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コラム
COLUMN

2024.05.27

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】乾燥肌を治すなら体質改善から!日常生活でできることを紹介

乾燥肌を改善したい場合は、適切なスキンケアを心がけるだけでなく、体質改善を意識することが大切です。

乾燥肌は体質により引き起こされるケースも多く、改善するには肌の外側からのケアだけでは不十分と考えられます。

体質改善を目指すなら、生活習慣を見直すことが必要です。今回は、乾燥肌対策に役立つ体質改善のために心がけたい生活習慣や、摂取したい栄養素などを中心に紹介していきます。

乾燥肌と体質の関係

乾燥肌は、肌内部のセラミドや皮脂などの保湿成分が減り、水分がうまく保てなくなった状態の肌のことです。

乾燥肌になると肌のバリア機能が低下し、軽い刺激でも敏感になってしまいます。赤みやかゆみ、かさつきなど、肌トラブルの原因にもなるため、改善されないままの状態が続くと肌荒れにつながります。

乾燥肌は、単に肌の表面だけの問題ではなく、体質とも深く結びついています。まずは、乾燥肌を引き起こす原因や、乾燥肌につながる体質を説明します。体質を改善するために意識したいポイントもあわせて見ていきましょう。

乾燥肌の原因

乾燥肌になる原因には、主に以下のようなものがあります。

  • 空気の乾燥
  • 間違ったスキンケア
  • 肌のターンオーバーの乱れ
  • 紫外線ダメージ

室内外の空気が乾燥すると、肌から水分が奪われてしまいます。とくに外気が乾燥しやすい冬に悪化しやすいですが、暖房や冷房の使用でも空気は乾燥するため注意が必要です。

洗顔時や入浴時に、洗浄力の強い石鹸や熱いお湯を使用する、タオルで擦る、スクラブやマッサージをしすぎるといった行為を続けると、皮脂が過剰に落ちて肌も傷ついてしまいます。

肌のターンオーバーは、肌の細胞が新しく生まれ変わるサイクルのことです。加齢やさまざまな原因によりサイクルが乱れると、肌のバリア機能が低下し乾燥が進みやすくなります。

紫外線は、日焼けやシミの原因となるだけでなく、角質にダメージを与え肌の深層部のバリア機能を低下させます。その結果、肌の水分が蒸発しやすくなってしまい乾燥肌を招きます。

乾燥肌になりやすい体質とは

紹介した原因に加えて、もともとの体質が影響するケースも多いです。とくに、以下のような体質の方は乾燥肌になりやすいと考えられます。

  • 便秘気味
  • 冷え性
  • 血流が悪い

また、過度なストレスも、肌に必要な栄養素であるビタミンの消耗を早める原因となります。ストレスを溜め込んでしまう方は注意が必要です。

乾燥肌の体質改善のポイント

日頃から乾燥肌になりやすい方は、体質が原因かもしれません。乾燥肌を根本から治すには、体質改善を行う必要があります。

体質改善を目指すには、まず何が原因で乾燥肌になっているか考えてみることが大切です。

便秘、冷え性、血流が悪いといった体質は、いずれも生活習慣と直結しています。そのため、生活習慣を見直すことが体質改善に役立ちます。

乾燥肌対策のための体質改善につながる生活習慣

乾燥肌を改善するには、生活習慣を見直して体質改善を目指すと良いとお伝えしました。毎日の生活習慣で継続して取り入れたいことを、具体的に紹介していきます。

十分な水分の摂取

常温の水を適量飲むと、血流が良くなり代謝も高まります。血流が悪い方は、とくに意識して摂取するようにしましょう。

また、水を飲んで体の内側から水分補給することで、肌にも水分が行き渡りやすくなります。水分摂取は細胞内の老廃物などを排出するのにも役立ち、ターンオーバー改善につながります。

1日あたりの水分摂取量は、2リットルを目安にすると良いとされています。適量は体格や活動量などにより異なるため、調整しながらこまめに摂りましょう。

適度な運動

運動不足になると筋肉量が低下してしまいます。血流も悪くなり、栄養素が運ばれにくくなります。さらに、代謝が悪くなり老廃物も溜まりやすくなるため注意が必要です。

筋肉量を維持し、栄養素を体に行き渡らせるために、日頃から適度な運動を取り入れましょう。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を習慣的に続けることが望ましいです。

適度な運動は、代謝を高めるだけでなくストレス解消や便秘解消にも役立ちます。汗をかくことで老廃物が排出されやすくなるというメリットもあります。

適温の入浴

入浴は、38~39℃ほどのぬるま湯に、20分程度浸かるのが良いとされています。シャワーのみで済ませるより、浴槽に浸かることで血流が良くなり、冷え性改善に役立ちます。

熱すぎるお風呂や長湯は、肌表面を覆う細胞が溶け出し保湿成分が失われる原因となるため避けましょう。

なお、夜の入浴は、就寝1時間前に済ませておくことが望ましいです。早めの入浴で、就寝時に体温が下がるようにすると、入眠しやすくなります。

睡眠の充実

睡眠不足が続くと、肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンの分泌が乱れてしまいます。睡眠を十分に確保できるようにしましょう。

とくに、入眠から3時間深く眠れると、成長ホルモンが分泌されやすいといわれています。睡眠を充実させるには、入眠環境を整えることが大切です。

入眠しやすいよう入浴の時間帯を工夫するほか、食事やメディアの利用にも注意しましょう。就寝前の食事を控え、就寝時に血糖を下げておくと入眠しやすくなります。

また、就寝前に脳を覚醒させないためにも、スマホやテレビの使用を避けましょう。

栄養バランスの整った食事習慣

適度な糖質や脂質も含め、肌に必要な栄養をバランス良く摂ることが望ましいです。

毎日3食献立を整えるのが難しい場合は、鍋料理や具だくさんのスープでも栄養を摂れます。体が温まり、水分摂取もできるなどのメリットもあります。栄養バランスを整えるためには、肉や魚、野菜などさまざまな食材を使うと良いでしょう。

また、朝食を摂る習慣をつけると、代謝が高まりやすくなります。朝食には排便を促す役割もあるため、便秘改善効果も期待できます。

菓子パンや清涼飲料などの糖分を多く含む食品や、カフェイン、冷たいものなどの日常的な摂取は、体が冷え代謝が悪くなりやすいため注意が必要です。量や頻度に気をつけて、たしなむ程度にしましょう。

乾燥肌改善に役立つ栄養素に関しては、後ほど詳しく紹介します。

乾燥肌対策のための体質改善に役立つ栄養素

代謝や肌の水分量を高め、健やかな肌を守るには、タンパク質やビタミン類、亜鉛、食物繊維などさまざまな栄養素が役立ちます。

亜鉛は細胞分裂に必要で、牡蠣や赤身の牛肉などに含まれるミネラルです。魚油、えごま油、アマニ油などに含まれるα-リノレン酸は、肌のうるおいを守る成分であるセラミドの材料となる脂肪酸です。亜鉛と一緒に摂ると良いでしょう。

食物繊維は便通を整えるのに役立つため、便秘の改善につながる栄養素です。野菜や海藻、大豆などに含まれます。

肌の健康維持に直結するタンパク質やビタミン類を中心に、さらに詳しく見ていきましょう。

ビタミン類

ビタミンには多様な種類があります。代謝や血行を促し体質改善に役立つものや、肌をダメージから守るものなど、種類によって作用も異なります。乾燥肌を改善するには、さまざまな種類のビタミンを摂ることが望ましいです。

肌の健康維持のために、とくに摂りたいビタミン類を紹介します。

ビタミンA

ビタミンAには、肌や粘膜のうるおいを保ち、肌のターンオーバーを活発にする働きがあります。皮脂膜や天然保湿因子の生成を促し、皮膚や粘膜のうるおいをキープするのに役立つ栄養素です。

ビタミンAは、レバーやうなぎなどの動物性食品に多いレチノールと、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンに分けられます。β-カロテンは、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。

ビタミンB群

ビタミンB群には、新陳代謝を活発にする働きがあるため、肌のターンオーバーの正常化にも役立ちます。水溶性で茹でると溶け出すため、茹で汁ごと食べられる料理にすると良いでしょう。

とくに、B2とB6の摂取が肌の健康維持に望ましいです。

ビタミンB2は、レバーや豚肉、納豆などに多く含まれます。糖質や脂質の代謝を促す作用があり、細胞の再生に役立ちます。ビタミンB6はレバーや魚類、卵などに多く含まれ、ホルモンバランスを整える働きがあります。タンパク質の代謝にも必要な栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成に関与する栄養素で、肌のターンオーバーを促す働きや肌をダメージから守る作用もあります。

イチゴやキウイなどの果物や野菜に多く含まれます。加熱に弱く水溶性のため、生食や茹で汁ごとの摂取が望ましいです。

ビタミンE

ビタミンEには血行促進作用があります。血行が良くなることで体の代謝も高まり、肌のターンオーバーも正常化されやすくなります。肌のバリア機能の強化にも役立つ栄養素です。

ビタミンEは、ナッツやごま、かぼちゃ、アボカド、サーモンなどに多く含まれます。ビタミンAやCと一緒に摂ると、相乗効果が期待できます。

タンパク質

タンパク質は、天然保湿因子であるコラーゲンの元となる栄養素です。また、代謝の維持に必要な筋肉の材料でもあります。体の代謝のほか、肌のターンオーバーの正常化にも欠かせません。

タンパク質が不足すると筋肉量が低下し、肌のうるおいも失われるため、十分な摂取が必要です。肉類、魚類、卵、乳製品といった動物性食品のほか、納豆などの大豆製品にも含まれます。さまざまな食品から、バランスよく摂取しましょう。

乾燥肌の方がスキンケアで気をつけたいこと

体質改善を目指すとともに、日頃から適切なスキンケアを行うことも乾燥肌改善には大切です。

肌に刺激を与えると乾燥が進んでしまうため、優しくケアするよう心がけましょう。肌を擦らない、洗いすぎない、熱いお湯を使わないなど、不適切なケアを避けることも効果的です。

洗顔後や入浴後は、保湿を速やかに行いましょう。その際、乾燥肌の方は保湿力が高いとされる、セラミドやヘパリン類似物質を含むスキンケアアイテムの使用がおすすめです。

生活習慣から体質改善を目指し、乾燥肌を根本から改善しよう

乾燥肌を改善するには、スキンケアだけでなく根本の体質改善から行うことが大切です。

体質改善を目指すには、適度な運動や睡眠の充実、水分補給や栄養バランスの良い食事などを、日頃から心がけると良いでしょう。生活習慣の改善により、便秘気味や冷え性など、乾燥肌になりやすい体質も変わっていきます。

便秘や冷えが改善され代謝が促されると、乾燥肌対策に役立つだけでなく健康維持にもつながります。さらに、生活習慣が整うとストレスも溜まりにくくなります。

心身ともに快適な状態が続けば、自然と良質な生活習慣を維持しやすくなるという理想的なサイクルも期待できるでしょう。

泉医師からのコメント

乾燥肌の原因には加齢や生活習慣のほかに、体質も関係します。自身の体質に合った対処法を見つけていくことが改善への第一歩なります。ご自身で改善方法がみつからない場合には、専門医へ相談してみるのもいいかもしれません。

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監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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