2023.12.11
【医師監修】のどに良い食べ物や飲み物はある?痛みを緩和したいときの対処法を紹介
体調を崩すとのどの痛みが出やすい方は多いです。のどの痛みが強いと、食事さえも億劫になってしまうことがあります。しかし、食べないことで栄養が不足し、回復が遅くなってしまう可能性も考えられます。
今回は、のどの痛みがあるときに良い食べ物、避けたほうが良い食べ物を紹介します。のどのケア方法についても解説するので、のどの痛みがある方はぜひ参考にしてください。
▼のどが痛くなる原因
のどが痛くなる原因はさまざまです。自身ののどの痛みは何が原因か、しっかり確認しておきましょう。
以下ではのどが痛くなる主な原因を紹介します。
● ウイルスや細菌の感染
● 炎症
● 空気の乾燥
● ホコリ
● 喫煙
● 飲酒
ウイルス感染や炎症の可能性がある場合は、のどの痛み以外の症状が出て、悪化してしまう可能性があります。市販薬で様子を見る、または医療機関を受診し、治療薬を処方してもらいましょう。
▼のどが痛いときの食事のポイント
のどが痛いときは、いつもどおりの食事ではなく、のどに刺激を与えない食事を心がけましょう。
のどごしが良い食べ物や、やわらかい食べ物はのどに刺激が少なく、痛みがあっても食べやすいです。固形物はよく煮込んでやわらかくする、ミキサーを使用して食材を細かくするなどの工夫をしてみましょう。
ゼリーや栄養補助食品をいつもの食事にプラスするなど、栄養バランスをしっかり考えることも大切です。
どうしても痛みが強く食事が摂れない場合は、医療機関に相談しましょう。
▼のどに良い食べ物や飲み物
以下では、のどが痛いときに刺激になりにくい食べ物や飲み物を紹介します。調理方法も工夫して、のどを労わりながら、同時に栄養摂取もしましょう。
スープ
スープであればのどが痛いときでも食べやすく、野菜類をたっぷり入れれば、不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を摂取できます。
とくにきのこを入れると食物繊維のほか、ビタミンとミネラルもしっかり摂取できます。また、生姜をプラスすることで、体を温め、咳やのどの痛みを和らげる効果も期待できます。
ただし、熱すぎるスープはかえってのどの刺激になってしまうため、食べやすい温度に冷ましてから食べるようにしましょう。
バナナ
バナナは粘度のある果物なので、飲み込みやすく、のどに負担がかかりにくい傾向にあります。また、栄養が豊富なため、のどの痛みによって免疫が落ちたときにおすすめできる食べ物です。
のどの痛みが強く、バナナでも飲み込みにくい場合は、すりおろしてヨーグルトと混ぜて食べるなど、工夫をしてみると良いでしょう。
番茶
番茶にはカテキンやタンニンが含まれていて抗菌作用があります。そのため、ウイルス感染が原因ののどの痛みにおすすめです。
またダメージの修復や再生を促す抗酸化作用にも期待ができます。バランスの良い食事とあわせて番茶を摂り入れると良いでしょう。
▼のどに良くない食べ物や飲み物
のどが痛いときは控えたほうが良い食べ物や飲み物もあります。以下では、のどが痛いときに控えたほうが良い食べ物や飲み物を紹介します。
酸味の強い食べ物
酸味の強い食べ物は、のどへの刺激が強く、のどの痛みを助長する可能性があります。
酢の物、柑橘類、梅干しなどは酸味があるので、のどに痛みがあるときは摂取を控えるようにしましょう。
香辛料が多く含まれている食べ物
香辛料とは風味付けの役割を果たす、スパイスやハーブを指します。のどに痛みがあるときは香辛料が刺激になる場合があります。カレーやエスニック料理、香辛料が使われているお菓子などは避けましょう。
炭酸飲料
炭酸飲料はのどに刺激がある(爽快感がある)飲み物なので、のどの調子が悪いときは痛みを強く感じる場合があります。のどの痛みを悪化させないためにも、炭酸飲料は避けるようにしましょう。
▼食べ物や飲み物以外でのどの痛みを改善する方法
食べ物や飲み物だけでのどの痛みを改善させるのは難しいです。以下では食べ物や飲み物以外でのどの痛みを改善する方法を紹介します。
室内を加湿する
室内の乾燥はのどの痛みを悪化させる可能性があります。室内を加湿し、のどを労わりましょう。
湿度は50~60%が目安です。加湿器や濡らしたタオルを活用して室内の湿度を保ちましょう。
うがいをする
うがいはのどの乾燥を防いでくれる効果があります。
うがいをする際に、うがい薬を活用すると、のどの炎症をおさえられる可能性があります。うがい薬を使う場合は使うアイテムの使用方法に従うのが基本ですが、まずは口の中の有機物や細菌を取るために強めにうがいをします。
その後は、のどの奥までうがい液が届くように15秒程度うがいをしてください。またもう一度、うがい液を口に含ませ15秒程度うがいをしましょう。
医薬品・医薬部外品のトローチを舐める
トローチは医薬品・医薬部外品のものと、通常の食品のものに分類されます。医薬品・医薬部外品のトローチは殺菌、消毒、抗炎症作用があるため、のどの痛みをやわらげる効果に期待ができます。
トローチにはさまざまな味があるため、好みの味のトローチでのどをケアできます。ただし、医薬品や医薬部外品のトローチは、用法用量をきちんと守るようにしましょう。
▼のどが痛いときは口当たりのやさしい食べ物や飲み物で栄養を補給しよう
のどに痛みを感じるときの食事は、のどに刺激の少ない食べ物や飲み物で栄養を摂取しましょう。
のどに良いおすすめの食べ物はスープやバナナなどです。ただし、偏った食事にならないよう、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
また、のどが乾燥しないように部屋を加湿することも心がけてください。痛みを緩和したい方は、うがい薬とあわせて、医薬品や医薬部外品のトローチを活用しながらケアしましょう。
のどの痛みが改善しない場合は、医療機関を受診してください。
佐藤医師からのコメント
のどが痛いときは、のどに刺激を与えない食べ物や飲み物を摂取するように心掛けましょう。また、乾燥ものどの痛みの原因となりますので部屋を加湿することや、うがいをすることが大切です。のどが痛くなる原因はさまざまです。痛みが長引くようでしたら、医療機関を受診して医師の診察を受けるようにしてください。
監修者
医師:佐藤留美
内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。
朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。(2023年10月現在)