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【医師監修】のどがかゆい原因は?対処法と日常でできる予防方法を紹介

2024.01.15

【医師監修】のどがかゆい原因は?対処法と日常でできる予防方法を紹介

かゆみは目、鼻、耳、皮膚に生じるものだと思っている方は多いでしょう。実は“のど”もかゆくなることがあります。

しかし、のどがかゆくても、口から手を入れてのどをかくわけにはいきません。

そこで今回は、のどがかゆいと感じる原因と対処法を紹介します。あわせて日常生活でできる予防方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

のどがかゆい原因は?

のどがかゆくなるのはアレルギーや咽頭炎・扁桃炎など、さまざまな原因が考えられています。

また、風邪の初期症状として、のどがかゆくなることもあります。のどがかゆくなる原因は何なのか、以下で詳しく解説していきます。

のどがかゆい原因1: アレルギー

アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)により、のどのかゆみ・イガイガ感が出ることがあります。

アレルゲンには、花粉、ハウスダスト、食べ物などさまざまなものがあります。

例えば、スギ花粉の飛散が多い時期にはのどがかゆくなるなど、特定の季節や期間にかゆみが出る場合は、花粉によるアレルギー反応によってかゆみが出ている可能性があります。

また、ペットを飼っているお宅を訪問するとかゆみが出ることがあります。抜けた被毛やフケが空気中に舞い、吸い込むことでアレルギー反応(かゆみ)が出てきます。

これらが原因として考えられる場合には、アレルゲンとの接触をできるだけ避けるようにしましょう

さらに、ナッツ類など特定の食材を食べてかゆみが出る場合は、食べ物によるアレルギー反応が出ている可能性があります。

とくに気をつけたいアレルゲンを含む特定原材料は28品目あり、表示が義務づけられています。食べ物を選ぶ際には品目表示に注意してみましょう。

のどがかゆい原因2: 咽頭炎・扁桃炎・喉頭炎

ウイルスや細菌がのどから感染することによって、咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎が起こることがあります。

炎症が起こると、わずかな刺激でも過敏に反応してしまい、その結果として、のどにかゆみが現れることがあります。のどの構造と主な炎症部位は次のとおりです。

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咽頭炎:口の奥にある咽頭の炎症
扁桃炎:舌の付け根の左右にある扁桃の炎症
喉頭炎:気管の上部にある喉頭の炎症

いずれの部位でも、炎症が起こればかゆみのほかに、発熱、痛みなどの症状が出る可能性があります。

のどがかゆい原因3: 胃食道逆流症

胃食道逆流症は胃液が食道を逆流してくる病気で、以前は「逆流性食道炎」と呼ばれていました。口腔内や食道の粘膜は酸に弱いため、胃液(胃酸)が逆流すると、粘膜がただれてしまいます。

胃食道逆流症は主に、胸痛や胸やけなどの食道周囲に症状が現れます。口腔内まで胃液が達してしまうと、のどの粘膜がただれて痛みや違和感(かゆみなど)、咳や睡眠障害などの症状が出る可能性もあります。

胃食道逆流症はお薬で治療できるので、気になる場合には医療機関を受診しましょう。

のどがかゆい原因4: 加齢・ストレス

加齢に伴い唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥しやすくなることがあります。

加齢以外にも、精神的ストレスによる自律神経の乱れから口の中が乾燥し、のどにかゆみを感じることがあります。

医療機関で検査をしても炎症などの症状が見つからないときは、加齢またはストレスの可能性が疑われます。

のどがかゆい原因5: がん

咽頭がん・喉頭がん・食道がん・甲状腺がんなどの初期症状でも、のどにかゆみが出ることがあります。

のど近辺にできるがんでは、ほかの症状(声が出しにくい、食べ物がつかえる感じがする、など)もみられることがあります。のどのかゆみとともに、ほかの症状も出る場合は、医療機関を受診して検査をしましょう。

のどがかゆいときの対処法

【医師監修】のどがかゆい原因は?対処法と日常でできる予防方法を紹介

のどのかゆみを放置してしまうと悪化してしまう可能性があります。のどのかゆみが気になったら、早めの対処を心がけましょう。

以下ではのどがかゆいときの対処法を紹介します。

うがい薬を使用する

のどがかゆいと感じたら、まずうがいをしましょう。うがいをする際は、うがい薬を使うと良いです。

うがい薬に含まれる抗炎症成分の「アズレンスルホン酸ナトリウム」や「グリチルリチン酸二カリウム」は、のどの炎症部分に作用して炎症を鎮め、かゆみを軽減してくれます。

また、殺菌成分である「セチルピリジニウム塩化物水和物」や「ポビドンヨード」を含有するうがい薬を使うと、のどの粘膜に付着した細菌やウイルスを殺菌・消毒できます。

まずは口の中を軽くゆすいだ(クチュクチュうがい)後、のどの奥まで届かせるようにうがい(ガラガラうがい)をすると良いでしょう。

薬用のトローチを服用する

のどのかゆみが治らないときは、薬用のトローチを服用する方法もあります。

薬用トローチのなかには、抗炎症成分である「アズレンスルホン酸ナトリウム」や「グリチルリチン酸二カリウム」のほか、殺菌成分の「セチルピリジニウム塩化物水和物」が含まれているものがあります。

薬用トローチは口のなかで徐々に溶かすように服用するものなので、噛み砕いたり、飲み込んだりせず、用法用量を守りましょう。

のどのかゆみや痛みが出る風邪の予防方法

のどの周辺に炎症が起きていると、のどにかゆみや痛みが出てきます。のどの炎症は風邪を引くと起こりやすくなるため、日ごろからの風邪予防が大切です。

以下で風邪の予防方法について解説します。

こまめに手洗い・消毒をする

風邪の原因となるウイルスは、手を介して口や目、鼻から入り込むことがあります。手に付着したウイルスは手洗いをして、しっかり除去しましょう。

手洗いは、石鹸を使って30秒以上の時間をかけて入念に行うことが推奨されていますが、手を洗う場所が近くにないときは手指が消毒できるアルコール消毒薬を活用しましょう。消毒液を手に取り、15秒以上擦り込むことで多くのウイルスが除去できます。

部屋を加湿する

風邪のウイルスは、低温、低湿度の環境を好みます。また、冬季は空気が乾燥しやすく、のどや鼻の粘膜も乾燥気味になり、バリア機能が低下します。バリア機能が低下することで、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなり、風邪を引きやすくなります。

冬季は室内の湿度を50~60%に維持するよう意識しましょう。身近に加湿器がない場合は濡れたタオルや洗濯物を部屋干しすると良いでしょう。

栄養バランスの良い食事を摂る

食事は体力を維持したり、回復したりするのに欠かせません。風邪を引かないためにはまず、栄養バランスの良い食事を3食摂ることが大切です。

とくに、タンパク質やビタミンC、ビタミンAなどを意識して摂取すると良いでしょう。

適度な運動をする

運動で筋肉をつけると血行が良くなります。血行が良くなることで免疫力が向上し、風邪を引きにくい体質になります。

また、運動することでストレス解消にもつながり、自律神経の乱れを正常化してくれます。免疫機能は自律神経の影響も受けるため、適度な運動を心がけましょう。

ウォーキングやスクワットなど、下半身の筋肉を鍛える運動で、汗ばむ程度の運動強度がおすすめです。

のどがかゆくなる原因を知って適切な対処をしよう

のどがかゆくなるときは、アレルギーやのどの炎症など、さまざまな原因が考えられます。

のどがかゆくなったときは、うがい薬や、薬用のトローチなどで対処しましょう。

また、のどのかゆみや痛みを予防するために、こまめな手洗いや消毒を心がけ、生活習慣の見直しも行うと良いでしょう。

ただし、のどのかゆみが引かない、悪化するときは早めに医療機関を受診しましょう。

佐藤医師からのコメント

のどがかゆくなる原因は、アレルギーや感染症、ほかの疾患や加齢・ストレスによるものなど、さまざまあります。

のどがかゆくなったときは、うがい薬の使用や薬用トローチの服用、手指の消毒、部屋の加湿、栄養バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけるようにしましょう。しかし、なかなかのどのかゆみが治まらない場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

監修者
佐藤留美

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。(2024年1月現在)

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