コラム
COLUMN
家族のなかに乾燥肌の方がいる場合、自身も遺伝して乾燥肌になっているのか、気になっている方は多いでしょう。もし遺伝で乾燥肌になっている場合、改善方法はないのか気になるところです。
今回は乾燥肌は遺伝するのか解説します。また、乾燥肌の改善方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
乾燥肌は遺伝する?
乾燥肌は遺伝子が原因となっている場合があるといわれています。
例えば、家族の中に乾燥肌の方がいれば、遺伝によって乾燥肌を引き起こしている可能性があります。
ただし、家族に乾燥肌の方がいれば必ず遺伝によるとも限りません。乾燥肌は生活習慣も関係しており、家族と同じ生活を送っていることが要因となる場合もあります。
遺伝子検査で乾燥肌が先天性か後天性かわかる可能性があるので、気になる方は調べてみると良いでしょう。
遺伝による乾燥肌はセラミド不足が多い
先天性(遺伝)による乾燥肌は、セラミドが不足している傾向にあります。セラミドは肌の主成分の1つで、肌内部の水分を保持する重要な役割を果たしています。遺伝による乾燥肌は、セラミドがもともと少ないことにより、肌が乾燥しやすい状態になるといわれています。
遺伝によって乾燥肌になっていると感じる方は、化粧水や乳液でセラミドを補給するようにしましょう。
遺伝以外で考えられる乾燥肌の原因
乾燥肌には遺伝が関係する先天性だけではなく、後天性の可能性もあります。後天性の場合、さまざまな要因が重なり乾燥肌になります。
例えば、空気の乾燥、紫外線、間違ったスキンケア、肌に合っていないスキンケア、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
後天性の乾燥肌だと感じる場合は、肌の状態を確認しながらスキンケア方法を見直してみましょう。
乾燥肌の改善方法
乾燥肌は先天性、後天性のどちらでも改善を目指せます。ここからは、乾燥肌の予防や改善効果に期待ができる方法を紹介します。
部屋の湿度を適切に保つ
部屋の湿度が低く、空気が乾燥していると肌も乾燥しやすくなります。肌が乾燥するとバリア機能も低下するため、室内環境を整えることが大切です。
湿度の目安は60%で、加湿器や濡らしたタオルなどを利用して空気の乾燥を防ぎましょう。
紫外線対策を行う
紫外線による肌のダメージは乾燥肌だけではなく、シミの原因にもなるので、紫外線対策は1年中行うことが大切です。
日焼け止めや帽子、日傘やアームカバー、ネックカバーを活用してみましょう。肌が乾燥しているときは敏感肌用の低刺激な日焼け止めを使いましょう。
スキンケア方法を見直す
乾燥肌の方は、スキンケア方法の見直しも大切です。
クレンジングや洗顔では、肌を強く擦らないようにしてください。洗顔をした後は化粧水と乳液でしっかり保湿をしましょう。乾燥肌の方は敏感肌用のスキンケアアイテムがおすすめです。
先天性、後天性に関わらず、セラミドやヘパリン類似物質などの高保湿成分が配合されたスキンケアアイテムを選ぶと良いでしょう。
生活習慣の乱れを正す
生活習慣の乱れは肌にも影響するため、日頃から健康的な生活を心がけましょう。
偏った食生活は乾燥肌の要因の1つです。食生活を見直し、バランスの良い食事を意識すると良いです。
睡眠不足やストレスにも注意が必要です。寝不足になったりストレスが溜まったりすると自律神経のバランスが乱れ、肌へ悪影響を及ぼす可能性があります。
遺伝による乾燥肌もスキンケアや生活習慣の見直しで改善しよう
遺伝による乾燥肌はセラミド不足によるものと考えられています。後天性の乾燥肌は、さまざまな要因が重なっていることが多いです。
先天性、後天性に関わらず、乾燥肌に悩んでいる方はセラミドが含まれたスキンケアアイテムで適切なケアを行いましょう。 また、生活習慣の見直しも大切になります。乾燥肌を改善するために体の内側からのケアも心がけてみてください。
日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。
このコラムが気に入ったらシェアしよう!
乾燥肌治療薬
-
第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
泉医師からのコメント
潤った肌の維持に不可欠なセラミドは、細胞脂質の主成分で、肌内部の80%もの水分を維持してくれますが、遺伝的に少ない場合があります。ただし、遺伝だからと諦める必要はありません。毎日の正しいスキンケアでセラミドの減少を食い止め、補っていけば、乾燥肌の改善が望めます。