コラム
COLUMN
具合が悪くないのに不健康に見える、肌が暗く見えるなど、顔色に違和感があるのはくすみのせいかもしれません。くすみはよくある肌悩みの1つですが、毎日の生活の中でできる改善・予防方法があることを知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、肌のくすみを改善・予防するためにご自宅でできる方法を紹介します。くすみにはさまざまな種類があり、それぞれの原因を知ることもくすみ対策には欠かせません。
ご自身が該当するくすみの原因を取り除くとともに、適切なケアを行い健やかな肌を目指しましょう。
そもそも肌のくすみとは?
くすみとは、肌の透明感や明るさが失われ、暗く見える状態のことです。顔色が悪く見えるため、不健康で元気のない印象を与えてしまいます。
くすみにはさまざまな種類があり、それぞれ原因が異なります。改善するためには、ご自身が該当するくすみの種類と原因を知り、適切な対処を行うことが大切です。
肌のくすみの種類と原因
くすみの分類の仕方に関してはさまざまな考え方がありますが、今回はくすみを引き起こす要因となるものに着目し、4種類に分けて説明します。
「メラニン」「血行不良」「乾燥」「糖化やカルボニル化」の4種類のくすみについて、それぞれの特徴や原因を中心に詳しく見ていきましょう。
メラニンによるくすみ
メラニン色素は、主に紫外線の刺激から肌を守るために作られるものです。褐色の色素のため、肌が茶黒くくすんで見えてしまいます。
紫外線を浴び続けるだけでなく、摩擦による刺激がメラニンくすみの原因となることもあります。
さらに、肌のターンオーバーがうまくできていない場合もメラニンが蓄積していきます。やがてくすみがシミになることもあるため、悪化しないうちに適切なケアを行いましょう。
血行不良によるくすみ
体の血流が悪いと肌の血色感がなくなり、青黒くくすんで見えます。血行不良は冷え性や運動不足、睡眠不足の方などに多いです。
慢性的なケースだけでなく、疲れやストレスにより一時的に血行不良になり、肌がくすんでしまうこともあります。
乾燥によるくすみ
乾燥により肌の水分量が低下すると透明感が失われ、灰色がかった色にくすんで見えることがあります。
くすみと同時に、キメの乱れやハリの低下、小じわなどが出ることも少なくありません。乾燥は、くすみに限らずさまざまな肌トラブルを引き起こす要因のひとつです。
空気の乾燥や紫外線のほか、不適切なスキンケアも乾燥肌の原因となります。日頃から肌が乾燥しやすい環境にならないよう、注意が必要です。
糖化やカルボニル化による黄ぐすみ
体内でタンパク質が糖や脂質と結びつき、肌の奥にある真皮層が変色することで「黄ぐすみ」としてあらわれるケースもあります。
体内の糖質や脂質が過剰になると、糖化(糖とタンパク質が結びつくこと)やカルボニル化(タンパク質が過酸化物質などによって変性すること)が起こります。糖化は糖質の摂り過ぎ、カルボニル化は脂質の摂り過ぎが主な原因です。
カルボニル化により起こる黄ぐすみは、黄色がより濃いのが特徴です。一方、糖化はたるみやしわの原因にもなります。
また、運動不足や加齢などにより代謝が低いことも、黄ぐすみの要因と考えられます。糖質や脂質が体内で順調に代謝されれば、糖化もカルボニル化も起こりにくいためです。
黄ぐすみがある場合は、何らかの疾病の可能性もあります。治療が必要な「黄疸」も疑われるため、肌全体が黄色いと感じたら医療機関を受診しましょう。
肌のくすみを改善・予防するスキンケア
肌のくすみは、前述したように間違ったスキンケアが原因となるケースもあります。毎日のスキンケアを肌に合った適切な方法で行うことが、くすみの改善や予防には大切です。
そこで、健やかな肌の基本となる、適切なスキンケアの手順(洗顔・保湿・保護)を紹介します。くすみの改善や予防に限らず、肌の健康を守るためにチェックしましょう。
【洗顔】泡で優しく洗う
洗顔では、肌に刺激を与えないよう優しく洗うことが大切です。とくに、摩擦による刺激はくすみの原因になるため、洗い過ぎやこすり過ぎは避けましょう。
なるべく肌に刺激を与えないためには、ぬるま湯で洗うことや洗浄力の強すぎない製品を選ぶことも大切です。適切な洗顔の手順は以下のとおりです。
【洗顔の手順】
- クレンジングでメイクを浮かせ、指の腹で優しく洗う
- 洗顔料をしっかりと泡立ててから、泡を肌にのせるように優しく洗う
- ぬるま湯でしっかり洗い流す
- タオルでこすらず水分を拭き取る
【保湿】肌の保湿に優れた成分を補う
肌が乾燥するとくすみの原因となるため、洗顔後は速やかに保湿する必要があります。保湿により肌のバリア機能を維持することも、くすみ対策に役立つでしょう。
保湿性に優れた成分を含む化粧水は顔全体に、美容液は気になる部分に優しくなじませるのが保湿のコツです。
美容液の使用は必須ではないため、必要に応じて選ぶと良いでしょう。なお、化粧水や美容液をつける順番は商品によって異なるため、事前に確認してから使用してください。
保湿性に優れた成分の代表例は、「ヘパリン類似物質」や「セラミド」などです。
ヘパリン類似物質が含まれたローションやクリームには、医薬品や医薬部外品があります。
医薬品は主に乾燥肌の改善のために使用されるもので、保湿に加えて血行促進や抗炎症効果があります。医薬部外品は、毎日のスキンケアに使えるタイプで、高い保湿効果が期待できます。いずれも、使用上の注意をよく読んでから使いましょう。
化粧水などに含まれるセラミドには、動物由来の天然セラミド、植物由来の植物性セラミド、酵母などからできるヒト型セラミド、化学物質を合成した疑似セラミドがあります。
とくに天然セラミドとヒト型セラミドは、ヒトの肌に含まれるセラミドと構造が似ているため、高い保湿効果が期待できます。
なお、化粧水をつける手順は、以下を参考にしてください。
【化粧水をつける手順】
- 適量を手に取り、おでこ、頬、鼻、あごを中心に顔全体に優しく伸ばす
- 顔の内側から外側に向かって、手の平で優しく肌を包み込みながらなじませる
【保護】日中の紫外線対策
保湿を行ったら、同様の手順で乳液やクリームで蓋をしましょう。保湿成分を閉じ込めるように肌を保護することで、さらに乾燥を防げます。
加えて、日中は日焼け止めを塗り紫外線対策をすることも、くすみの改善や予防のために重要です。メラニンや乾燥によるくすみは紫外線が原因となることが多いため、日頃から十分に予防しておきましょう。
肌のくすみ改善にはインナーケアも大切
インナーケアとは、体の内側からケアする美容法のことです。くすみの改善や予防には、肌の表面から行うケアだけでなく、インナーケアの継続が必要です。
スキンケアに加えて、食事や水分補給、運動、睡眠などによるケアで、日常的にくすみ対策をすると良いでしょう。くすみの改善や予防に役立つインナーケアについて、詳しく紹介します。
栄養バランスの良い食事
ビタミンA、C、Eは抗酸化ビタミンといわれ、肌をダメージから守る効果が期待できる栄養素です。また、肌のハリを取り戻すためには、コラーゲンの元となるタンパク質を十分に摂取すると良いでしょう。
ビタミン類を多く含む野菜や果物、タンパク質を含む魚や肉、卵、大豆製品などの食材を取り入れた栄養バランスの良い食事を摂ることが、くすみ予防につながります。
炭水化物や脂質に偏った食事はバランスを見直し、摂取量にも気をつけましょう。
こまめな水分補給
肌の内側まで水分を補うには、表面からの保湿だけでなく水を飲むことが大切です。水分補給を行うことで、肌のターンオーバーが改善されるため、くすみ対策にも役立ちます。
必要な水分量は人によって異なりますが、1日あたり2リットルを目安に飲むと良いでしょう。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつを分けて飲むこまめな摂取が望ましいです。
適度な運動
肌のくすみの原因でもある血行不良や代謝の低下を改善するには、継続的な運動が役立ちます。
また、食後1時間以内に有酸素運動を行うと、血糖値の上昇を抑えられます。具体的には、20分以上のウォーキングやジョギングのほか、ストレッチなどを取り入れると良いでしょう。
睡眠時間の確保
睡眠不足の状態では血流が悪くなり、肌のターンオーバーも乱れやすくなってしまいます。くすみの原因にもなるため睡眠不足は避け、十分な睡眠を心がけましょう。
肌の代謝を促す成長ホルモンは、就寝して1~2時間後に分泌されやすいといわれています。入眠環境を整え、最短でも6時間は睡眠時間を確保することが望ましいです。
肌のくすみには適切なスキンケアとインナーケアを
肌のくすみを改善するためには、まずご自身が該当するくすみの種類や原因を知ることが大切です。原因を知った上で適切な対処をしましょう。
刺激を与えるなどの間違ったスキンケアもくすみにつながります。適切なスキンケア方法を確認して、毎日続けていきましょう。
とくに、保湿はくすみ対策に加えて健康な肌の維持に役立ちます。ヘパリン類似物質などの保湿性に優れた成分を取り入れたケアがおすすめです。
ほかにも、食事や水分補給、運動、睡眠などのインナーケアを同時に行うことも重要です。肌の表面からも内側からもできることを継続し、くすみ対策に役立てましょう。
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