【医師監修】乾燥肌によるひび割れは予防が大切！対策方法を詳しく紹介

乾燥や毎日の水仕事で肌がひび割れてしまった状態になると治りにくいことが多いです。

今回は肌のひび割れについて詳しく解説していきます。ひび割れに悩んでいる方や、対策方法が知りたい方はぜひ参考にしてください。

ひび割れの症状

ひび割れとは、皮膚がガラスを割ったときのようにひび割れてしまった状態のことです。皮脂や水分が少なくなった部位で発生しやすくなります。

通常であれば一定の時間を置けば自然と新陳代謝や分泌物などにより元の状態に戻るものが、季節要因や繰り返す皮膚の乾燥などによりひび割れが発生してしまいます。

とくに手指は、色々な動作でモノと触れる頻度が多く、洗うという動作では必ず使う部位でもあるため、そのたびに皮脂分が奪われることになります。

肌に必要な皮脂がなくなることで肌が乾燥し、ひび割れが起きることがあります。ひび割れ以外にも「あかぎれ」「手荒れ」「しもやけ」などといったような状態で悩む方も多いかもしれません。以下ではひび割れとの違いについて解説します。

手荒れとの違い

手荒れとは、皮膚のバリア機能が低下している状態です。手洗いや消毒、乾燥やアレルギーなど原因は様々です。

かさつきや軽いかゆみなどの初期症状から始まることが多いです。手荒れが進行し肌のうるおいが不足すると少しずつ深い亀裂となりひび割れへと進行していくことになります。

あかぎれとの違い

あかぎれはひび割れが悪化した状態です。皮膚の亀裂が深くなると出血がおきたり、皮膚の表面に亀裂が入ったりするため、外からの刺激で炎症が起きやすくなってしまいます。

名前の通り、皮膚がひび割れている部分が赤くなっている場合は、あかぎれに進行している可能性があります。

なかなか治らない場合は医療機関を受診しましょう。

しもやけとの違い

しもやけとは冷えや寒さによって患部の血行が悪くなった状態です。凍傷とも呼ばれ、寒冷地や急激な温度変化を感じた際にも起こりやすくなります。

ひび割れと同様に皮膚が赤くなることもありますが、亀裂が入るといった症状は比較的少ないです。手先の血液循環が悪くなっている状態のため、赤紫色になったり手がむくんだように腫れたりといった症状がみられます。

ひび割れや乾燥肌の原因

皮膚表面には一定量の油分(皮脂層)があることで、過度な水分蒸発を防いでくれています。水仕事や石けんなどによる手洗いは、この皮脂を物理的に落としてしまう事によりバリア機能が低下します。

さらに空気が乾燥していると水分蒸発も進みやすくなるため、空気が乾燥する秋から冬場はひび割れを起こしやすい傾向にあります。仕事や生活のなかで繰り返しバリア機能低下が引き起こされてしまう方は、より対策を意識する必要があります。

【乾燥肌の方必見】ひび割れの対策方法

ここからはひび割れの改善や予防に役立つ対策方法を紹介していきます。

肌にやさしい洗浄剤を使う

石鹸や洗剤の主成分(界面活性剤)は汚れとともに、皮脂も洗い落としてしまいます。水仕事が要因となり乾燥、ひび割れが進行してしまっている方も多いです。

肌にやさしい石鹸や洗剤を選んで使うことでひび割れの予防につながります。

また、お風呂で体や髪の毛を洗う際のシャンプーやボディーソープが原因である可能性もあります。なかなかひび割れが改善されない方は、手洗い用石鹸や洗剤だけでなく、シャンプーやボディーソープの成分にも着目してみましょう。

皮膚が濡れた後はすぐに水分を拭き取る

皮膚が濡れたまま放置すると肌内部の水分が蒸散しやすいといわれています。

手洗いや入浴後などは皮膚を濡れたままにせず、しっかりと水分を拭き取るようにしましょう。

また、拭き取った後は患部が乾燥しないよう速やかにワセリンや刺激の少ない油性ハンドクリームを塗って患部をカバーしてあげましょう。

保湿剤を使う

作業後のケアだけでなく、日常生活の中でも定期的に乾燥対策を行う必要があります。保湿をすることで肌のバリア機能を正常に戻す効果も期待できます。

グリセリン、ヒアルロン酸、セラミドや尿素、ヘパリン類似物質などの高保湿成分が含まれたものを選ぶと良いでしょう。

室内の加湿を心がける

空気が乾燥しやすい季節は室内の加湿を心がけるようにしましょう。

保湿剤を使用したスキンケアとあわせて加湿器を活用したり、濡れたタオルや洗濯物を室内に干したりするなどして室内が乾燥しないようにしてください。湿度は60％を目安にしましょう。

入浴の際は温度に注意する

温度の高いお湯は肌の水分を保つ成分まで流れてしまう可能性があります。ひび割れの症状が気になる方はぬるめのお湯で入浴をしましょう。

また、長時間の入浴は避けるようにしてください。

水仕事はゴム手袋をつける

日々の水仕事がひび割れの要因と感じている方も多いです。ひび割れが起きている方や予防したい方は、水仕事の際にゴム手袋を着用すると良いでしょう。

ただし、ゴム手袋など材質が肌に合わないケースもありますので、ご自身の肌に合うものを選んでください。

ひび割れや乾燥肌が気になる方は日頃から予防をしよう

肌のひび割れは日頃から予防することが大切です。保湿ケアをはじめ、普段から肌を乾燥させない生活を心がけることで、ひび割れを予防できます。

セルフケアを続けても症状が良くならない場合や気になる症状がある方は医療機関を受診するようにしましょう。