コラム
COLUMN
毛穴の黒ずみや開き、たるみなどの毛穴トラブルは、メイクをしても隠し切れず、悩んでいる方は多いかもしれません。
毛穴は一度黒ずんでしまうと、いつも通りの洗顔を続けていてもなかなか改善されません。
そこで今回は、毛穴の黒ずみや開きなどの原因から、毛穴トラブルを改善するための適切な洗顔方法、スキンケア方法まで解説しています。
毛穴に悩んでいる方がついしてしまいがちな誤った毛穴ケアもあわせて紹介しているので、現在のケアが適切かどうかも確認してみてください。
毛穴トラブルの原因は?
毛穴が目立ってしまう理由はいくつかあります。ここからは毛穴トラブルが起きるそもそもの原因をチェックしていきましょう。
毛穴の黒ずみ
毛穴の黒ずみの黒く見えているところは、毛穴に詰まったまま酸化した皮脂です。毛穴から過剰に分泌された皮脂が雑菌や古い角質と混ざって、毛穴に詰まったまま酸化することで、黒く見えてしまいます。
また、メイクや汚れがきれいに洗い落とせないままにしていると、それらが酸化して黒ずみになることもあります。
ほかにも、毛穴が黒ずんで見える原因として、「毛穴ジミ」も挙げられます。毛穴ジミは、紫外線や摩擦によって、毛穴で過剰に生成されたメラニンが蓄積することで黒く見える状態のことです。
皮脂や汚れが毛穴に詰まり、酸化していて黒ずんでいる場合は、手触りもザラザラになるので、毛穴ジミかどうか見分けられます。
毛穴の開き
毛穴の開きは、通常は閉じているはずの毛穴が開いたままになってしまった状態です。比較的にTゾーンに多く見られ、見た目にも気になります。
毛穴が開いてしまう原因は、加齢や乾燥、皮脂の過剰分泌など、さまざまな要因が重なって起きることがあります。
肌が乾燥していると、肌をうるおすために毛穴から過剰に皮脂が分泌され、毛穴を広げてしまうこともあります。
このように毛穴トラブルと皮脂は密接な関係にありますが、皮脂の過剰分泌は乾燥以外にも、ストレスや生活習慣の乱れ、脂っこい食事や糖質の摂り過ぎも原因となることがあるのです。
ほかにも、貼って剥がすタイプの角質ケアパックの使い過ぎなど、外部刺激で毛穴が開いたままになることもあります。
毛穴のたるみ
毛穴のたるみは、肌のハリが失われ毛穴が楕円形に広がった状態です。毛穴のたるみの原因は主に加齢で、肌内部のコラーゲンやエラスチンの生成スピードが落ちることで肌自体がたるんでしまいがちです。
肌のハリは加齢のほかにも、紫外線やストレス、生活習慣の乱れなどが原因でたるみにつながることもあります。
毛穴ケアの基本は洗顔と保湿
毛穴をケアするためには、毎日の洗顔と保湿を適切に行うことが大切です。毛穴のトラブルに大きな影響を与える皮脂を取り除くためにも、とくに洗顔が重要です。
毛穴に詰まった酸化した皮脂を落とすためにも、適切に洗顔を行いましょう。
しかし、皮脂を落としたいからと言って洗顔をしすぎたり間違った洗顔方法をしたりすると、肌にダメージを与える原因となり、乾燥や過剰な皮脂分泌などの肌トラブルを招くことがあります。
洗顔は朝と夜の1日2回までにとどめ、洗顔をしたあとは、なるべく早く化粧水と乳液などを使って保湿するようにしましょう。
肌のバリア機能がくずれて、角質層のうるおいが低下すると、肌の生まれ変わりである、ターンオーバーが乱れて毛穴トラブルを引き起こしやすくなります。
化粧水や乳液は、バリア機能を正常に働かせるために、保湿効果が高いセラミドが配合されているものを使うと良いでしょう。
毛穴ケアするためのおすすめ洗顔方法
毛穴ケアをするためには、洗顔がとても重要です。ここでは、毛穴ケアをするために、おすすめの洗顔方法を紹介します。
適切な洗顔方法をマスターして、毛穴が目立ちにくい肌をめざしましょう。
洗顔前にまず手を清潔にする
手に油分が残っていると、洗顔料の泡立ちが悪くなるので、洗顔を行う前には、まず手指を石けんでしっかり洗って清潔にします。
とくに、油分を多く含むクレンジングをしたあとは、クレンジングの油分をしっかり落としてから洗顔するようにしましょう。
洗顔前にはホットタオルがおすすめ
毛穴ケアをしたい場合は、洗顔前にホットタオルを顔に乗せて温めるのもおすすめです。ホットタオルで肌を温めることで毛穴が開き、汚れが落としやすくなります。
さらに、ホットタオルの蒸気と熱で肌の血行が良くなり、代謝を高める効果が期待できます。
ホットタオルの作り方は、フェイスタオルを水に浸して軽く絞り、500~600Wの電子レンジで1分弱ほど温めれば完成です。ホットタオルが熱すぎると肌にダメージを与えてしまうため、温度を確認してから顔に乗せましょう。
ホットタオルを顔に乗せたら、両手で軽く押さえるようにして3分ほどそのままにします。
丁寧に洗顔する
洗顔料を使って顔を洗う前には、34~38度のぬるま湯を手ですくって予洗いしていきます。その際、肌をこすらないように丁寧に洗います。
予洗いが終わったら、洗顔料を泡立てて、皮脂が多いTゾーンから泡を乗せて洗い始めましょう。この時も直接指で肌をこすらないように注意をして、丁寧に優しく洗います。
とくに乾燥が目立ちやすい目元や口元などは、軽く泡を乗せる程度でも良いでしょう。
洗顔料のすすぎ残しがないよう洗い流す
洗顔後は、ぬるま湯で洗顔料を洗い流してください。髪の生え際や小鼻はすすぎ残ししやすい場所なので、注意しましょう。
すすぎ終えたら、タオルで押さえるようにして水分をふき取ります。
洗顔後はきちんと保湿する
洗顔後は、肌が乾燥しやすい状態になるため、なるべく早く化粧水や乳液で保湿するようにしましょう。肌が乾燥して、肌のバリア機能が弱くなると、毛穴トラブルの原因になる場合があります。
乱れたバリア機能を整え、毛穴トラブルの起きにくい、うるおった肌を目指すには、保湿成分を含んだ化粧水や乳液でしっかり保湿するのがおすすめです。
また、乾燥が気になる方は、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤や白色ワセリンを使うのも良いでしょう。
間違った毛穴ケアとは?
毛穴が気になると、さまざまな毛穴ケアアイテムを取り入れたくなるかもしれません。
しかし、過剰なケアや間違ったスキンケアは、肌トラブルを招く原因になる場合があります。ここからは、毛穴レスな肌をめざして、ついやりがちな誤ったケアを紹介します。
洗顔・クレンジングのしすぎ
毛穴の黒ずみが気になる時にやりがちなのが、洗顔やクレンジングのしすぎです。しかし、長時間の洗顔やクレンジングは、うるおいを保つために必要な細胞間脂質や天然保湿成分まで洗い流してしまう可能性があります。
洗顔やクレンジングのし過ぎは、肌の乾燥や皮脂の過剰分泌など、さまざまな肌トラブルの原因になることがあります。
また、スクラブ入りの洗顔料を使ったり、ピーリングによる角質ケアを頻繁に行ったりするのも、肌にダメージを与える可能性がありますので注意が必要です。
角栓を押し出す
角栓とは、皮脂と古い角質が混ざり合ったもので、毛穴に詰まって毛穴トラブルの原因になることがあります。
しかし、角栓を指で押しだしたり、無理にかき出そうとしたりすると、肌を傷つける可能性があります。肌が傷つくと、肌が炎症して色素沈着や肌のへこみの原因になることもあるため、控えましょう。
毛穴パックを過剰に使用する
貼って剥がすタイプの毛穴パックは、角栓を吸着しシートと一緒に剥がせるので、効果が実感しやすく、毛穴が気になる時に取り入れたいケアの1つです。
しかし、貼って剥がすタイプの毛穴パックは、過剰に使用すると毛穴が傷つき、さらに毛穴を広げてしまう可能性があります。
毛穴パックを使う場合は、毛穴を引き締める効果が期待できる化粧水を使うなど、アフターケアもしっかり行うようにしましょう。
また、貼って剥がすタイプの毛穴パックは、商品の説明をよく読み使用頻度を守って、剥がす時はなるべくゆっくり剥がすようにしてください。
毛穴ケアは内側からもしよう
なめらかな肌をめざすためには、洗顔やスキンケアも大切ですが、体の内側からのケアも重要です。
毛穴トラブルは、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」と深い関りがあり、ターンオーバーが正常に行われず古い角質が残っていると角栓ができやすくなってしまいます。
ターンオーバーのサイクルを整えるためには、生活習慣を改善することが近道です。ここでは、ターンオーバーを整えるための生活のポイントを解説していきます。
規則正しい生活をする
ターンオーバーを整えるためには、毎日決まった時間に寝るなど、規則正しい生活を送ることが大切です。睡眠はとても重要で、寝ている間は体の疲れを取るだけではなく、肌や内臓も修復されます。
肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンは入眠後3~4時間後に分泌されるため、睡眠し始めてから3~4時間後に良質な睡眠をしっかり取れるようにしましょう。
睡眠の質を上げるには、布団に入る2~3時間前に入浴すると良いとされています。半身浴か全身浴で体を温めてから、やや体温が下がってきたくらいのタイミングで眠るようにしてみてください。
栄養バランスのとれた食事
肌を作っているのは毎日の食事ですので、毛穴ケアには栄養バランスの良い食事も大切です。肌の材料となるタンパク質を中心に、ビタミンやミネラルなどバランス良く摂取するようにしてください。
タンパク質を豊富に含んだ肉や魚、卵などと、ビタミン・ミネラル類が接種できる野菜や海藻、キノコ類をまんべんなく食べると良いでしょう。
ストレスをためない
過度なストレスもターンオーバーを乱し、毛穴が目立ってしまう原因となる場合があります。ストレスは血管を収縮させて肌の栄養不足を招いたり、自律神経を乱れさせたりすると言われているのです。
ストレスはなるべくためないようにして、適度に運動するなど、発散させるようにしましょう。
毛穴ケアには適切な洗顔と保湿が大切
毛穴の黒ずみや開きをケアするには、適切な洗顔を行い、きちんと保湿することが大切です。毛穴の詰まりを改善するには、洗顔前にホットタオルをプラスするのもおすすめです。
また、洗顔とスキンケアだけでなく、毛穴が目立ちにくいなめらかな肌をめざすには、生活習慣を改善するなど内側からのケアも行いましょう。
ただし、毛穴トラブルがひどい場合は、一度医療機関に相談するようにしてください。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
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川﨑医師よりコメント
糖質や脂質の多い食事を摂った翌日に顔がてかてかしたりニキビを見つけたり、そういったご経験があれば、食事と皮膚の関係がお分かりになるかと思います。皮脂の過剰産生が続くと毛穴のつまりもできやすくなりますので、適切なスキンケアと食事、生活習慣を心掛けましょう。