カバくんコラム

2023.10.23

【医師監修】のどの違和感の原因は?病院へ行くべきタイミングと対処法

話すときや食べるときに使うのどに違和感があると、気になってしまう方も多いのではないでしょうか。つらいのどの違和感は、少しでも早く対処したいですよね。

のどの違和感があるときは、風邪やインフルエンザなどの感染症のほかにも、消化器系の疾患が潜んでいる場合があります。

そこで今回は、のどの違和感の症状別に考えられる原因を詳しく解説し、医療機関へ行ったほうが良い症状を紹介します。

また、違和感があるときの対処法と、のどの違和感を伴う感染症の対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

のどの違和感の症状と原因

「のどの違和感」とひと口にいっても、イガイガする、つかえ感がある、食べものを飲み込みづらいなど、症状はさまざまです。

以下でのどの違和感の症状別に考えられる原因を解説します。

のどがイガイガする

のどがイガイガする場合は、のどが炎症している可能性があります。風邪などの感染症、
咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎のように、のどのいずれかの部位が炎症しているときに、イガイガする、ヒリヒリすると感じることがあります。

また、のどの違和感があるのに検査で原因となる疾患が特定できない場合は、咽喉頭異常感症の可能性も考えられます。咽喉頭異常感症は、ストレスや心身症が原因といわれている疾患です。

のどにつかえ感がある

のどにつかえ感や何かつまっている感じがある場合は、風邪などの感染症以外にさまざまな疾患の可能性があるので、注意が必要です。

つかえ感とは、食事をするのには支障がなく、飲み物や唾液を飲み込んだときに食道のほうへ落ちにくい感じがする場合を指します。

発熱やだるさ、咳、鼻水のような症状がある場合は風邪の可能性が高くなりますが、胸やけやゲップが多く出るなどの症状があれば、逆流性食道炎の可能性があるので、医療機関を受診するようにしましょう。

のどにつかえ感がある場合は、ほかにも慢性扁桃炎、咽頭炎、甲状腺疾患のような疾患の可能性もあるので、風邪ではなさそうな場合は1度医療機関に相談するのがおすすめです。

飲み込みづらい

食べものを飲み込んだときに異物感がある、飲み込みづらいと感じる場合は、食道や胃に問題がある可能性があります。ほかにも、飲み込むときに働く神経や筋肉がうまく働かなくなっている場合もあるので、医療機関に相談するのがおすすめです。

食べものを飲み込みづらい場合は、逆流性食道炎や咽喉頭逆流症、腫瘍や異物の影響で食道やのどの一部が狭くなっているなどの可能性も考えられます。

のどに何か張りついている感じがする

のどに何か張りついている感じがするときは、異物のつまり以外に咽頭ポリープや咽頭がんといった咽頭症状、鼻炎、逆流性食道炎など、さまざまな原因が考えられます。

のどに何か張りついている感じが続くようであれば、医療機関を受診しましょう。

のどに違和感がある場合の対処法

のどにつかえ感がある、食べものが飲み込みづらい、何か張りついている感じがする場合はさまざまな疾患の可能性が考えられるので、医療機関を受診するようにしてください。

以下では、のどにイガイガした違和感がある場合の対処法を解説します。

市販薬を試す

のどがイガイガする場合は、炎症している可能性があるので、炎症を抑える効果が期待できる市販のうがい薬、トローチやのどスプレーを試す方法もあります。

うがい薬にはさまざまな種類がありますが、一般的に口腔内の殺菌や消毒効果があります。のどの炎症を抑えてくれる商品もあるので、のどの違和感がある場合はうがい薬を試してみると良いでしょう。

市販のトローチやのどスプレーも炎症を抑えるだけでなく、のどや口腔内の殺菌と消毒ができます。

のどスプレーは仕事中や外出中でも気になったときに手軽に使えるので、のどに違和感があるときに便利なアイテムです。

部屋を加湿する

のどがイガイガするときは、部屋を加湿して、のどを乾燥させないようにすると良いでしょう。

加湿器や洗濯物の部屋干し、濡れたタオルを干すなどして、部屋の湿度を50~60%に保つようにしてください。

食べる物を工夫する

のどがイガイガするときはご飯をお粥に変えるなど、食べやすく、のどに良い食べものを選ぶと良いでしょう。

のどごしの良いものの例としては、アイスクリームやプリン、ゼリー、たまご豆腐、茶碗蒸しなどがあげられます。

のどに良い食べものや飲みものは、ネギや大根、しょうが、ハーブティーがあります。反対に、わさびや唐辛子、酢など、のどを刺激するものは避けるようにしてください。

はちみつ入りの飲み物を飲む

のどがイガイガするときは、はちみつ入りの飲み物が良いといわれています。はちみつにはのどをうるおす効果が期待できます。

はちみつが手元にない場合は、温かいお茶や白湯でのどをうるおすようにしてください。

治らない場合は医療機関を受診する

のどの違和感が1週間以上続く場合は、医療機関を受診してください。

とくにのどのつかえ感がある、飲み込みにくさを感じる、のどの奥に白い斑点がある、上あごに黒い斑点がある場合は、早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。

のどの違和感を伴う感染症対策

のどにイガイガとした違和感がある場合は、炎症している可能性があります。のどの炎症の多くの原因は、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症です。

ほかには、空気の乾燥、タバコや花粉の影響、大声を出すなどののどの酷使、飲酒などが原因として考えられますが、思い当たることがなければ感染症の可能性が高くなります。

以下では、のどの違和感を伴う感染症にかからないための予防方法を解説します。

健康的な生活をする

健康的な生活は免疫力の向上につながるので、感染症の予防効果が期待できます。普段から規則正しい生活のリズムと十分な睡眠、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

睡眠時間が十分でないと、自律神経の乱れにつながり免疫力が低下するといわれています。毎日7時間以上を目安に眠るようにしましょう。

食事では単品料理はなるべく避けて、野菜をしっかり摂ってください。ビタミン類はのどの粘膜の働きをサポートするといわれているので、積極的に摂りましょう。

こまめに手洗いとアルコール消毒をする

風邪やインフルエンザなどの感染症は、手を介して接触感染するケースが多いです。

外出時や帰宅時、トイレの後、食事の前には石けんでしっかり手洗いをして、アルコール消毒をすると良いでしょう。

のどの違和感は症状にあった対策しよう

「のどの違和感」とひと口にいっても、症状と原因はさまざまなので、症状にあった対策をする必要があります。

のどがイガイガする場合は炎症している可能性が高いので、部屋を加湿する、食べものを工夫するなど生活のなかで対処しながら、市販のうがい薬やのどスプレー、トローチを活用するのも良いでしょう。

ただし、のどのつかえ感や飲み込みづらさを感じる場合は、逆流性食道炎や咽喉頭逆流症などの疾患の可能性もあるので、早めに医療機関を受診してください。

佐藤医師からのコメント

のどの違和感の症状や原因はさまざまあります。その症状にあった対応をするのがよろしいのですが、イガイガする症状が1週間以上持続したり、のどのつかえ感、飲み込みづらさやのどに何か張り付いた感じがしたりする場合は、何かしらの疾患の可能性もあるため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

監修者

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。
朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。(2023年10月現在)

一覧に戻る