩みを増やしてしまいます。

毛穴の白いニョロニョロが発生する原因は?

毛穴の白いニョロニョロの正体である角栓ができる原因は、さまざまあります。ここでは毛穴の白いニョロニョロができる原因をいくつか解説していきます。

皮脂の過剰分泌

角栓の原因の1つである皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に白いニョロニョロもできやすくなります。

皮脂の過剰分泌は、生活習慣やホルモンバランスの乱れ、乾燥、間違ったスキンケアが主な原因になりますが、環境、遺伝による体質など、さまざまな原因で引き起こされます。

メイクの汚れ

油分を含むメイクがきちんと落とせていないと、古い角質と混ざり角栓の原因となることがあります。

さらに寝ている間に皮脂が分泌されているので、朝洗顔をしないのも角栓の原因になる可能性があります。

ターンオーバーの乱れ

肌は日々生まれ変わっていて、これをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーの乱れにつながる主な原因は、乾燥、加齢、睡眠不足、ストレスなどです。

ターンオーバーが乱れると、正常に入れ替わることができない未熟な角質が肌表面に出て、はがれ落ちずに角栓になってしまうことがあります。

肌の乾燥

肌が乾燥すると、ターンオーバー機能が低下し、角栓ができやすくなります。肌の乾燥は皮脂の過剰分泌にもつながります。

皮脂が多くても保湿ケアが必要な場合があるので注意しましょう。

毛穴の開き

年齢を重ねると、肌の弾力が失われ、毛穴が楕円形に広がってしまうことがあります。毛穴が開くと、その分汚れがたまりやすくなり、角栓もできやすくなる傾向にあります。

毛穴の白いニョロニョロの間違ったケア方法

毛穴の白いニョロニョロが気になり、何とか押し出そうとしてしまう方も多いかもしれません。

間違ったケアをすることで肌を傷つけたり、さらに毛穴を広げたりすることもあります。ここでは、間違った白いニョロニョロのケア方法を紹介していきます。

無理やり押し出す

毛穴の白いニョロニョロを出そうと、指やピンセットなどで押し出してしまうのは避けましょう。

肌に強い力がかかることで、毛穴のまわりを傷つけたり、毛穴を広げてしまったりする可能性があります。傷ついた箇所から雑菌が入り込んで炎症につながることもあるため、押し出さないようにしましょう。

洗顔のときにゴシゴシこする

毛穴の白いニョロニョロを除去しようとして、洗顔の際に肌を強くこすことでダメージを与えてしまいます。

また、ダメージを受けた肌はバリア機能が低下してしまい、かえって乾燥し、皮脂の過剰な分泌の原因につながってしまいます。

吸着力が強い毛穴パックを使う

貼ってはがすタイプの毛穴パックは、手軽に取り入れやすいケア方法で試されたことがある方も多いかもしれません。

しかし、吸着力が強いと肌への刺激となり、逆効果になることがあります。また、毛穴の周囲の皮膚まで刺激を与えてしまうため、毛穴パックは必要以上に使用しないようにしましょう。

毛穴の白いニョロニョロの適切なケア方法

ここでは毛穴の白いニョロニョロ適切なケア方法を紹介します。今までケア方法を知らなかった方や、間違ったケアを行っていた方は参考にして試してみましょう。

① 蒸しタオルで温めて、オイルで毛穴を柔らかくする

まずは毛穴に残った汚れを除去しやすいように、蒸しタオルやスチーマーなどで顔を温めて、毛穴を開きましょう。

角栓は油となじみやすいので、オリーブオイル、ホホバオイルなどをしみ込ませた綿棒で気になる部分をくるくるとなでて塗ることで、より除去しやすくなります。オイルが毛穴にしみ込んだらティッシュオフをしてください。

② 優しく洗顔する

ティッシュオフしたら、洗顔をしっかり泡立てて、泡で包み込むようにして洗います。

十分に洗顔が出来たら、ぬるま湯ですすぎ残しがないように優しくすすぎましょう。ここでゴシゴシすすぐと肌への刺激になるので注意が必要です。

③ 毛穴を引き締めて、保湿ケアをする

洗顔が終わったら、化粧水、乳液、クリームなどで保湿ケアをします。肌を引き締める働きをする収れん化粧水などを使用すると良いでしょう。

毛穴の白いニョロニョロを改善する内側からのケア方法

皮脂の過剰分泌やターンオーバーが原因の白いニョロニョロを改善するには体の内側からのケアも大切です。

ここではおすすめの内側からのケアを紹介します。

バランスの良い食事にする

毛穴の白いニョロニョロは、糖質や脂質の多い食事に偏ると出来やすくなります。

肌をつくるたんぱく質、ビタミン、ミネラルを中心に主食、主菜、副菜を積極的に摂っていきましょう。肉、魚、卵、キノコ類、野菜、海藻などをバランス良く摂ることが大切です。

水分をこまめに摂る

私たちの体の50~60%が水分でできているため、水分の摂取量が少ないと、体が乾き、肌も乾燥します。肌の乾燥は皮脂の過剰分泌の原因となります。

水分は1日に1.5リットルを目安にこまめに摂るようにしましょう。

適度な運動をする

運動不足もターンオーバーを乱れさせる原因の1つです。運動をすると、血行が良くなるため、ターンオーバーを整える効果が期待できます。

また、ストレスもターンオーバーの乱れの原因になります。運動はストレス解消効果も期待できるため、ターンオーバーを整えてくれる可能性があります。

十分に睡眠する

睡眠時は肌を修復し、ターンオーバーを整える「成長ホルモン」が分泌されます。

成長ホルモンが分泌されやすいのは、入眠後約3時間後です。この時間に質の良い睡眠が取れるように工夫をしてみましょう。入眠する2~3時間前に、入浴をすると質の良い睡眠が取れるといわれているので試してみてください。

毛穴の白いニョロニョロは適切なケアで対処しよう

毛穴の白いニョロニョロの正体は、皮脂と古い角質が混じった「角栓」です。

気になったときは押し出したり、強く洗顔をしたり、刺激の強いケアはせず、適切なケアを行って対処してください。

毛穴の白いニョロニョロが出にくい肌を目指すためには、スキンケアだけではなく、体の内側からのケアも大切になるため、生活習慣も見直してみましょう。


川﨑医師よりコメント

特に鼻の角栓が目立ち、ついつい押し出してしまいたくなるでしょう。しかし、繰り返して圧出することで周囲に炎症を起こし、結果毛穴が閉じなくなってしまう事態にも。きちんとしたケアを定期的に行うのが大切です。

川﨑医師

監修者

医師:川﨑加織

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。

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