2024.02.14
【医師監修】乾燥によるのどのイガイガは放置厳禁!原因・対処法を解説
放置しがちな「のどのイガイガ」。いずれ治るだろうと、放置したままになっていませんか?のどのイガイガを放置すると、悪化してしまう可能性があります。
そこで今回は、のどがイガイガする原因と対処法、のどの乾燥対策を紹介します。のどのイガイガは冬だけでなく、季節の変わり目にも起こりやすいため、症状が気になる方はぜひ参考にしてください。
▼のどが乾燥してイガイガする原因
のどが乾燥してイガイガすることがあります。のどが乾燥する主な原因は、以下の3つが考えられます。
● 口呼吸
● 部屋の乾燥
● ストレス
それぞれの原因について詳しく解説します。
口呼吸
口呼吸の場合、口の中が乾燥しやすくなり、ウイルスや細菌に感染するリスクが高まります。
鼻呼吸の場合、鼻毛でウイルスやホコリをブロックしてくれます。また、鼻の中には多くの毛細血管があり、毛細血管が鼻の中の湿度・温度を上げて、ウイルスが生きにくい環境をつくっています。
よく口を開けている自覚のある方や、歯並びの悪い方、口内炎ができやすい方などは
口呼吸をしている可能性があります。
部屋の乾燥
部屋の空気が乾燥していると、のども乾燥しやすくなります。
寒い時期だけでなく、エアコンが効いている夏場の部屋も乾燥しやすいため、注意が必要です。空気の乾燥は、ウイルスの動きを活発化させます。
ストレス
ストレスを感じると唾液の分泌量が減り、のどが乾燥しやすくなる傾向にあります。ストレスにより、唾液の量をコントロールする自律神経のバランスが崩れることが原因といわれています。
慢性的にストレス状態が続くと改善が難しいため、ストレスを発散させることが必要です。
▼のどの乾燥を放置するとどうなる?
のどの乾燥を放置すると、のどはもちろん、体全体に影響が及ぶ可能性があります。
以下では、のどの乾燥を放置するとどうなるのか、具体的に解説します。
のどが痛くなる
のどは粘膜により外部のウイルスや細菌から守られていますが、粘膜が乾燥すると防御機能が低下します。
防御機能が低下した状態でウイルスや細菌が体内に入ると、防御反応によって炎症が起き、痛みを感じやすくなります。
口臭が強くなる
口臭の原因は、口の中の細菌です。のどが乾燥すると、口内の唾液の減少、自浄作用・殺菌作用の低下により、口の中の細菌が繁殖します。
また、舌苔も発生しやすくなり、口臭が強くなる傾向にあります。
ウイルスに感染する可能性が高まる
気管支や粘膜には絨毛という細かい毛があり、絨毛運動によりウイルスや細菌、ホコリなどの異物を体内に入れないように働きます。
のどが乾燥すると絨毛運動が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。
▼のどが乾燥してイガイガするときの対処法
のどが乾燥してイガイガするときは、以下のような対処法を試すと良いでしょう。
● のどをうるおして清潔に保つ
● のどへの刺激を少なくする
それぞれの対処法について詳しく解説します。
のどをうるおして清潔に保つ
のどをうるおす方法の1つに「のど飴」が挙げられます。のど飴を舐めると、のどの粘膜にうるおいを与えることができます。
のどを清潔に保つには、うがい薬やトローチなど多数の方法があります。のどがイガイガするときには、殺菌作用があり、のどや口内を清潔にする効果がある「うがい薬」を使ってうがいをすることがおすすめです。
のどの痛みが強い場合は、患部に直接使用できるのどスプレーも良いでしょう。また、口内を殺菌・消毒し、炎症や腫れを抑える作用がある、薬用トローチを試してみるのも1つの方法です。
薬用トローチは医薬品に分類されるため、使用上の注意と用法用量を守って服用しましょう。
のどへの刺激を少なくする
アルコールやタバコ、辛いものなどの刺激物は、のどの炎症を悪化させる可能性があるため、のどがイガイガするときは避けましょう。
また、大きな声を出し続けるのも、のどに強い刺激を与えるため、注意しましょう。
▼のどの乾燥対策
のどの乾燥を対策するには、部屋の加湿や適度な水分補給が効果的です。
それぞれの乾燥対策について以下で詳しく解説します。
部屋を加湿する
のどを乾燥させないためには、部屋の湿度を上げることが大切です。
加湿器を使用する、洗濯物を室内に干す、観葉植物を置くなどの方法がおすすめです。部屋の湿度は40~60%以上を保つと良いでしょう。
こまめに水分補給をする
のどの乾燥を防ぐためには、適度な水分補給も心がけましょう。水分補給は1日2リットルが目安です。
体内の水分量が減少すると、のども乾燥するため、のどの乾きを感じる前にこまめに水分補給をしましょう。利尿作用のあるカフェイン入りの飲み物ではなく、水や白湯、麦茶で水分補給をするのが望ましいです。
▼のどが乾燥しないようにしっかり対策をしよう
のどが乾燥してイガイガする原因は、空気の乾燥や口呼吸、ストレスなどが挙げられます。のどの乾燥はのどの痛みや腫れだけでなく、口臭や感染症の原因にもなり得ます。
のどの乾燥対策をすれば、さまざまな体の不調を防げる一助になるため、のどの乾燥でイガイガすると感じたら、うがい薬やトローチ、のどスプレーを活用すると良いでしょう。
部屋の加湿やこまめな水分補給も心がけ、のどの乾燥を予防してください。
佐藤医師からのコメント
のどが乾燥してイガイガする原因は、口呼吸、空気の乾燥、ストレスが考えられます。のどの乾燥を放置していると、のどが痛くなったり、口臭が強くなったり、ウイルス感染が起こりやすくなります。そのため、こまめな水分補給や加湿を心掛けてのどの乾燥を防ぎましょう。うがい薬や薬用トローチ、のどスプレーを利用するのも効果的です。
監修者
医師:佐藤留美
内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。(2024年2月現在)