コラム
COLUMN
季節に関わらず乾燥肌にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。加齢に伴い肌は乾燥しがちになるといわれています。
そこで今回は高齢者が乾燥肌になりやすい原因と、その対処法や普段の生活で意識したいポイントを紹介します。加齢に伴う乾燥肌に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
高齢者が乾燥肌になる原因
ここからは、なぜ高齢者が乾燥肌を引き起こすのか、考えられる原因を紹介します。
肌の保湿要素が減少
加齢に伴い、肌の保湿要素の分泌が減少傾向になるといわれています。例えば、自然保湿因子、皮脂、角質細胞間脂質などが保湿要素としてあげられています。
これらの分泌が減少した結果、皮脂膜が薄くなり、角質に保持できる水分が減少することで肌のうるおいを保てなくなってしまいます。
体内の水分不足
体内が水分不足になると、肌も乾燥しやすくなります。
高齢になるにつれて、のどや口の中の渇きを感じにくくなる方も多く、意識的に水分の摂取をしていないと水分不足になりやすい傾向があります。
なかにはトイレが近くなるのが気になって、水分を控えてしまう方もいらっしゃいますが、高齢者は脱水を引き起こしやすいため、健康のためにも意識的な水分補給が大切です。
肌が乾燥しやすい室内環境
高齢になると体温調節を行う生理機能が低下していく傾向があります。
例えば、夏場に暑さを感じにくくなった場合、空調の調節などをせず、気づかないうちに室温が高くなっていることがあります。
反対に、冬場は暖房を付けることで室内が乾燥する傾向がありますが、適度に温度調節ができずに、室温が高い状態が続くと室内がさらに乾燥し、肌も乾燥しやすくなります。
高齢者の乾燥肌を改善するスキンケア
ここからは、乾燥肌の予防や改善に期待ができるスキンケア方法を紹介していきます。
洗う際はぬるめの温度を意識する
熱すぎるお湯で洗髪や入浴をすると、肌の水分を保持するために必要な皮脂も洗い流されてしまうため、なるべくぬるま湯で髪や肌を洗いましょう。
肌は摩擦などの刺激でダメージを受けて水分を保持しにくくなることもあるため、肌をゴシゴシとこすって洗うのは控えましょう。
石けんやボディソープをしっかりと泡立てて、ふんわりとした泡で優しく体や顔を洗うよう、心がけてください。
保湿アイテムで肌にうるおいを与える
肌を清潔にした後は、しっかりと保湿ケアを行うことが大切です。
自身の肌に適した保湿ケアアイテムを使用し、入浴後30分以内に保湿すると入浴時に肌に含まれた水分を保持して保湿ケアができます。
適切な順序は、化粧水で水分を補給して、その上から油分を含む乳液やクリームをつけて水分の蒸発を防ぎましょう。
高齢者の保湿ケアアイテムの選び方
加齢に伴う乾燥肌が気になる場合、化粧水や乳液、クリームなど、自身に適したアイテムを使って保湿を行いましょう。
保湿ケアアイテムにはいろいろな種類があるので、季節や肌の状態にあわせて肌に適したアイテムを選んでみてください。
例えば、冬場は乾燥が強くなりがちなので、化粧水と油分が多く含まれるクリームを使い、夏場はべたつきが気になるようであれば、化粧水と乳液の組み合わせにすると比較的さっぱりと保湿ケアができます。
とくに乾燥が気になる高齢者の方におすすめの成分は、ヘパリン類似物質です。ヘパリン類似物質は、血行促進や抗炎症効果があり、乾燥肌の改善が期待できます。病院での処方薬だけでなく、ドラッグストアなどで売られている市販薬もあります。
通常のスキンケアアイテムのみで乾燥肌の改善が難しいと感じる方は、医薬品のほか、ヘパリン類似物質が含まれているローションやクリームを使ってみると良いでしょう。
ただし、あまりにも乾燥肌がひどい場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。
高齢者の乾燥肌を予防する方法
乾燥肌を未然に防ぐために、日常で意識したい高齢者の乾燥肌対策をご紹介します。乾燥肌の要因を1つでも減らすために以下の要点をチェックしてみましょう。
こまめに水分補給を行う
体内の水分が不足すると肌も乾燥しがちになります。水分不足による肌の乾燥を防ぐために、意識的に水分補給を行いましょう。
のどの渇きを感じにくくなっている自覚がある場合は、水分を摂る時間を決めるなど、とくに意識的な水分補給が大切です。
トイレの回数を気にして水分補給を控えている方もいらっしゃるかもしれませんが、脱水症状がひどくなると命にかかわることもあるため、健康のためにも水分を摂取することをおすすめします。
室温と湿度を適切に保つ
乾燥肌を予防するためには、室温や湿度の管理も必要です。高齢者は体温調節が難しい傾向にあるため、より一層室温の管理は大切です。
気付かないうちに部屋の中が暑すぎる状態になっている場合もあるので、温度計を使って室温調節をするなど、工夫するようにしましょう。
適切な室温と湿度の目安は17℃~28℃といわれています。
例えば、夏場に冷房をつけて室内温度を外気より低くする場合は、なるべく温度差を少なく、外気との温度差は7℃以内とし、室温は25~28℃程度にするのが望ましいです。
湿度の目安は、40~60%といわれており、乾燥しやすい冬場は40%以上、湿気が多い夏場は60%以下となるように調節しましょう。
肌に触れる素材を工夫する
衣類や寝具、タオルなど、肌に触れるアイテム選びも大切です。
摩擦も乾燥肌の要因となるので、摩擦による肌への負担を減らすためにも生地は綿などの滑らかな肌触りの素材を選びましょう。
ウールやナイロンなど肌に刺激を与える素材の着用は控えるようにしましょう。
栄養バランスを意識した食事を摂る
栄養の偏りも乾燥肌の要因の1つです。
高齢になると食が細くなりがちですが、まずは食事を抜いたりせずに、できるだけきちんと食事を摂ることから意識しましょう。
食事ではとくに、乾燥肌の予防に期待ができる栄養素を摂り入れましょう。乾燥肌の予防に期待ができる栄養素は、ビタミン類、亜鉛、セラミド、必須脂肪酸などです。
普段から適切な対策をして加齢に伴う乾燥肌を防ごう
高齢になるとさまざまな要因で乾燥肌を引き起こしやすくなります。
肌が乾燥するとカサつくだけでなく、かゆみや赤みなど不快感を伴うこともあるため、毎日を快適に過ごすためにも乾燥肌を予防することが重要です。
スキンケアや生活環境を整えて、乾燥肌を防ぎましょう。
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