2024.11.08
乾燥肌・スキンケア
乳液とはどんな役割がある?化粧水との違い・必要な理由や選び方を解説
乳液は基礎化粧品の1つで、多くの方が使用するスキンケアアイテムです。
しかし、乳液はどんな役割があるのか、あまり深く考えずに使っている方も多いかもしれません。
今回は、乳液の役割や種類について解説します。選び方や保湿効果が期待できる成分などもあわせて紹介します。
乳液とはどんな役割がある?
乳液は化粧水で補った水分や、肌にもともとある水分の蒸発を防ぎ、肌のうるおいをキープする役割があります。
乳液には水分と油分が配合されており、肌の表面に薄い膜を作って保湿することで、肌が乾燥するのを防ぎます。
また、乳液は保湿だけでなく、肌のバリア機能をサポートする役割もあります。バリア機能が高まることで、外部の刺激から肌を守り、肌トラブルを予防することにもつながります。
とくに乾燥肌や敏感肌の方にとっては、大切な役割を持つスキンケアアイテムともいえます。
化粧水との違い
乳液と化粧水の違いは、水分と油分の量にあります。
一般的に化粧水は70〜80%が水(精製水)で、そのほかは美容成分が含まれています。洗顔後に失われた水分を補給したり、化粧水の後に使う美容液や乳液の効果をサポートしたりします。
一方、乳液は水分が60%ほどで、油分が15%ほど、そのほかは美容成分で作られている場合が多いです。乳液には、化粧水で補給した水分を角質層に閉じ込める働きがあり、化粧水と乳液はそれぞれ役割が異なります。
乳液を使わないとどうなる?
「乳液はベタつきが気になるから使わない」と化粧水のみで保湿ケアを済ませる方もいるかもしれませんが、スキンケアにおいて乳液は大切な役割を果たしています。
肌の表面は皮膚膜といわれる薄いバリアで覆われており、過剰な水分の蒸発を防いでうるおいを保ち、外的刺激から肌を守る働きがあります。
洗顔をすると、皮脂膜が洗い流されてしまうため、化粧水のみのスキンケアだと水分が蒸発し乾燥しやすくなります。肌は乾燥を防ぐために余分な油分を出すため、結果として皮脂量が多くなってしまいます。
しかし、乳液は皮脂膜が再形成されるまでの間、油分の膜で肌の表面をカバーして、保湿をしながら外的刺激から肌を守ってくれるのです。
化粧水のみでは補給した水分が蒸発してしまいますが、乳液で蒸発を防ぐことができるため、基本的にセットで使うのが良いでしょう。
乳液をつける順番
乳液は、化粧水もしくは美容液の後につけるのが基本で、洗顔→化粧水→美容液→乳液→クリームの順番でつけるのが一般的です。
美容液を使わない方は、化粧水の後につけます。「先行乳液」とうたったアイテムを使う場合は、洗顔後につけて、その後化粧水をつけます。
乳液の種類や使用しているほかのスキンケアアイテムによって、つける順番が異なる場合があるため、使用する前にパッケージに書かれている使用方法を確認し、メーカーが推奨する方法で使いましょう。
乳液の種類
乳液にはいくつか種類があります。以下で紹介していきます。
保湿乳液
保湿乳液は、一般的に乳液といわれています。
化粧水でうるおった肌の水分を保つために、油分で肌表面をカバーする目的で使用されます。保湿成分や油分が多い乳液もあるため、メイク前につけすぎないように注意しましょう。
また、美容成分が配合されているものもあるため、肌質や目的にあうものを選ぶことがポイントです。
UV乳液
UV乳液とは、日焼け止め乳液ともいわれており、その名のとおり日焼け止め機能がついた朝用乳液のことをさします。肌のうるおいを保ちながら、紫外線による日焼けや乾燥を防ぐ働きがあります。
一般的な保湿乳液を使用する際は、スキンケアの後に日焼け止めを塗る必要があり、手間に感じることもあるかもしれません。しかし、UV乳液であれば、1本に乳液と日焼け止めの機能が備わっているため、朝のスキンケアの時短につながります。
商品によって紫外線カットの数値や美容成分の種類などが異なるため、使うシーンや肌質にあったものを選ぶと良いでしょう。
【肌質別】乳液の選び方
ここからは肌質別に乳液の選び方を解説していきます。
乾燥肌
乾燥肌は皮脂の分泌量が低下し、肌の水分を保つ機能が低下した状態のため、洗顔後は化粧水で水分を補給して油分を多めに含んだ乳液やクリームがおすすめです。
保湿効果が高いとされるセラミドやヒアルロン残、コラーゲンが含まれた乳液がおすすめです。とくに、乾燥しやすい部分はクリームを重ねて保湿をすると良いでしょう。
脂性肌(オイリー肌)
脂性肌はオイリー肌とも呼ばれ、肌の水分量はちょうど良いですが、皮脂量が多い状態です。
べたつきが気になる方が多い傾向にありますが、洗顔後の水分を補給して保湿する基本のケアが大切です。
肌の水分量が減って乾燥した状態を放置すると、補給するために皮脂の分泌が過剰になる場合があるため、化粧水と乳液でスキンケアをしましょう。
乳液は、油分が少なめのさっぱりタイプのものや、皮脂の分泌を抑える成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。
混合肌
混合肌はインナードライともいわれ、皮脂量は多く、水分が少ない状態です。皮脂量が多いTゾーンはテカリやすく、口元や頬などは乾燥してカサついているなど、部分ごとに肌の状態が異なるのが特徴です。
肌の水分不足によって皮脂の分泌が過剰になっている可能性が高いため、混合肌も保湿が必要です。
油分が少なめの乳液を選び、乾燥した部分には乳液の重ねづけをしたり、油分の量が多めのものをつけたりして調整しましょう。
敏感肌
敏感肌は、肌のバリア機能が低下して刺激に反応しやすい状態で、かぶれやすく、ヒリヒリ感やかゆみなどの症状を起こしやすい傾向にあります。
肌の刺激やアレルギーを起こす可能性がある成分を極力取り除いている、敏感肌用のアイテムを選ぶと良いでしょう。
保湿効果が期待できる成分
ここでは保湿効果が期待できる成分を紹介します。
ヘパリン類似物質
ヘパリン類似物質の特徴は高い親水性と保水性で、肌の角質層へ浸透し、水分を引き寄せて保持する働きがあります。
また、角質層の水分保持機能を改善する効果も期待でき、外部刺激から肌を守るバリア機能の正常化を促します。
有効成分としてヘパリン類似物質が含まれた商品は、医薬品や医薬部外品があります。医薬品の場合、保湿のほかにも血行促進や抗炎症の作用があり、乾燥肌の改善に有効です。
医薬部外品の場合、高い保湿効果が期待でき、毎日のスキンケアにも使いやすいのが特徴です。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は保湿力が高く、肌にうるおいを与えて水分を保持する機能があります。ヒアルロン酸を含む乳液は、肌にハリや弾力を与え、乾燥によるシワを目立たなくする効果が期待できます。乾燥が気になる方に向いている成分です。
コラーゲン
コラーゲンは、肌にハリや弾力を生み出す効果が期待できる成分で、高い保湿作用があります。加齢による乾燥の改善効果や、シワの予防にも効果が期待できます。
セラミド
セラミドは角質層に存在する保湿成分であり、外部の刺激から肌を守る働きがあります。
セラミドを含む乳液は肌のバリア機能をサポートし、乾燥を防いでくれるため、季節の変わり目や加齢が原因で乾燥が気になる場合は、セラミドを含む乳液がおすすめです。
なお、セラミドを含む乳液については、以下も参考にしてください。
【医師監修】乳液に含まれることの多い「セラミド」とは?役割や取り入れ方を解説
乳液とあわせて肌のうるおいを保つ方法
スキンケア以外で可能な、肌のうるおいを保つ方法を以下で紹介します。
部屋を加湿する
空気が乾燥すると肌の水分が奪われ、とくに冬場は暖房によって肌が乾燥しやすいため、加湿器を使用するなどの対策が大切です。湿度は40~60%ほどに保つと良いでしょう。
入浴時間や温度を見直す
肌の乾燥は、入浴方法が原因の場合もあります。熱すぎるお湯は皮脂を溶かしてしまうため、40度程度までの温度で入浴するのが良いでしょう。
長時間の入浴も乾燥の原因となるため、5〜10分を目安に体が温まる程度の入浴に留めましょう。
栄養バランスの良い食事を摂る
栄養バランスの偏りは、乾燥肌の原因となる場合もあります。外側からのケアだけではなく、栄養バランスの良い食事を摂って内側からケアをすることも重要です。
うるおいのある肌を作るためには、ターンオーバーのサイクルを正常化して、肌の水分量を高める必要があります。
そのためには、乾燥肌を改善する働きを持つタンパク質やビタミンなどを取り入れた栄養バランスの良い食事が大切です。
とくに、ビタミン類は積極的に摂取すると良いでしょう。ビタミンAやビタミンB群、ビタミンE、ビタミンCは、緑黄色野菜や大豆、果物類から摂取が可能です。
こまめに水分補給をする
肌が乾燥する原因は水分不足の可能性もあります。水を飲んで体の水分を補給し、内側からうるおすよう心がけましょう。
体重や体格によりますが、1日に約2リットル水分補給することが推奨されています。一度にたくさん水を飲むのではなく、こまめに水分を補給するのがポイントです。
乳液を適切に使ってうるおいのある肌を保とう
乳液には水分だけでなく油分が含まれ、化粧水で補給した水分を角質層に閉じ込める働きがあります。
アイテムにもよりますが、化粧水→美容液→乳液→クリームの順番でつけるのが一般的です。説明書をよく確認した上で使用しましょう。
また、乳液はものによって使用感が異なるため、肌質別に自身に合った乳液を選んでスキンケアをすることが大切です。
乳液を使ったスキンケアのほかに、生活習慣で肌の状態を良くすることもできるため、食生活や生活習慣などを見直すことも心がけましょう。
ただし、乳液だけで解決できず乾燥肌が悪化し、かゆみや炎症がある場合は医療機関を受診してください。