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コラム
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2024.08.05

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】乾燥肌の原因と対処法|保湿剤の種類や正しい塗り方、予防方法も紹介

皮膚の乾燥が気になり、少しでも改善したいと考えている方も多いのではないでしょうか。皮膚が乾燥すると、かゆみや痛み、つっぱり、ひび割れなどの不快な症状が出るため、できれば早く治したいですよね。

乾燥肌の改善・治療には、保湿剤を塗布する方法が一般的です。今回は、乾燥肌の原因と利用できる保湿剤の種類・特徴、保湿剤の正しい塗り方をまとめて解説します。

乾燥肌の予防のポイントも紹介するので、肌の乾燥が気になる方はぜひチェックしてください。

乾燥肌とはどんな症状?

乾燥肌とは、皮脂が作る皮脂膜やフィラグリン由来の天然保湿因子、セラミドなどの角質細胞間脂質の減少により、皮膚の最外層にある角層の水分が通常より減少し、バリア機能が損なわれている状態です。皮脂欠乏症や乾皮症、ドライスキンとも呼ばれます。

乾燥肌になると、肌がつっぱる感じやひび割れ、粉吹きなどの症状が出て、悪化すると痛みやかゆみにつながるため注意が必要です。

乾燥肌(バリア機能の低下)になる6つの原因

上述のとおり、乾燥肌とは皮脂膜やフィラグリン由来の天然保湿因子、角質細胞間脂質の減少により、肌のバリア機能が低下している状態をさします。

以下では、皮膚に必要な物質が減少し、バリア機能が低下する原因を詳しく説明します。

生活習慣の乱れ

ストレスや睡眠不足、運動不足、不規則な生活リズムなどの生活習慣の乱れは、皮脂分泌の減少やターンオーバーの乱れを引き起こし、肌乾燥の原因となります。

また、偏った食生活による栄養素の不足が皮脂や保湿成分の減少につながることもあるため、生活習慣の乱れに心当たりがある方は、改善を検討してみてください。

紫外線による肌へのダメージ

紫外線に繰り返し当たると、皮膚のターンオーバーが乱れ、乾燥やざらつきを感じやすくなります。肌へのダメージを軽減するには、日焼け止めや帽子などを活用し、日常的に紫外線対策を行いましょう。

エアコンの使いすぎ

夏場や冬場など、エアコンの効いた部屋で過ごす時間が長い時期は、乾いた空気により肌が乾燥しやすくなります。

稼働を止める必要はありませんが、エアコンの使用中は温度を上げすぎない・下げすぎないよう注意したり、湿度が低い場合は加湿を行ったりして、意識的に乾燥肌予防に取り組みましょう。

洗いすぎ・擦りすぎ

入浴時に皮膚を洗いすぎたり擦りすぎたりすると、必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌の乾燥につながります。ナイロンタオルなどで皮膚をゴシゴシと擦っている方は、たっぷりの泡で優しく洗うことを心がけましょう。

また、熱い湯での入浴や長時間の入浴でも肌が乾燥しやすいため、乾燥肌が気になる方は、ぬるめのお湯に短時間のみつかるよう意識してみてください。

アトピー性皮膚炎やそのほかの疾患

アトピー性皮膚炎の方は、天然保湿因子やセラミドなどの角質細胞間脂質の産出が低下しているため、皮膚が水分を保持する力が弱く、肌が乾燥しやすい傾向があります。

また、アトピー性皮膚炎以外の疾患で肌が乾燥しやすくなることもあるため、長期間乾燥肌が改善しないときや気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

加齢

年齢を重ねると、皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質が減少し、肌の乾燥を感じやすくなります。加齢による乾燥を軽減するには、日頃からこまめにスキンケアを行いましょう。

乾燥肌対策のメインは保湿剤を塗ること!代表的な保湿剤3選

乾燥肌を改善するための対策としては、保湿剤を塗るのが一般的です。保湿剤はクリニックで処方されるほか、市販薬としてドラッグストアなどで購入することもできます。

以下では、乾燥肌の治療・改善に用いられる代表的な保湿剤の種類と特徴を紹介します。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は、乾燥肌の治療薬としても使われる成分です。有効成分としてヘパリン類似物質を含むクリームやローションには、医薬品と医薬部外品があります。

医薬品の場合、保湿効果や血行促進、抗炎症効果があり、乾燥肌の改善に役立ちます。医薬部外品の場合、高い保湿効果が期待でき、肌が乾燥していなくても、美容や毎日のスキンケアに使用可能です。

なお、医薬品と医薬部外品のどちらも、使用上の注意をよく読んでから使用してください。

ワセリンなどの油脂性軟膏

油脂性の皮膜が肌の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ効果が期待できる保湿剤です。スーパーやドラッグストアなどで安価で入手できる上、肌への刺激も少なめなので、乾燥が気になりはじめた段階でも気軽に塗れます。

ただし、人によっては塗布時のベタつきが気になる場合があるため注意しましょう。

尿素クリーム・ローション

尿素を含むクリームやローションには、保湿効果や角質を柔らかくする作用が期待できます。塗布時のベタつきも少ないため、ベタベタした感触が苦手な方でも使いやすいでしょう。

ただし、塗った際に刺激を感じることがあるので、皮膚炎を起こしている部位への塗布は避けてください。

保湿剤の正しい塗り方

保湿剤は、医師や商品の説明書の指示に従って、1日に1回から数回程度肌に塗布します。とくに入浴後や手足を洗った後などの肌が乾燥しやすいタイミングでは、10分以内をめどにすばやく保湿剤でケアしましょう。

保湿剤を塗るときは、手を洗って清潔な状態にした後、皮膚がテカる程度を目安として乾燥が気になる部位にまんべんなく伸ばします。強く擦り込むと肌に刺激を与えてしまうため、皮膚の表面に乗せるように優しく塗るのがコツです。

乾燥肌を予防するためのポイント4つ

最後に、乾燥肌を予防するために意識すべきポイントを4つ紹介します。すでに乾燥肌が気になっている方も、悪化を防ぐために以下のポイントを意識してみてください。

バランスの良い食事を摂る

偏った食生活により栄養素が不足すると、肌の乾燥につながります。乾燥肌を予防するには、食事内容を工夫して栄養素をバランス良く摂取しましょう。

乾燥肌予防に役立つ栄養素と効果、各栄養素が多く含まれる食材の例を、下表にまとめました。

栄養素 効果多く含まれる食材
タンパク質・天然保湿因子の生成
・肌のターンオーバーの正常化
乳製品・肉類・魚類・卵・大豆製品など
ビタミンA・肌のターンオーバーの促進
・天然保湿因子・皮脂膜の生成
緑黄色野菜・卵・レバーなど
ビタミンB群・肌のターンオーバーの正常化
・肌荒れ予防
ビタミンB2:牛乳・豚肉・納豆・レバーなど ビタミンB6:魚類・卵・大豆製品・レバーなど
ビタミンE・新陳代謝の促進
・抗酸化作用
・バリア機能の向上
ナッツ類・ごま・大豆・アボカドなど
ビタミンC・肌のターンオーバーの正常化
・コラーゲン生成の促進
果物類・野菜など
オメガ3系脂肪酸・美肌効果
・保湿成分セラミドの材料となる
青魚・エゴマオイル・アマニオイルなど

また、刺激物やアルコールなど、肌のかゆみを引き起こしやすい食材の摂取を控えることも大切です。

紫外線対策をする

晴れた日だけでなく、雨や曇りの日でも、紫外線対策を行いましょう。日焼け止めは2〜3時間おきに塗りなおし、帽子や日傘、サングラス、長袖の服なども取り入れながら、紫外線に当たりすぎないよう工夫してください。

白い服は紫外線をとおしやすいため、紫外線の強い日に外出する際は、黒っぽい服を選ぶのもおすすめです。

加湿器で湿度を上げる

空気が乾燥する時期やエアコンを長時間使用するときは、加湿器で乾燥対策をしてください。湿度は、55~65%程度に保つと良いといわれています。加湿器がない場合は、室内に洗濯物や濡れタオルを干すだけでも湿度を上げることが可能です。

入浴中・入浴後の習慣を見直す

体をゴシゴシと擦る、長時間お湯につかる、熱湯につかるといった習慣のある方は、入浴習慣を見直しましょう。ぬるめのお湯にさっとつかるよう意識すると、肌の乾燥を防ぎやすくなります。

また、汗は肌のかゆみの原因になるため、汗をかいたら早めに洗い流すことが大切です。入浴を終えたら、すばやく保湿剤でスキンケアを行いましょう。

乾燥肌の原因と対処法を把握して改善を目指そう

乾燥肌とは、正常時よりも皮脂や角層の水分が減少し、皮膚のバリア機能が損なわれている状態です。バリア機能の低下は、生活習慣の乱れや紫外線によるダメージなど、日常のさまざまな要因によって引き起こされます。

乾燥肌が気になるときは、皮膚に保湿剤を塗って対策しましょう。保湿剤には複数の種類があり、クリニックで処方されるほか、市販薬として購入できるものもあります。また、日頃の生活を見直し、肌が乾燥しにくい習慣を整えることも大切です。

泉医師からのコメント

肌が乾燥により敏感になると、通常は刺激にならないようなことでもチクチク、ピリピリなどの不快な症状を感じることがあります。接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れていることもあるので、不快な症状が続く場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

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監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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