2023.12.22
【医師監修】のどが腫れる原因は?痛いときの対処法と予防方法を紹介
のどが腫れて痛みを感じるとき、何が原因だったのか、わからない方も多いかもしれません。のどの腫れや痛みの原因を理解しないままでいると、繰り返してしまう可能性があります。
そこで今回は、のどが腫れる原因と、痛みがあるときの対処法と予防法を紹介します。のどが腫れて痛みが出やすい方はぜひ参考にしてください。
▼のどが腫れて痛い原因
のどが腫れる原因は風邪だけではありません。以下では、のどが腫れて痛みがあるときの主な原因を紹介します。
声の出し過ぎ
声を出し過ぎるとのどの粘膜が傷ついてしまう可能性があります。のどの粘膜が傷つくと、そこから炎症を起こす場合があり、腫れや痛みにつながることがあるため、大声を出す機会が多い方は注意しましょう。
空気の乾燥
空気が乾燥してのどが乾燥すると粘膜の防御機能が低下し、ダメージを受けやすい状態になります。
また、ウイルスや細菌に感染しやすくもなります。空気の乾燥によってウイルスや細菌感染すると、のどが腫れて、痛みが出る可能性があります。
タバコやアルコールの影響
タバコやアルコールはのどに刺激を与えてしまいます。慢性的に刺激が加わると、のどが腫れる可能性があります。
喫煙者や日常的にアルコールを飲んでいる方は、のどの腫れや痛みの原因となっている可能性があるので要注意です。
▼のどが腫れて痛いときに疑われる病気
のどが腫れる原因に当てはまらない方は、病気の可能性もあります。
のどが腫れる主な病気として、咽頭の粘膜やリンパ組織に起こる咽頭炎や、喉の奥にある扁桃に起こる扁桃炎が挙げられます。
しかし、そのほかにも考えられる病気があります。以下では咽頭炎や扁桃炎以外で考えられる病気について解説します。
細菌性の病気
溶連菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ、ジフテリア菌など、細菌性の病気でのどが腫れることもあります。
発熱や悪寒の症状を伴う場合もあります。発熱や悪寒がする場合は医療機関を受診して、早めに検査しましょう。
ウイルス性の病気
インフルエンザ、アデノウイルス、EBウイルスなどが一例です。症状としては、のどの痛みや腫れ、発熱、倦怠感が考えられます。
風邪の症状を伴う場合は医療機関を受診しましょう。
甲状腺の病気
バセドウ病や橋本病など、甲状腺の病気でのどが腫れることがあります。のどの腫れのほかに、動悸や息切れ、体温の低下などの症状が伴います。
自己判断は難しいので医療機関に相談しましょう。
▼のどが腫れて痛いときの対処法
のどが腫れたときは以下のポイントを参考に対処してみましょう。痛みが強い場合は我慢せず、医療機関を受診するようにしてください。
部屋を加湿する
空気が乾燥しているとのどが腫れる要因となり得ます。のどの乾燥を防ぐためにも部屋を加湿することが大切です。
加湿器がなければ、濡らしたタオルを部屋に干すなどして湿度を保つ方法もあります。
うがい・のどスプレーをする
うがいはのどに付着した細菌を洗い流す効果が期待できます。
のどが炎症していて痛みがある場合は、市販の医薬品のうがい薬を試してみると良いでしょう。うがい薬は殺菌効果と抗炎症効果のある成分が配合されているか、医薬品であるかを確認してみてください。
うがいができる環境でないときは医薬品ののどスプレーを持ち歩くのもひとつの方法です。のどスプレーは直接のどに噴霧でき、持ち運びもできて、のどの痛みや腫れを抑える効果が期待できます。
トローチをなめる
トローチはのどの痛みを緩和する効果に期待ができます。
医薬品、医薬部外品のトローチは抗炎症効果があるので、のどの腫れや痛みがあるときに便利です。医薬品、医薬部外品のトローチは用法用量を守って使用するようにしましょう。
しっかりと休養する
のどの腫れは炎症している状態なので、しっかりと休養し、炎症が悪化しないよう心がけましょう。
刺激物の摂取は控え、しっかりと水分を摂ることが大切です。
▼のどが腫れてから医療機関を受診するタイミングはいつ?
38.0℃以上の高熱が出ている、のどの痛みや腫れが強い、症状が2日以上続いているといった場合は医療機関を受診しましょう。
のどの痛みが軽い場合でも、ほかに気になる症状があれば医療機関を受診して相談してみてください。
▼のどの腫れを繰り返さないための予防方法
のどの腫れや炎症を繰り返さないためにも予防が大切です。以下で予防方法を3つ紹介するので、参考にしてみてください。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送り、免疫力の低下を防ぎましょう。
十分な睡眠時間、バランスの良い食事を心がけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
刺激となる食べ物や嗜好品を控える
のどの刺激となるタバコやアルコールの摂取はできるだけ控えましょう。
激辛料理や熱すぎる食べ物ものどの刺激となることがあります。嗜好品を全て我慢するのは難しいですが、のどの痛みが悪化しそうなときは控えるのが望ましいです。
手洗いうがいで細菌やウイルスの感染を防ぐ
細菌やウイルスによるのどの腫れを予防するためにも、手洗いやうがいを習慣化しましょう。
完全に感染を防ぐのは難しいですが、予防効果には期待はできます。アルコール消毒による手指の消毒も感染を予防する効果に期待ができるので、取り入れてみましょう。
▼のどの腫れや痛みは早めに対処しよう!
のどの腫れは細菌、ウイルスへの感染が疑われます。のどの腫れが現れたら、部屋を加湿したり、うがいをしたりしながら対処をしましょう。のどに症状が出ないように、日ごろから手洗いやうがい、手指の消毒を習慣化することも大切です。
のどの症状が良くならない場合は医療機関を受診しましょう。
佐藤医師からのコメント
喉が腫れて痛くなる原因は、声の出し過ぎ、空気の乾燥、アルコールやタバコ、激辛料理や熱すぎる食べ物が挙げられます。また病気としては、細菌感染、ウイルス感染、甲状腺の病気などが考えられます。
病気以外の原因の対処法としては、部屋を加湿する、手洗いうがいやのどスプレーをする、トローチをなめる、休養をしっかりする、アルコールやタバコ・刺激となる食べ物や飲み物を控える、といったことを心がけましょう。
38.0℃以上の高熱が出ている、のどの痛みや腫れが強い、2日~1週間以上症状が続く場合は、病気の可能性が高いため、早めに医療機関を受診するようにしてください。
監修者
医師:佐藤留美
内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。(2023年12月現在)