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コラム
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2023.10.19

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】乾燥肌だと静電気が起きやすい?予防するための3つの方法を紹介

肌が乾燥しやすく、「乾燥する季節は静電気が起きやすい」と悩んでいる方は多いでしょう。とくに冬は静電気が発生しやすく、ドアノブや自動車のドアハンドルに触る際にストレスを感じるのではないでしょうか。

しかし、乾燥肌と静電気は、関係があるのでしょうか?今回は、静電気が起きるメカニズム、乾燥肌と静電気の関係、静電気を予防する方法を解説します。

静電気に悩んでいる方、乾燥肌に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

静電気が起きるメカニズム

静電気とは、物質に溜まった流れない電気のことです。静電気を帯びていない物質の状態は、プラスとマイナスの電気が均等になっており「電気的に中性」な状態です。

電気的に中性であっても、別の物質との接触がきっかけとなりマイナス電気が移動すると、物質のなかのプラスとマイナスのどちらかが過剰になります。これが、静電気が溜まっている状態です。

マイナスに帯電したものはプラスに帯電したもの、プラスに帯電したものはマイナスに帯電したものと近づくと、バランスを取り戻すために放電します。人が帯電した場合には、放電の際に痛みを感じます。これが静電気が起きるメカニズムです。

乾燥肌だと静電気が起きやすい?

普段体に溜まった電気は、生活のなかで自然に放電され、電気的に中性な状態を保っています。

水は電気を通しやすく、湿度が高い環境では空気中の水分を通して放電が進みます。また、水分が保持された肌は、肌の水分を通して放電されやすい状態です。

しかし、冬は空気が乾燥するため、体に溜まった電気が放電されにくくなります。冬に静電気が発生しやすいのはこのためです。

肌が乾燥すると、皮膚の水分量が少ないのでさらに放電されにくくなり、静電気が溜まりやすくなります。

静電気を予防する3つの方法

上述したとおり、乾燥肌の方は静電気が起こりやすい傾向にあります。乾燥肌で静電気が気になる方は、静電気を予防する方法も知っておくと良いでしょう。

静電気を予防する3つの方法は以下になります。

  1. 部屋を乾燥させない
  2. 保湿して乾燥肌を防ぐ
  3. 天然繊維を身につける

それぞれの予防法を詳しく解説します。

1.部屋を乾燥させな

部屋に適度な湿度があると、溜まった静電気が自然に放電しやすくなるので、静電気が発生しづらくなります。

部屋の湿度は、50%以上に保つのがおすすめです。次のような方法で、乾燥した部屋を加湿しましょう。

  • 加湿器を使用する
  • 洗濯物を室内干しにする
  • 水の入ったコップを置く

ちょっとした工夫で、部屋の加湿は可能です。観葉植物を置くことも部屋の加湿に効果があるといわれています。部屋の湿度計を置いて、部屋が乾燥しないよう気を配りましょう。

2.保湿して乾燥肌を防ぐ

乾燥肌は放電しづらく、静電気発生の原因になります。乾燥が気になる方は、保湿を重視したスキンケアをしましょう。

また、部屋の湿度は静電気発生防止だけでなく、肌の保湿にも大きく関係しています。

非敏感肌の方は、湿度が30・40・50%にくらべて、60・70%以上になると肌の状態の良好度が増したという実験結果があります。このとき、敏感肌の方は、70%で肌の良好度が増しました。

同じ実験で、肌の乾燥感は60%以上になると緩和されることがわかり、実際の住宅環境を考慮すると、湿度を50~60%に保つのが乾燥肌対策に適しているという結果となりました。

食生活や生活習慣も乾燥肌に深く関係するため、乱れている場合には見直すことが必要です。

3.天然繊維を身につける

天然繊維は吸水性が高いものが多く、放電されやすいため静電気を発生させにくいです。一方で、合成繊維は吸水性が少ないものが多く、静電気を発生させやすい傾向があります。

最近では静電気防止処理をした合成繊維もあるので、購入時に意識して選ぶのも良いでしょう。

また、汗を吸い取って熱を発するタイプの繊維は、皮膚を乾燥させてしまい静電気発生の原因となります。乾燥しやすい肌の方は、天然繊維で作られた繊維を身に着けるのがおすすめです。

静電気の原因となる乾燥肌の改善方法

以下では、静電気の原因となる乾燥肌の改善方法を紹介します。乾燥肌を改善すれば静電気も起こりにくくなる可能性があるため、できることから始めてみましょう。

食生活を改善する

健康な肌をつくるには、肌に必要な栄養素を摂ることが大切です。乾燥肌の改善をサポートする栄養素と、多く含まれている食材を紹介するので食事のメニューを考える際の参考にしてください。

栄養素多く含まれる食材
タンパク質肉類・魚釣・卵・大豆製品・乳製品
オメガ3系脂肪酸アマニ油・エゴマ油・青魚
ビタミンAレバー・うなぎ・卵・緑黄色野菜
ビタミンB群レバー・うなぎ・納豆・牛乳・卵・大豆製品
ビタミンEごま・ナッツ類・大豆・アボカド・筋子・あんこうの肝
ビタミンCフルーツ・野菜

なお、ファーストフードやインスタント食品は、炭水化物や悪玉コレステロールを増やすといわれるトランス脂肪酸が多く含まれています。これらを代謝するためには、肌の健康に欠かせないビタミンB群を消費するので、注意が必要です。

また、甘いお菓子の摂りすぎは糖化の原因となり、皮膚内のコラーゲンにダメージを与えます。食べ過ぎないようにしましょう。

生活習慣を見直す

肌の乾燥を防ぐには、生活習慣の見直しも必要です。以下の生活習慣が乱れている場合には、意識して改善しましょう。

生活習慣改善によって期待できること
適度な運動を行う運動によるエネルギー産生や血行促進による発汗作用もあり、肌自体の水分・油分バランスの調整や新陳代謝効果も期待できる
睡眠をしっかりとる睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げる、睡眠をしっかりとると成長ホルモンが増加する

生活習慣を見直したからといって、すぐに乾燥肌が改善するわけではありません。しかし、継続的に続ければ良い結果が期待できるでしょう。

保湿重視のスキンケアを行う

お風呂上りの体が湿っているときに速やかにスキンケアをすれば、肌の水分が蒸発しないうちに保湿ができます。まずは化粧水で水分を補い、保湿剤で水分の蒸発を防ぎましょう。

乾燥肌のケアには、ヘパリン類似物質が含まれたローションやクリームを使うと良いです。

有効成分としてヘパリン類似物質が含まれたローションやクリームには、医薬品や医薬部外品があります。医薬品では保湿のほか、血行促進や抗炎症効果があり、乾燥肌の改善に有効に働きます。医薬部外品については、高い保湿効果が期待でき、肌が乾燥していなくても、美容や毎日のスキンケアに使うことができます。

なお、いずれも使用上の注意をよく読んで使うようにしましょう。

静電気予防のためにも乾燥肌の対策をしよう

肌が乾燥すると静電気が起こりやすくなる原因となります。静電気の予防方法には、部屋を乾燥させないこと、肌の乾燥を防ぐことが大切です。静電気を発生させにくい天然素材を身に着けるのもおすすめです。

乾燥肌を改善するには、食生活や生活習慣、適切なスキンケアを心がけましょう。

泉医師からのコメント

水分がしっかり蓄えられた健康な肌の場合、静電気は肌の水分を通して少しずつ放電されるため、痛みを感じることはあまりありません。一方、乾燥肌の人の場合は静電気が放電されにくく、体にたまりやすくなります。さらに乾燥した肌は、わずかな刺激でもかゆみを感じやすい状態になっているので、乾燥肌の対策がとても大切です。

監修者画像

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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