コラム
COLUMN
肌が荒れると、ニキビができたり、炎症が起きたり、ただれたりと、見た目にも気になってしまいます。何が原因で肌荒れが起こっているのか見直し、肌トラブルを改善していきましょう。
今回は肌荒れの原因や、対処法について紹介します。
肌荒れの主な症状
肌荒れが起こったときによく見られる症状としては、ニキビや吹き出物、肌の炎症やただれなどがあります。
肌荒れの症状や、原因は人によってさまざまです。痛みやかゆみ、腫れなど重い症状がある方は、医療機関を受診してください。
肌荒れが起きる原因
肌荒れの原因は肌への直接の刺激だけでなく、さまざま要因が考えられます
乾燥
肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に対して敏感になり、少しの刺激でも肌荒れを引き起こす可能性があります。
特に空気が乾燥する季節は、乾燥肌になりやすいので注意が必要です。加齢により肌の機能が低下することで乾燥が引き起こされるケースもあります。
紫外線
紫外線による肌へのダメージは肌荒れの要因となります。紫外線の刺激で肌のバリア機能が低下するとダメージを受けやすく、花粉などのアレルギー物質により炎症を引きおこす場合もあります。
ダメージを受けた肌は敏感な状態になるため、普段から使っているスキンケアアイテムでも刺激に感じる場合があります。
バリア機能の低下
バリア機能は肌の表面にある角質層の働きで、外部の刺激から肌を守る役割があります。
乾燥やストレスによって、バリア機能が低下すると肌に細菌やウイルス、アレルギー物質などが侵入して、炎症を起こすことがあります。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは肌のターンオーバーを乱す要因となります。
ターンオーバーが乱れると新しい細胞へ生まれ変わるサイクルが遅くなるので、古い角質が残り、荒れた肌がもとに戻るまでに時間がかかってしまいます。
また、睡眠不足は肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンの分泌が抑制される傾向にあるので、睡眠は十分にとりましょう。
ホルモンバランス
ホルモンバランスが乱れると皮脂が過剰に分泌されることがあります。
通常、皮脂は肌にうるおいを与えたり、保護したりする役割がありますが、皮脂が過剰分泌するとニキビの要因になってしまいます。
また、ホルモンバランスの乱れにより、皮脂の分泌量も増える傾向があるとも言われています。
便秘
便秘も肌荒れや肌トラブルを引き起こす要因の1つです。
腸内で発生した有害物質は血管を通して全身を巡るため、肌にも悪影響を与えます。血液中に毒素が増えることで新陳代謝が低下し、ニキビや乾燥、くすみを引き起こす場合があります。
マスクによる摩擦
マスクの摩擦や素材による刺激で肌荒れを引き起こしている可能性があります。
最近では長時間マスクを着用することもあり、肌荒れやニキビに悩む人が増えているかもしれません。
摩擦だけでなく、マスク着用部分は湿度や温度が上がりやすいことや、口の中の雑菌も肌荒れの原因になっています。
スキンケア方法
間違ったスキンケアも肌荒れの原因になります。
洗顔で強く擦り洗いしたり、基礎化粧品を強い力で塗りこんだり、スキンケア方法を誤っていると肌荒れを悪化させる可能性があるので、肌に刺激を与えないように丁寧にケアをしましょう。
また、優しく洗っていても、クレンジングや洗顔料をすすぎ残してしまうと肌荒れを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
肌荒れを治す方法
肌荒れを治す効果に期待ができる対策方法を紹介します。
十分な睡眠をとる
肌のターンオーバーを正常に働かせるためには、十分な睡眠時間を確保することが大切です。肌のターンオーバーが正常でなくなると、肌荒れや毛穴の詰まりや開きなど不調があらわれることがあります。
生活リズムが乱れがちな方は、毛穴ケアも兼ねて早寝早起きを心がけましょう。
バランスの良い食事を心がける
普段からバランスの良い食事を心がけ、体の内側から肌荒れケアに努めることが大切です。
脂質の多い食事は皮脂の分泌過剰の原因になります。間食の内容にも気を付けましょう。
ビタミンCやビタミンB群は肌の健康を保つ効果が期待できるため、積極的に摂取することをおすすめします。
クレンジング・洗顔の見直し
肌荒れが気になる方は、弱酸性など刺激の少ない洗顔料を使うと良いです。肌が敏感になっているので、なるべく添加物の少ない低刺激な商品を選びましょう。
メイクをしている方は洗顔だけではなくクレンジングも行い、しっかり汚れを落とすことが重要です。もしくは洗顔料だけで落ちるメイク用品を選んで使用しましょう。
オイルタイプやクリームタイプなど様々な種類があるので、肌質に合ったクレンジングを選びましょう。たとえば、クレンジングオイルは皮脂を流す力が強いので、乾燥肌の方には向いておらず、皮脂不足から肌荒れの悪化につながる可能性があります。
洗顔後は保湿を心がける
肌荒れを起こしている部分は洗顔後に保湿することも大切です。
スキンケアは「化粧水→乳液→クリーム」の順でケアを行い、水分を補充したあとにフタをするイメージで行いましょう。
市販薬を使用する
販売されている市販薬の中には、保湿力が高い「ヘパリン類似物質」を含んだものもあります。
先ほどご紹介した化粧水、乳液、クリームなどのスキンケアアイテムも、成分に着目して選ぶようにしましょう。
肌荒れが治らない場合は医療機関を受診しよう
スキンケア方法や生活習慣を見直しても肌荒れが治らない場合、皮膚に異常がある可能性も考えられます。
治りが遅い場合や、強い痛みやかゆみがある場合は我慢せずに医療機関を受診してください。
肌荒れを治すために紹介したスキンケア方法を参考にしながら、生活習慣や食生活にも気を付け、内側から肌をケアしていきましょう。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
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川﨑医師よりコメント
肌荒れと一言でいっても原因や肌の状態は様々です。きちんと原因を知り、それに合った基礎化粧品を使用するのが、肌荒れ改善の近道です。また悪化する前に医療機関へご相談されるのをおすすめします。