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コラム
COLUMN

2020.09.15

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】食事で乾燥肌を改善! 栄養素を意識したメニューで、内側から肌を潤そう

健やかな肌を維持するためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。食事が不規則になって栄養が偏ると、体調を崩すだけでなく、潤いのある健やかな肌も維持できず、乾燥肌を招いてしまうのです。そこで今回は、乾燥肌を改善し、健やかな肌へ整えるために積極的に摂取したい栄養素や、オススメのメニューについて解説します。

乾燥肌の改善に食事が重要な理由

肌には、古い細胞が新しい細胞へと一定のサイクルで生まれ変わる「ターンオーバー」という仕組みがあります。このサイクルが正常な周期で保たれていることで、肌は潤いのある、健やかな状態を維持できると考えられています。しかしながら、ターンオーバーのサイクルは、生活習慣や食生活の乱れなど、さまざまな要因によって崩れることが少なくありません。これにより、肌の水分を保持するバリア機能が低下すると、肌内部の水分をうまく保てなくなるため、乾燥肌が引き起こされてしまうのです。
こうしたターンオーバーの乱れを正常に戻し、乾燥肌を改善する方法の一つに食生活の見直しがあります。日々の食事から、健やかな肌に欠かせない栄養素をバランスよく摂取することで、ターンオーバーが活性化され、乾燥肌の改善が期待できると考えられています。まずは、乾燥肌の改善に関与する栄養素についてみていきましょう。

乾燥肌の人が補いたい栄養素

栄養豊富なイメージ

乾燥肌を改善するには、健やかな肌づくりに欠かせない栄養素を、食事でしっかり摂ることが肝要です。どのような栄養素が必要なのか、具体的にみていきましょう。

●タンパク質

肌の細胞の原料となり、ターンオーバーを活発にします。また、タンパク質の中には肌の弾力を保つコラーゲンも含まれているため、ハリと弾力のある健やかな肌には欠かせない栄養素です。

<含まれる食材>
肉、魚、大豆、大豆製品、卵

●ビタミンA(ベータカロテン)

肌や粘膜に潤いを与え、さらに、ターンオーバーのサイクルを整える働きがあると考えられています。緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。

<含まれる食材>
レバー、ニンジン、小松菜、ほうれん草

●ビタミンB2、6、12

肌のターンオーバーを整え、肌荒れを防いでくれるといわれています。

<含まれる食材>
ビタミンB2…豚レバー、納豆、モロヘイヤ
ビタミンB6…鶏むね肉、マグロ、ニンニク
ビタミンB12…アサリ、牡蠣

●ビタミンC

肌の弾力を保つコラーゲンの生成を促します。また、体内の活性酸素を除去する働きがあり、肌をダメージから守ってくれます。

<含まれる食材>
柑橘類、イチゴ、キウイ、ブロッコリー、小松菜

●ビタミンE

肌の血行を促進し、ターンオーバーを促すことで、肌のバリア機能を高めてくれると考えられています。活性酸素を除去する働きもあり、肌へのダメージを防いでくれる効果も期待できます。

<含まれる食材>
豆乳、アボカド、イワシ、いくら、アーモンド

●亜鉛

肌のターンオーバーを維持するのに欠かせない栄養素です。

<含まれる食材>
牡蠣、牛肉、卵黄、チーズ

●必須脂肪酸

肌の表面を覆う皮脂の原料となります。皮脂が不足すると、肌内部の水分が失われやすくなるため、肌の乾燥を招くと考えらえています。

<含まれる食材>
サバ、イワシ、エゴマ油、亜麻仁油

上記の通り、肌の健康維持には多くの栄養素が関与しています。ここに挙げた栄養素を確認し、毎日の食事でバランスよく摂取することを心がけましょう。

乾燥肌の人にオススメのメニュー

キャロットスープのイメージ

健康な肌づくりに欠かせない栄養素はさまざまにありますが、食べ方をひと工夫することで、より効率的に摂取できます。乾燥肌の人にオススメのメニューを紹介しますので、毎日の食事にぜひ取り入れてみてください。

●豆乳キャロットスープ

肌を潤すビタミンAが摂取できるニンジンが主役。豆乳にはタンパク質やビタミンB群、ビタミンEが含まれており、健やかな肌への生まれ変わりを助けてくれるスープです。

<材料>2人分
・ニンジン 2本
・玉ねぎ(中) 1/2個
・豆乳 300ml
・水 200ml
・バター 適量
・生クリーム 適量

<作り方>
① ニンジンは皮を剝き、薄めの乱切りにする
② 玉ねぎをみじん切りにする
③ 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを炒める
④ 玉ねぎに火が通ったら鍋に水を入れ、沸騰したら中火にして、乱切りにしたニンジンを加えてゆでる
⑤ ニンジンに竹串を刺し、すっと入る程度に柔らかくなったら火を止め、冷ます
⑥ 鍋の中身をミキサーに移し、滑らかになるまで撹拌する
⑦ 再度鍋にもどして豆乳を入れ、中火でゆっくり温める
⑧ スープを器に入れ、仕上げに生クリームを入れる

<料理のポイント>
バターの油分がニンジンに含まれたビタミンA(ベータカロテン)の吸収率を高めてくれます。豆乳が苦手な場合は、牛乳にしてもOK。

●アボカドマグロ丼

切って盛り付けるだけと手軽ながら、アボカドからはビタミンE、マグロからはタンパク質やビタミンB6、卵黄からは亜鉛などがしっかり摂取できます。

<材料>1人分
・アボカド 1/2個
・マグロの刺身 80g
・刻みのり 適量
・ご飯 どんぶり1杯
・卵黄 1個分
・醤油 適量
・わさび 適量

<作り方>
① 醤油とわさびを混ぜる
② アボカドとマグロを1㎝角に切る
③ ご飯を丼に入れ、その上にアボカドとマグロを盛り付ける
④ ①をかけ、卵黄と刻みのりを盛り付ける

<料理のポイント>
アボカドは脂質が多いので、副菜にはおひたしや煮物など、油の使用量を控えた惣菜がオススメ。具だくさんのみそ汁を付けると、より栄養バランスが整います。

●手羽元のしゃぶしゃぶ

肌に弾力を与えるコラーゲンが豊富な鶏手羽元を使ったしゃぶしゃぶです。野菜もたっぷり食べられるので、栄養バランスも申し分ありません。

<材料>4人分
≪だし≫
・鶏手羽元 4本
・ネギ 1本
・生姜 1片
・水 1500ml
・酒 100ml
・だし昆布 10㎝程度
・塩 適量
≪具≫
・豚肉、レタス、ニンジン、長ネギ、白菜、うどんなど好みのものを

<作り方>
① 材料とは別の適量の酒を鶏手羽元にふりかけ、軽くなじませて臭みを取る
② ネギは白い部分を切り落とす。生姜は皮を剝き、薄くスライスする
③ 鍋に水、酒、鶏手羽元、ネギ、生姜、だし昆布を入れて火にかける
④ 沸騰したら、あくを取り除く
⑤ 鍋からネギ、生姜、だし昆布を取り出し、塩で味を調える
⑥ 好みの具材をだしにくぐらせ、ポン酢やゴマダレを付けて食べる

<料理のポイント>
だしには鶏手羽元のコラーゲンがたっぷり含まれています。残りのだしでうどんやおじやを作るなど、残さず食べきりましょう。

【乾燥肌対策】食事の摂り方のポイント

調理を行う主婦

乾燥肌を招かないためには、栄養バランスのほかにも気を付けたいポイントがあります。以下の3点を意識して、食事の摂り方を見直しましょう。

・さまざまな食材からタンパク質を摂る

ビタミンや必須脂肪酸がしっかり摂れても、肌の原料となるタンパク質が不足していては、潤いのある健やかな肌へと生まれ変わることはできません。タンパク質の不足を回避するには、毎食、タンパク源となるおかずを1~2品取り入れるとよいとされています。ただし、大好きなお肉ばかり、手軽な卵料理ばかりなど、ひとつの食材に偏ってしまうと、ほかの栄養素が不足してしまいます。朝は納豆や卵、昼食は肉、夕食は魚など、さまざまな食べ物からバランスよく摂取することを心がけましょう。

・野菜を多く摂る工夫

野菜は生のままだとカサがあるため、一度に多くを摂るのは難しいです。サラダばかりでなく、加熱調理した料理で野菜のカサを減らせば、効率的に摂取できます。鍋やスープ、炒め物や煮物など、さまざまな野菜がまとめて食べられる料理を積極的に食べましょう。特にニンジンやほうれん草に含まれるビタミンA(ベータカロテン)は、油と一緒に摂取することで吸収率が上がるため、炒め物がオススメです。忙しい朝は、果物やヨーグルトと一緒にミキサーにかけて、ジュースやスムージーにして摂るとよいでしょう。

・ファストフードを避ける

手軽で便利なファストフードは、時間がない時やちょっとお腹が空いた時などについ利用してしまいます。しかし、メニューの内容をみると、糖質と脂質が多くビタミンやタンパク質が少ない傾向があり、頻繁に利用していると栄養素が偏ってしまいます。ファストフードの利用はできるだけ避け、手作りのお弁当や、栄養バランスのよい食事を食べるようにしましょう。お腹が空いて何かつまみたい時は、ドライフルーツやナッツ類、果物やヨーグルトなど、栄養価の高い食べ物がオススメです。

まとめ

仕事や家事に追われて慌ただしくしていると、食事がついおろそかになってしまいます。毎日栄養バランスのよい食事を摂るのはなかなか難しいですが、今回紹介したレシピなども参考に、肌が喜ぶ栄養素の摂取を心がけましょう。

木村医師よりコメント

医食同源といって、健康な身体を作るために食事が基本であることは間違いありません。まずはバランスの良い食事、それから質の良い睡眠や過度なストレスを避けることなど生活の質を上げることが、肌の健康にもつながります。肌にはバリア機能があり、皮膚は外からのアレルゲンや感染などから、身体を守るための大切な障壁になってくれます。スキンケアとあわせて、食事を含めた生活習慣も見直してみてください。

監修者画像

監修者

医師・木村眞樹子

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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