コラム
COLUMN
乾燥肌の方は、スキンケアの基本であるクレンジングの選び方が重要です。肌に合わないクレンジングを使うと、肌の乾燥が悪化したり、なかなか症状が改善されなかったりします。
今回は「乾燥肌におすすめのクレンジングタイプ」や「気を付けたい成分」を紹介します。今まさに乾燥肌に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
乾燥肌の方がクレンジングを重要視するべき理由
洗浄力の強いクレンジングや洗顔は、汚れを落とすだけではなく、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。皮脂は、肌内部の水分を保持するために大切なもの。必要な皮脂まで洗い流してしまうと肌のバリア機能が低下し、水分が蒸発してしまいます。
うるおいのある肌を手に入れるためには、クレンジングや洗顔で適度に洗い流すことを意識しましょう。洗顔後に肌がつっぱったり、キシキシしたりする場合は、肌が乾燥しているサインです。
乾燥肌が気になる方は、もしかするとクレンジングが自分の肌質に合っていないのかもしれません。乾燥肌の症状を緩和したい方はまず、クレンジングの見直しや適切なクレンジング方法を実践してみましょう。
クレンジングの種類
クレンジングの見直しをする前に、まずは一般的に使用されているクレンジングの種類を紹介します。それぞれの特徴も解説するので、今お使いのクレンジングタイプと比較してみてください。
クレンジングオイル
クレンジングオイルは、オイルを主成分とした商品。肌滑りがよく、濃い目のメイクも毛穴の奥までしっかりと落とすことができる傾向があります。ただし、汚れ落ちが良い分、必要な油分まで洗い流してしまう可能性もあるので使用する際は注意しましょう。
乾燥肌の方がクレンジングオイルを使用したい場合、メイクや汚れをしっかり落としたいときだけ使用するなどの工夫が大切。クレンジングオイルが好みの方は、水分を含ませて乳化させるなどしながら愛用してください。
クレンジングジェル
ジェルタイプのクレンジングには、油性タイプと水性タイプがあります。油性タイプは洗浄力が強く、重ね塗りしたメイクも素早く落とせるのが特徴。オイルクレンジングに近いなめらかなテクスチャーで、しっかりと肌に密着します。
ただし、油性タイプのクレンジングジェルはまつ毛エクステには使用できない場合もあるので、商品の詳細をきちんと確認してから使用してください。
水性タイプのクレンジングジェルは、まつ毛エクステにも使えます。洗い上がりはさっぱりとしているので、ニキビ肌の方に向いています。オイルクレンジングよりも刺激が少ない傾向にあるので、しっかりメイクを落としたいけれど、肌への負担が気になる方はぜひ活用してください。
クレンジングクリーム
クリームタイプのクレンジングは、ナチュラルメイクの方と相性が良いです。界面活性剤など、肌の刺激となる成分の配合が少ない傾向にあるので、敏感肌の方や乾燥肌の方に向いています。
ただし、拭き取りタイプのクレンジングクリームは、コットンやティッシュなどの摩擦による刺激に注意が必要です。また、同じクリームタイプのクレンジングでも、商品によって洗浄力が異なるので、肌への刺激が気になる方は、きちんと配合成分をチェックしてから購入してください。
クレンジングミルク
肌への負担を減らしながらメイクや汚れをオフしたい方は、クレンジングミルクを活用してはいかがですか。クレンジングミルクは、水分量が多いため、肌への刺激を少なくできる特徴があります。
ただし、クレンジングミルクの中には界面活性剤が多く配合されている商品もあるので、肌への刺激が気になる方は、きちんと成分を確認してから購入しましょう。
また、ミルクタイプは肌にやさしい仕様が魅力のクレンジングですが、その分洗浄力も弱いのがデメリット。うすづきメイクの方なら満足した洗い上がりですが、アイメイクが濃い方は、メイク汚れが残ってしまう可能性も。
クレンジングミルクは、肌の調子やメイクの濃さなどを考慮しながら上手に活用してみてください。
クレンジングシート
クレンジングシートは、専用のシートにクレンジング剤が含まれた商品。水を使わずにメイクを落とせるので、場所を問わずどこでも使用できる点がメリットです。クレンジングシートは、忙しいときやゆっくりスキンケアを行う時間がないときに活躍するでしょう。
クレンジングシートは、メイクを拭き取るように落とすタイプなので、摩擦による肌への刺激には注意してください。商品によっては界面活性剤や、アルコールがたくさん含まれているクレンジングシートもあるので、敏感肌の方は多用を避けるようにしてください。
乾燥肌に向いているクレンジングタイプは?
乾燥肌は肌のバリア機能が低下している可能性があります。肌のうるおいをキープするためにも、保湿成分が含まれたクレンジング剤を選ぶようにしましょう。
乾燥肌の方には「クレンジングクリーム」や「クレンジングジェル」「クレンジングミルク」が向いています。どのクレンジングタイプも、肌への負担を減らすため、洗浄力が強すぎない商品を選ぶことが大切。
刺激が気になる方の場合、クレンジングジェルは水性タイプを選ぶようにしてください。メイク落ちにもこだわりたい方は、クレンジングオイルや油性タイプのクレンジングジェルをポイント使いするなど、工夫しながらスキンケアを行っていきましょう。
乾燥肌の適切なクレンジング方法
乾燥しているときは、肌が敏感になったり刺激に弱くなったりしている可能性があります。クレンジングする際は強く擦ったりせず、優しくマッサージするように丁寧に洗い上げましょう。
クレンジングをたっぷりと手に取ってから手の平で温め、肌に馴染ませるのがポイント。30~60秒ほど時間をかけて、マッサージしながらメイクや汚れを落とします。
クレンジングを洗い流す際は、シャワーを直接肌にかけるのは避け、水を手ですくいながら丁寧にすすぎましょう。クレンジングや洗顔はぬるま湯で洗い流すようにしてください。
乾燥肌の方が避けたいクレンジング成分
乾燥肌の方には向かない、クレンジング成分を紹介します。肌への負担が気になる方は、商品に以下の成分が含まれているかどうか確認してから購入してください。
気を付けたいクレンジング成分①:香料
香料は、香りによるリラックス効果のために成分が配合されています。しかし、香料は複数の化学物質を合成して作られているケースもあります。
もちろん人体への影響をテストしてから販売されているので、香料そのものが悪い成分ではありません。ただ、乾燥肌や敏感肌の方は香料の成分が刺激となる場合もあるので、注意が必要です。
気を付けたいクレンジング成分②:合成界面活性剤
界面活性剤は、水とそのほかの成分を馴染ませる役割を持つ成分です。合成界面活性剤とは、人工的に作られた界面活性剤で、肌の負担になりやすい傾向にあります。界面活性剤は皮膚のバリア機能を低下させる可能性があるので、乾燥肌の方は避けたい成分。
しかしながら、界面活性剤はスキンケア商品には欠かせない成分とも言えるのが現状です。クレンジングを選ぶ際は、天然由来成分の界面活性剤を採用した商品を選ぶようにしましょう。
気を付けたいクレンジング成分③:鉱物油(ミネラルオイル)
鉱物油は、石油からつくられた成分の1つ。化粧品に含まれている鉱物油は「ミネラルオイル」と表記されているケースも多いです。
少し前まで、鉱物油には不純物が多く含まれていて、シミやくすみの原因として考えられていました。しかし、最近は精製度の高い鉱物油のみを採用しているので、心配は少ないと言われています。
鉱物油を使ったスキンケアアイテムの中で、有名なのがワセリンです。鉱物油は肌に馴染みにくい性質を持っているので、表面に膜を張り、外部の刺激から守る働きをします。
基本的には保湿効果に期待ができる成分ですが、乾燥肌の場合はうるおいを保つ肌本来の機能が弱まる可能性があるので留意しておきましょう。
気を付けたいクレンジング成分④:清涼剤(アルコール)
アルコールは清涼感を与えたり、成分の浸透力を高めたりする成分です。クレンジング剤にも多く使われている成分で、エタノールやエチルアルコールなどと表記されていることもあります。
アルコールは揮発性が高いので、肌の水分を奪ってしまうケースもあります。人によってはアレルギーを引きおこすこともあるので、クレンジング剤を選ぶ際にはきちんと成分を確認することが大切です。
アルコールは乾燥肌や敏感肌の方には刺激になる場合があります。肌への負担を軽減したい方は、ノンアルコールタイプのクレンジング剤を選ぶようにしましょう。
気を付けたいクレンジング成分⑤:防腐剤(パラベン)
防腐剤は化粧品が腐ったり、菌が繁殖しないようにしたりする成分です。化粧品に含まれている防腐剤は「メチルパラベン」や「エチルパラベン」「エデト酸塩」など。
防腐剤は敏感肌の方や乾燥肌の方にとって、微量でも刺激となる場合があります。防腐剤の肌への影響が気になる方は、防腐剤(パラベン)フリーのクレンジング剤を使用してください。
クレンジング後はしっかりと肌を保湿する
クレンジングや洗顔後は、しっかりと肌を保湿してあげることも大切です。乾燥肌の方は基礎化粧品もクレンジング剤と同じく、香料や着色料、アルコールや防腐剤が含まれていない低刺激性の商品が望ましいです。
洗顔後はすぐに化粧水を塗り、肌の乾燥を防ぎます。仕上げに保湿クリームや乳液で、肌のうるおいを蒸発させないことも重要です。
クレンジングを見直して乾燥肌を予防しよう
乾燥肌の方は、肌のうるおいを取り戻すためにもクレンジングタイプの見直しが大切です。保湿成分が含まれたクレンジング剤にするなど工夫しながら、肌内部の水分が蒸発するのを防ぎましょう。
肌への刺激が気になる方は、紹介した添加物の有無のチェックをするように心がけ、普段の食生活や生活習慣も見直しながら、乾燥肌対策に努めていきましょう。
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。
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中島医師よりコメント
クレンジングには様々なタイプがあり、肌の状態に合わせて使い分けることが大切です。例えばアイメイクはこすらずにきちんとメイクを落とせるタイプ、それ以外は肌に優しいタイプを選ぶなど日頃から肌にストレスをかけすぎないことも重要です。クレンジングをした後は丁寧に保湿を行いましょう。