コラム
COLUMN
長期間のマスク生活で、肌トラブルに悩んでいる方も多いかもしれません。今回のコラムではマスクで乾燥肌が悪化する理由をはじめ、マスク生活の中で気を付けたいスキンケア方法を紹介します。
マスクによる肌トラブルを防ぐ方法で、今からすぐにできるポイントも紹介しているので、参考にしてみてください。
マスクをつけると肌にどのような影響が出る?
新型コロナウイルスの長期流行やインフルエンザの流行によって、マスク生活が続いています。長時間のマスク着用で、以下のような肌トラブルが起こり得ます。
- 肌荒れ
- ニキビ
- 湿疹
- 蒸れによる肌のべたつき
- 乾燥
マスクを着用していると外気にさらされないため口元はうるおっているように感じますが、マスクの内側は乾燥や肌荒れを起こしやすい状態になっているため、注意が必要です。
マスクをつけていると乾燥肌が悪化する理由
マスクが原因で乾燥肌に悩む方は少なくないはずです。マスクの内側はうるおっているのにも関わらず、なぜ肌が乾燥するのか、考えられる要因を2つ紹介します。
マスクと肌の摩擦
マスクをしたまま口を動かしたり、マスクを着けたり外したりを繰り返していると摩擦が生じます。
この摩擦により少しずつ角質が削られ、肌のバリア機能が通常通り働かなくなることがあります。バリア機能が低下すると肌内部の水分を留めておけないため、肌が乾燥しやすくなるのです。
マスクを外した際の水分の蒸発
マスクの中は蒸れやすく、マスクを外すと一気に水分が蒸発し、肌の水分まで奪われて肌が乾燥します。
肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下するため、さらに乾燥が悪化する恐れがあります。
マスクで乾燥肌を悪化させない方法
ここからは、マスクによって肌の乾燥を悪化させない方法を紹介します。以下5つのポイントを参考にマスク生活と上手に付き合っていくと良いでしょう。
自身の肌に合ったマスクを選ぶ
マスクによる摩擦を軽減するためにも、サイズ選びが重要です。顔に対してマスクのサイズが小さいと擦れが生じやすいので、鼻から顎までしっかり隠れるサイズのマスクを選ぶのがおすすめです。
化学繊維が含まれたマスクは肌がかぶれたりアレルギー反応が起きたりする場合があるので、乾燥をはじめとした肌トラブルに悩んでいる方は綿などの天然素材のマスクを着用すると良いでしょう。
汗をかいたらこまめに拭く
マスクの内側は熱がこもるため、汗をかきやすいです。蒸れを防ぐためにもマスク内側の汗や水分はこまめに拭き取りましょう。
汗を拭き取る際は肌を擦らないようにやさしくティッシュなどで押さえるようにして水分を吸収させます。
保湿をしっかり行う
肌の乾燥を予防するためにも普段からしっかり保湿ケアを行いましょう。
蒸れや擦れによって肌のバリア機能が低下してしまうため、スキンケアで水分と油分を補うことが大切です。またスキンケアは丁寧に行うことを心がけましょう。
敏感肌用の化粧品を使う
肌が乾燥しているとバリア機能が低下している可能性があり、肌のバリア機能が低下すると外部からの刺激に敏感になります。
スキンケアアイテムも刺激に感じる方は、敏感肌用のスキンケアアイテムを使うと良いでしょう。
紫外線対策をする
紫外線による肌への刺激もバリア機能を低下させる要因の1つです。
季節に関係なく紫外線対策が必要なので、日焼け止め止めを使うなどしながら肌を紫外線から保護するようにしましょう。
マスク生活による乾燥肌のおすすめスキンケア
マスクによる肌の乾燥を軽減するためには、洗顔から保湿ケアまで丁寧に行うことが大切です。肌に付着した雑菌やホコリなどを取り除くために洗顔は基本です。
洗顔後は化粧水や乳液で肌にうるおいを与えましょう。セラミドやヘパリン類似物質などの保湿成分がおすすめです。マスクの擦れが気になる部分に、肌を保護してくれる白色ワセリンをつけておくのも良いでしょう。
マスクによる乾燥肌は体の内側からのケアも大切
生活習慣が要因となって乾燥肌になる方もいます。乾燥肌にならないためにも、以下3つのポイントを参考に体の内側からのケアにも努めましょう。
栄養バランスの良い食事
偏った食生活や栄養不足にならないように注意しましょう。普段から栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。
タンパク質や必須脂肪酸、ビタミンB2やB6を適切な量を積極的に摂取すると良いでしょう。
こまめな水分補給
体内の水分が不足すると肌も乾燥しやすくなります。のどが渇いている状態は身体が水分不足になっているため、のどが乾く前に水分を補給しましょう。
カフェインが含まれた飲み物は利尿作用があるため水分補給としては、おすすめできません。水や白湯、ハーブティーやフレッシュジュースで水分補給を行うと良いでしょう。
十分な睡眠
睡眠不足になると肌のターンオーバーが乱れやすくなります。睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の修復に必要です。新陳代謝を高めるためにも日頃からしっかり睡眠時間を確保しましょう。
マスク生活が続いても乾燥肌に負けない肌を目指そう
マスクの擦れや蒸れによる肌の乾燥に負けないためにも、スキンケア方法や生活習慣を見直すことが大切です。
肌が乾燥する要因を1つずつ解消し、健康的な肌を目指しましょう。
日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。
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乾燥肌治療薬
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第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
泉医師からのコメント
マスクが肌に直接触れる部位は、摩擦による刺激から肌荒れやかぶれ(アレルギー性や刺激性接触性皮膚炎)を起こしやすくなります。
皮膚の表面は角質というものに覆われていて、外部の刺激から守ってくれています。ところが毎日マスクの線維とこすれあうことで、その角質が少しずつ削られてしまいます。外部刺激から肌を守るバリア機能が低下して、ますます刺激を受けやすくなってしまうため、肌のバリア機能をきちんと働かせるためにも、十分な保湿が大切です。