コラム
COLUMN
お風呂上がりに肌がつっぱった感じがしたり、スネや背中などにかゆみを感じたりしたことはありませんか。そういった経験がある方は、もしかしたらご自身の肌に合っていないボディーソープを使っている可能性があります。
肌を清潔に保つために毎日体を洗う方がほとんどですが、せっかく肌を健やかにするために体を洗っているにもかかわらず、ボディーソープ選びや使い方を間違えると、肌にダメージを与えて乾燥肌の原因になる可能性があります。
そこでこの記事では、乾燥肌の方におすすめのボディーソープ選びと体の洗い方のポイント、入浴時のコツを詳しく解説していきます。入浴後に乾燥肌が気になる方や、肌を乾燥させたくない方もぜひご一読ください。
ボディーソープが乾燥肌の原因になる?
乾燥肌とは、肌の水分保持を担う「バリア機能」が崩れ、肌から水分が蒸発してうるおいを失った状態をさします。本来、健やかな肌であれば、バリア機能がうるおいをキープすることができますが、加齢や睡眠不足、ストレスなどが原因でバリア機能が崩れると、水分を維持することが難しくなります。
とくに外気が乾燥し、暖房やストーブをつける寒い季節は、バリア機能が低下しがちになり肌が乾燥しやすくなるので、「冬になると肌にかゆみを感じる」という方も少なくないでしょう。
洗浄力の強いボディーソープを使うことも、肌のうるおいを守るために必要な皮脂を過剰に洗い流してしまい、バリア機能を低下させる原因になる場合があります。また、ナイロンタオルでゴシゴシ洗うことも、肌に負担をかけてしまいバリア機能が崩れさせてしまう可能性があります。
そのため乾燥肌の方は、使用するボディーソープの種類や洗う際の方法に注意する必要があります。
乾燥肌のボディーソープの選び方
肌を清潔に保つためのボディーソープ。しかし、ボディーソープ選びを間違えてしまうと、さらに乾燥肌を促進させてしまう可能性があります。
乾燥肌のボディーソープの選び方をポイントごとに解説していきます。乾燥肌にお悩みの方だけでなく、肌を乾燥させたくない方もぜひ参考にしてみてください。
洗浄力が強すぎないか
まず、ボディーソープ選びで大切なのは洗浄力の強さです。洗浄力が強すぎるボディーソープは、肌がうるおいを保つために必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があるので、乾燥肌の方は避けるべきです。
洗浄力の強いボディーソープの見分け方は、「ラウリル硫酸~」という名前の成分が入っているかどうかが1つのポイントになるので、乾燥肌が気になる方はボディーソープを買うときは、しっかり成分表示を確認しましょう。
保湿成分が含まれているか
洗浄力が強すぎないボディーソープを使用していても、体を洗うとどうしても皮脂は洗い流されてしまいます。そこで、肌のうるおいをキープするためにポイントとなるのが、保湿成分が含まれているかどうかです。
保湿効果が期待できるセラミドや天然オイルなどが含まれているボディーソープを選ぶと、肌が乾燥しにくくなります。
また、入浴剤のなかにもホホバ油やグリセリンなどの保湿効果が期待できる成分を含んだものもありますので、湯船に浸かるときに使ってみるのもよいでしょう。
肌に低刺激か
バリア機能が低下している乾燥肌は、敏感になっている可能性があります。そのため、香料・パラベン・界面活性剤・防腐剤などの、肌を刺激しやすい成分が含まれていないボディーソープを使うのがよいでしょう。
赤ちゃん用や低刺激、敏感肌向けをうたっているボディーソープは、肌を刺激しやすい成分が少ないのでおすすめです。
泡立ちがよいか
泡立ちがよいボディーソープを使うと、摩擦による肌刺激を少なくできるので、乾燥肌におすすめです。逆に泡立ちが十分でないと、体を洗ったときの摩擦で角質層にダメージを与え、バリア機能を低下させる可能性があります。
また、少量でしっかり泡立つボディーソープはコストパフォーマンスに優れているという点もメリットになります。
乾燥肌におすすめのボディーソープの使い方
乾燥肌の方も、肌を清潔に保つために毎日体を洗いたいもの。しかし、誤った方法で体を洗っていると、乾燥肌を促進させてしまう可能性があります。
乾燥肌の方が体を洗う際は、綿などの柔らかい素材のタオルを使うのがおすすめです。また、泡立てネットなどでしっかりと泡立てて、手のひらにのせた泡でなでるように優しく洗うと、肌への刺激をかなり軽減できます。
また、入浴時の補足ですが、湯船のお湯の温度が高いと乾燥肌を悪化させる一因になりますので、だいたい40度前後に設定して入浴するようにしましょう。
乾燥が気になるところはお湯で流すだけでもOK
驚かれる方もいらっしゃると思いますが、背中や胸など皮脂の多い部分や、手足やワキ、陰部など汚れやすい部分以外は、ボディーソープを使わずにお湯で流すだけでもよいといわれています。
汗をあまりかかない寒い季節、スネや腕など乾燥が気になる場合は、ぬるま湯で流すだけの日を設けてみるのもよいかもしれません。とくにスネや腕は皮脂腺が少なく汚れにくいため、ニオイが気になるということも少ないと考えられます。
乾燥肌のスキンケアのコツ
一見、うるおっているように感じる入浴後の肌ですが、実は皮脂が洗い流されており乾燥しやすい状態になっています。そのため、なるべく早く保湿ケアを行うことが大切です。
体も顔と同じように、ローションやスプレータイプの化粧水などで、肌に水分を入れたあとに保湿クリームをつけるとフタの役割をするため、うるおいをキープしやすくなります。
ローションや保湿クリームを使ったスキンケアだけでなく、水を飲んで内側から体をうるおすことも大切です。お風呂上がりには、速やかに水分補給するようにしましょう。
乾燥肌にも優しいボディーソープ選びで、保湿いらずのみずみずしい肌へ!
乾燥肌を促進させないためにも、ボディーソープ選びはとても重要です。洗浄力が強いもので毎日体を洗っていると、乾燥肌の原因になる可能性がありますので、低刺激で保湿成分を含んだものを選ぶようにしましょう。
また体を洗うときは、ボディーソープをしっかりと泡立ててから、肌を摩擦しないことを意識して優しく洗い、入浴度はなるべく早くスキンケアを行うよう意識してみてください。
ボディーソープと使い方を変えても乾燥が気になる場合は、保湿剤を使ってみるのもおすすめです。肌に優しいボディーソープ選びと乾燥肌ケアで、みずみずしい肌をめざしましょう。
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。
このコラムが気に入ったらシェアしよう!
乾燥肌治療薬
-
第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
中島医師よりコメント
身体が乾燥する場合は、まずボディソープの種類を見直したり、泡で優しく身体を洗ってみたりしましょう。また、入浴後しっかりと保湿することも大切です。それでも症状が改善しない場合は、医療機関を受診し相談することをお勧めします。