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【医師監修】すぐにのどが渇く原因は?対処法や考えられる病気を紹介

2023.12.11

【医師監修】すぐにのどが渇く原因は?対処法や考えられる病気を紹介

頻繁にのどが渇く方は、体内の水分が足りていない可能性があります。水分不足は病気の要因となる場合があるので、のどの渇きが気になる方は意識的に水分を摂りましょう。

今回は「のどが渇く理由」を解説しながら「のどが渇く原因」や「対処法」を紹介します。水分補給の際に気を付けたいポイントも解説しますので、のどの渇きが気になる方はぜひ参考にしてください。

のどが渇くまでのメカニズム

のどが渇く理由は、血液の浸透圧の上昇や体液の減少が要因として考えられます。血液の浸透圧とは、血管内に必要な血液の濃度を指します。体内の水分が喪失量に見合っていれば浸透圧は一定に保たれますが、水分不足になると浸透圧が上昇し、のどの渇きを感じます。

体液とは、酸素や栄養素を体中に運搬したり、老廃物を排出したりする役割を果たすものです。しかし、なんらかの原因で体が水分不足になると体液も減少するため、体が異常を察知し、口渇中枢(こうかつちゅうすう)に刺激が加わることでのどの渇きを感じます。

人間の体の大半は体液であり、体温調節をはじめとするさまざまな機能に関わっているので、重要です。体液の減少は脱水の状態ですので、普段からしっかりと水分補給を行いましょう。

成人の1日の平均水分量

一般的に、成人が必要な1日の水分摂取量は2.5リットルといわれています。そのうち食べ物から摂取される水分は0.9~1リットルを想定しており、体内で作られる水分は0.3リットルほどです。

残りの足りない水分は飲み物で摂取するのが望ましいので、1日1.2~1.3リットルは意識的に水分補給を行いましょう。

水分の喪失量は、尿や便で排出される水分が1.6リットル、呼吸や汗から排出される水分は0.9リットルほどです。汗をかきやすい季節やシーンではより多くの水分が体内から排出されるため、水分不足にならないようにしっかりと水分補給を行ってください。

水分量以外でのどが渇く原因

のどが渇く理由は、水分の摂取量が少ないだけではありません。頻繁にのどが渇く方は、以下の原因もチェックしてみましょう。

病気

病気が原因でのどの渇きを感じる場合があります。糖尿病や甲状腺機能亢進症、腎臓疾患などを患うとのどが乾く傾向にあるため、体調に不安がある方は可能性の1つとして覚えておいてください。

のどの渇きが必ずしも病気を患っているサインとは限りませんが、1つの症状として頭に入れておきましょう。

のどの渇き以外にも体調に気になる症状がある方は、医療機関に相談してください。

塩分の多い食事

塩分の多い食事を摂取すると、のどが渇きやすくなります。塩分の多い食事を摂ると、血液中のナトリウム濃度が上昇するため、体は一定の濃度を保とうとし、水分を欲します。

ラーメンや塩っ気の強い漬物を食べた後に水分を摂りたくなるのは、体が塩分濃度を下げるためです。

食事を摂った後にのどが渇くのは、塩分濃度が高まっているのかもしれません。のどが渇きやすいと感じる方は、食事の内容も見直してみましょう。

発熱や下痢などの体調不良

下痢や発熱などの体調不良により、体が脱水状態になることがあります。体の水分が足りなくなるとのどが渇くので、体調不良が原因で一時的に脱水症状を引き起こしているのかもしれません。

大きな疾患はなくとも風邪の症状がある方や体調が優れない方は、発熱や下痢によってのどが渇いている可能性があります。体調に合わせて、飲みやすい飲み物や体を冷やさない飲み物で水分を摂取してください。

ストレス

ストレスや薬の副作用が要因となり、ドライマウスになる方も少なくありません。ドライマウスとは口の中が乾燥する症状を指し、唾液の分泌量が減っている状態です。

口の中の乾燥が気になる方や、口の中の水分が足りずに乾いた食べ物が食べにくいと感じる方はドライマウスの可能性があります。

ドライマウスの症状の1つに「口の中のネバつき」があるので、サインの1つとして参考にしましょう。水分不足になると唾液の分泌量も減ることがあるので、意識的に水分補給を行うことも大切です。

更年期障害

更年期障害になると、体のほてりやのぼせ、異常な発汗といった症状が現れることがあります。ほてりやのぼせによって普段よりも体の水分が失われる傾向にあるので、更年期障害によってのどが渇きやすくなる方もいます。

一般的に更年期障害は40代を過ぎた頃から見られる症状です。更年期障害は女性だけに見られる体の変化として認識している方も多いですが、男性も更年期障害になります。

加齢に伴い体のほてりやのぼせ、のどの渇きを感じるようになった方は、一度医療機関に相談してみましょう。

のどが渇きやすいときの対処法

【医師監修】すぐにのどが渇く原因は?対処法や考えられる病気を紹介

頻繁にのどが渇くと感じる方は、以下の対処法を試してみましょう。対処法はすぐに試せるものばかりですので、のどが渇いているときの参考にしてください。

のどが渇く前に水分補給をする

のどが渇いたと感じる段階で、体は脱水症状を引き起こしている可能性があります。体が脱水状態にならないように、のどが渇く前に水分補給を行うのが望ましいです。

のどが渇いていないときも、こまめに水分補給を行いましょう。最低でも1.2~1.3リットルは飲み物で水分を補ってください。

とくに気温の高い季節は脱水状態に陥りやすいので、意識的に水分補給を行うことが大切です。入浴後やスポーツ後など汗を多くかいた後も、しっかりと水分補給しましょう。

ノンカフェインの飲み物で水分補給をする

カフェインの含まれた飲み物は利尿作用があるため、水分補給には向きません。のどが渇いているときはノンカフェインの飲み物を選びましょう。

また、糖類の多く含む嗜好飲料での水分補給は、肥満の要因となる可能性があるので注意が必要です。

コーヒーや紅茶などのカフェイン入りの飲み物はティータイムだけに留めるなどし、基本の水分補給はカフェインや糖分の含まれていない飲み物を飲んでください。

アルコールも同じく尿の排泄を促す傾向にあるので、水分補給には適しません。

うがいやトローチでのどにうるおいを与える

のどが渇いている状態が続く場合は、うがいでのどをうるおわせましょう。

のどの渇きを放置するとのどが乾燥し、炎症を起こしやすい状態になります。のどに炎症や痛みがある場合は、抗炎症作用があるうがい薬を使ってみるのもひとつの手です。

うがいをする際は、上向きになりのどの奥までしっかりと水分が届くようなイメージで行ってください。

トローチや飴を舐めることで、唾液の分泌を促す方法もあります。ただし、医薬品や医薬部外品のトローチや飴は、用法用量を正しく守って服用しましょう。

最近はトローチもさまざまなフレーバーが販売されているので、苦手意識のある方は好きなフレーバーから試してみると良いかもしれません。

日頃からのどが渇く前にしっかりと水分補給を行おう

体内の水分量が足りなくなると、熱中症や脳梗塞、心疾患などの病気の要因となる可能性があります。健康を維持するためにも、普段からのどが渇く前にしっかりと水分補給を行いましょう。

水分補給はノンカフェインの飲み物を選んでください。必要に応じてトローチや飴を活用して口の中をうるおわせましょう。のどが渇くだけでなく、痛みが生じている場合にはうがい薬の使用も検討しましょう。

対処法を試してものどの渇きが改善されない場合は、医療機関に相談してください。

佐藤医師からのコメント

のどが渇く理由は、血液の浸透圧の上昇や体液の減少が要因として考えられます。つまり、脱水によるものがほとんどです。そのため、のどが渇く前に水分補給をこまめに行いましょう。

しかし、のどが渇く原因として糖尿病などといった病気の可能性もありますので、のどの渇きが改善しないようであれば、医療機関を受診して医師の診察を受けるようにしてください。

監修者
佐藤留美

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。
朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。(2023年10月現在)

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