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【医師監修】のどにも口内炎はできる?原因や治し方・予防方法を紹介

2023.12.22

【医師監修】のどにも口内炎はできる?原因や治し方・予防方法を紹介

口内炎ができる場所は、歯茎や頬の内側が多いです。のどに違和感があると風邪を疑いがちですが、口内炎を疑う方もなかにはいるでしょう。

そこで今回は、のどに口内炎ができる可能性はあるのか、口内炎の種類と予防方法を解説します。のどに違和感がある方はチェックしてみてください。

のどに口内炎はできる?

口内炎とは粘膜局所が炎症を起こした状態を指します。のども同じ粘膜のため、口内炎はできます。

のどは鏡を使っても確認するのが難しいため、口内炎かどうか判断するのは難しいかもしれません。

一般的には、のどに口内炎ができると「刺すような痛み」や「イガイガとした感じ」の症状が現れるので、判断材料の1つにしてみましょう。

口内炎であるかどうかを自己判断するのは難しいので、のどの違和感が続く場合は医療機関を受診してください。

口内炎の種類

口内炎にも種類があり、それぞれ症状や原因が異なります。自身で口内炎の種類を見分けるのは難しいですが、口内炎にはどのような種類があるのか知っておくことは大切です。

以下3つの口内炎の種類について詳しく紹介します。

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、口内炎でよく見られる種類です。炎症を起こしている部位が白い潰瘍になります。口の中に米粒のような白い斑点がある場合は、アフタ性口内炎を疑ってみましょう。

アフタ性口内炎が軽度の場合は痛みが少ない傾向にありますが、悪化すると食事をするだけでも痛みを感じることがあります。

原因はストレスや偏った食生活、ホルモンバランスの変化や体調不良が考えられます。アフタ性口内炎は再発も多い口内炎のため、体調に気を付けながら過ごしましょう。

ウイルス性口内炎

ヘルペス性口内炎、ヘルパンギーナ、手足口病がウイルス性口内炎に該当します。痛みが強く、高熱やリンパの腫れを伴う可能性もあります。

ウイルス性口内炎は抵抗力の低い子どもにもよく見られる口内炎です。大人でも免疫力が低下していると発症する可能性があるため、症状がある方は医療機関に相談しましょう。

アレルギー性口内炎

粘膜病変をアレルギー性口内炎と呼びます。薬の副作用や、歯科医療で用いられる金属がアレルギーの原因と考えられています。

薬の服用を始めて口内炎ができた場合や、歯科治療中に口内炎ができた場合は、医師に相談しましょう。のどの違和感や痛みが気になる方も、口内炎ができているかどうか医療機関で診てもらうことが可能です。

のどに口内炎ができる主な原因

のどにできる口内炎の多くは、細菌やウイルスが原因です。のどに傷ができたり、免疫力が弱まっていたりするときに、細菌やウイルスに感染して口内炎の症状が現れます。

口内炎はのどのほか、歯茎や舌、唇や頬の内側にもできるため、痛みで食事をするのもつらいかもしれません。

睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスなども口内炎の間接的な要因となるので、普段から健康的な生活を送ることが大切です。

また、喫煙による口内環境の悪化が口内炎の要因となる場合もあります。口内炎に悩んでいる方は、今一度原因になる要素がないか、生活習慣を見直してみましょう。

口内炎の治し方

口内炎は自然に治るケースも多いですが、塗り薬や内服薬による治療も可能です。痛みや不快感から早く解放されたい方は、薬を使って口内炎を治す方法も検討しましょう。

口内炎の市販薬もありますが、症状が気になる場合は医療機関に相談してください。炎症部位が広がったり、2週間以上症状が改善しなかったりする場合は、一度医療機関を受診しましょう。

口内炎は歯科医院や耳鼻咽喉科、内科や皮膚科で受診できます。ただし、医療機関によっては口内炎に対応していない場合もあるので、事前に確認してから受診してください。

口内炎の予防方法

【医師監修】のどにも口内炎はできる?原因や治し方・予防方法を紹介

口内炎の予防方法を紹介します。口内炎ができやすい方は以下の要点をチェックしてください。

規則正しい生活を送る

免疫力が低下すると口内炎ができやすくなります。普段から規則正しい生活を心がけ、風邪や体調不良を引き起こさないようにしましょう。

睡眠時間を十分に確保することも大切です。寝不足が続いている方や生活リズムが安定していない方は、この機会に就寝時間や起床時間を決めてみましょう。

仕事や家事、育児で忙しい方も、口内炎や健康維持のためにしっかりと体を休める時間を設けてください。疲労やストレスも口内炎の要因になるため、心身のリフレッシュに努めましょう。

バランスの良い食生活を意識する

栄養不足や偏った食生活は口内炎を引き起こす要因となります。日頃からバランスの良い食事を心がけ、口内炎を予防しましょう。

丼物や麺類など炭水化物がメインの食事が多い方は、定食スタイルの食事を意識すると良いです。極端に食事量を減らすと栄養状態が悪くなり、免疫力の低下につながる可能性もあるので、しっかりと栄養を摂りましょう。

粘膜の再生を促す効果に期待ができる葉酸やビタミンB群も意識的に摂取してください。レバーには葉酸やビタミンB群が多く含まれているので、主菜に取り入れてみましょう。ほうれん草や海苔、ごまもビタミンB群や葉酸が含まれているので毎日の食事にプラスすると良いです。

また、鉄分や亜鉛、ミネラルも意識的に摂取してください。ただし、過剰摂取は体に影響を与える可能性があるので適量で済ませましょう。

うがい薬を使用する

口内炎の予防として大前提となるのが、口内を清潔に保つことです。口内を清潔に保つには、こまめに歯磨きをするイメージが強いですが、うがいだけでも構いません。

歯磨きが難しいシーンでも、うがいなら気軽に行える場合があります。うがいは口内炎の要因となる細菌の増殖や口内の乾燥を防ぐ効果にも期待ができるので、ぜひ習慣化しましょう。

薬用のうがい薬は、殺菌作用があるため口内炎だけでなく、のどの腫れの改善にも効果が期待できます。コンパクトサイズのうがい薬も販売されているので、外出用に準備しておくと便利です。

口臭を除去する効果にも期待ができるうがい薬もあるので、エチケットの1つとしてうがいを取り入れてみましょう。うがいは最低でも3回に分け、しっかりと上を向いて行うのがポイントです。

口内炎の痛みが強い場合は、やさしくうがいをしてください。

のどを労わる生活を意識して口内炎を予防しよう

口内炎の原因は細菌やウイルスの感染、生活習慣や免疫力の低下が要因として考えられます。口内炎ができると痛みで食事をするのもストレスになる場合があるので、不快さを感じないためにも日頃から予防に努めましょう。

のどにできた口内炎は薬が塗りづらいため、セルフケアが難しいかもしれません。症状を悪化させないためにも、医療機関に相談してください。

うがい薬は口内炎の予防に役立つので、口内炎ができやすい方や、口内炎に悩んでいる方はぜひ活用しましょう。

佐藤医師からのコメント

口内炎は、口の中や喉の粘膜局所が炎症を起こした状態です。その原因としては、免疫力の低下、細菌やウイルス感染が考えられます。免疫力を低下させないようにするためには、バランスの良い食事摂取・規則正しい生活を心掛けるようにしましょう。

また、うがい薬を使用してうがいを行うことも効果的です。ただし、感染症以外での内科的疾患が原因で起きる口内炎もあるため、なかなか治らない口内炎を自覚した際は、医療機関を受診して医師の診察を受けるようにしてください。

監修者
佐藤留美

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。(2023年12月現在)

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