
コラム
COLUMN

乾燥による肌のかゆみやブツブツに悩む方は少なくありません。症状がなかなか改善しない方も多いでしょう。
乾燥が原因で肌にかゆみやブツブツが現れる場合、まずは十分な保湿が必要です。加えて、肌が乾燥しないための生活習慣を身につけることも重要です。
今回は、乾燥によるかゆみやブツブツの原因、症状が現れたときの対処法、そして日常生活での予防・改善方法について詳しく紹介します。今回紹介する内容を参考にして、健やかな肌を取り戻しましょう。
乾燥によるかゆみでブツブツができる原因
乾燥によるかゆみやブツブツができる原因は、以下のとおりです。
- 皮脂欠乏性皮膚炎
- 接触皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
それぞれの皮膚疾患を以下で詳しく紹介します。
皮脂欠乏性皮膚炎
皮脂欠乏性皮膚炎は、皮膚が乾燥することで引き起こされる炎症性の疾患です。以下に、原因や症状が現れやすい部位などをまとめた表を示します。
項目 | 内容 |
皮脂欠乏性皮膚炎の原因 | 皮膚の乾燥によるバリア機能の低下 |
皮脂欠乏性皮膚炎の症状 | 皮膚のかゆみ、赤み、ひび割れ、ざらつきなど |
症状が現れやすい部位 | すね、腕、背中、脇腹 |
皮脂欠乏性皮膚炎になりやすい方 | 中高年~高齢の方 |
皮脂欠乏性皮膚炎は、皮膚の水分量や皮脂量の低下によってバリア機能が低下し、皮膚が過敏になるために引き起こされます。わずかな刺激でもかゆみを感じやすくなり、掻くことで症状が悪化します。とくに、中高年や高齢者に多く見られます。
皮脂欠乏性皮膚炎の症状は、皮脂の分泌が少ないすね、腕、背中、脇腹などに現れやすいです。
接触皮膚炎
皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、接触皮膚炎を起こしやすくなります。接触皮膚炎とは、皮膚が特定の物質に接触することで引き起こされる炎症です。主な症状は以下のとおりです。
- 皮膚が赤くなる
- 強いかゆみや痛みが生じる
- 水疱やかさぶたができる
接触皮膚炎には、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種類があります。それぞれの特徴を以下に示します。
項目 | 原因 | 症状が出る部位 |
刺激性接触皮膚炎 | 化学物質や洗剤、溶剤、石鹸などの刺激物質や毒性があるものに反応 | 接触した部分 |
アレルギー性接触皮膚炎 | アレルゲンに対するアレルギー反応 | 広範囲に広がる場合もある |
刺激性接触皮膚炎は、化学物質や植物の中の刺激物質や毒性のある物質に皮膚が接触することで発生します。症状は接触した部分に限られることが多いです。
一方、アレルギー性接触皮膚炎は、金属、化粧品、外用薬、植物などのアレルゲンに対するアレルギー反応が原因で発生します。
アレルギーを持っている方がアレルゲンに何度も接触すると、免疫が過剰反応し皮膚炎が起こります。症状は広範囲に広がることもあり、改善するにはアレルゲンを突き止め、取り除くことが必要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、遺伝的な要素を伴い、かゆみのある発疹が出たり引っ込んだりを繰り返す慢性の皮膚病です。
アトピー性皮膚炎による症状は、摩擦が起きやすい手足の関節の内側や脇、首にできやすく、引っ掻くことでさらに悪化します。
アトピー性皮膚炎の原因はアレルギー素因が関係し、アレルギー性結膜炎や鼻炎を伴うことも少なくありません。また、疲れや睡眠不足など、生活習慣の乱れも関係するといわれています。
アトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が低下していることから、外からのアレルゲンの侵入を許してしまい、皮膚に炎症が起こるのです。
乾燥によってかゆみやブツブツができたときの対処法
乾燥によってかゆみやブツブツができたときの対処法は以下のとおりです。
- かゆい部分を冷やす
- 症状がひどい場合や長期間続く場合には医療機関を受診する
それぞれの対処法を詳しく紹介します。
かゆい部分を冷やす
皮膚のかゆみが生じている部分は、炎症によって熱を持っています。保冷剤をタオルで包んだもので冷却すると、かゆみが落ち着いてきます。
一方、熱いお風呂はかゆみを悪化させるため、ぬるめのお湯を使用するように心がけましょう。
症状がひどい場合や長期間続く場合には医療機関を受診する
かゆみやブツブツの症状がひどい場合、または、症状が長期間続く場合には、医療機関を受診しましょう。受診の目安は以下のとおりです。
- 1ヶ月以上症状が改善しない
- 症状が悪化していく
- 夜眠れないくらいのかゆみがある
- 皮膚を引っ掻いていることを他人に指摘される
上記以外にも症状に対して不安がある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
日常生活で肌のかゆみやブツブツを予防・改善する方法
日常生活で肌のかゆみやブツブツを予防・改善するには、肌の乾燥を予防する必要があります。乾燥肌の予防方法は以下のとおりです。
- 石けんや洗顔料は使いすぎない
- スキンケアアイテムを見直す
- 洗顔後や入浴後にしっかり保湿ケアを行う
- 乾燥肌対策として加湿器などを活用する
- 肌に優しい衣類を選ぶ
- バランスの取れた食事を摂る
- 十分な睡眠を確保する
- ストレス管理をする
- ヘパリン類似物質配合の治療薬を使用する
それぞれの方法を詳しく解説します。
石けんや洗顔料は使いすぎない
石けんや洗顔料は皮脂を取り除いてしまうため、使いすぎないようにしましょう。使用した後につっぱり感が残るようであれば、肌が乾燥ぎみのため注意してください。
また、よく泡立てて、泡で包み込むように洗うことも大事です。
なお、ナイロンタオルなどでゴシゴシ擦るのはNGです。使用するアイテムは、皮膚につけてもピリピリ感などの刺激がないものを選び、手を使って優しくなでるように洗いましょう。
お湯の温度は38~40℃程度のひと肌にし、泡が残らないようにしっかりすすぐことも大事です。
スキンケアアイテムを見直す
肌の乾燥やかゆみ、ブツブツが現れているときには、スキンケアアイテムを見直してみましょう。
肌のトラブルが発生する原因は、現在使用中のスキンケアアイテムが合っていない可能性があります。疑わしいものは一旦使用を中止して、症状が改善するかどうか確認してみましょう。
洗顔後や入浴後にしっかり保湿ケアを行う
洗顔後や入浴後は肌に残った水分が蒸発しやすいため、肌が半渇きの状態で保湿することをおすすめします。室内の湿度や温度をしっかり保った状態で保湿ケアをしてください。
また、肌を清潔にすることで、雑菌の繁殖を防ぐことができるため、アトピー性皮膚炎の方には毎日の入浴が大事です。
なお、保湿剤は肌につけたときに違和感のないものを選びましょう。ピリピリと肌に刺激があるものはNGです。
乾燥肌対策として加湿器などを活用する
部屋の空気が乾燥すると、肌の水分が蒸発する可能性があります。乾燥肌対策として、加湿器などで部屋の湿度を管理しましょう。
外出先や職場では、ポータブル加湿器などを活用すると肌の乾燥を防ぐ効果が期待できます。
肌に優しい衣類を選ぶ
肌の乾燥によるトラブルを改善・予防するためには、肌への負担が軽い優しい衣類を選ぶと良いでしょう。肌に優しい衣類とは、綿や麻、絹などの自然素材を使った無染色の衣類です。
自然素材の衣類は吸湿性に優れているものが多く、肌の湿度を保持するのに役立ちます。また、無染色の衣類なら、染色後に残っている化学物質に肌が反応する心配がありません。
一方で、合成繊維は天然素材に比べて吸湿性が低く、硬い場合が多いため、肌に刺激を与える可能性が高いです。
バランスの良い食事を摂る
乾燥肌を予防・改善するためには、バランスの取れた食事を摂ることが大切です。理想的な食事は、タンパク質、オメガ3脂肪酸、ビタミンなど、肌の健康を保つために必要な栄養素が含まれる食事です。
オリーブオイルやナッツ、魚などに含まれる良質な脂質は、ホルモンや細胞膜、セラミドの材料となります。
また、水分を多く含む食品や適切な水分摂取によって、体全体の水分バランスを保つことも重要です。
十分な睡眠を確保する
乾燥肌を予防・改善するためには、十分な睡眠を確保することが欠かせません。睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、細胞の新陳代謝が促進されるため、肌のバリア機能が強化されます。
ターンオーバーが正常に働くことで、質の良い肌細胞が作られ、トラブルがない肌の状態がキープできます。
ヘパリン類似物質配合の治療薬を使用する
乾燥肌の治療には、ヘパリン類似物質配合の治療薬が有効です。肌が乾燥しやすい赤ちゃんから高齢者まで幅広く使用できる特徴があります。
ヘパリン類似物質には、保湿・血行促進・抗炎症の3つの作用があり、水分を引き寄せて保持する働きがあります。
また、角質層の水分保持機能を改善することで、低下したバリア機能を改善することができます。
クリーム、ローション、スプレーなどさまざまなタイプがあるので、使いやすいものを選びましょう。説明書に用法用量の記載があるので、事前に確認してから使用してください。
また、使用にあたって心配な点がある場合は、かかりつけ医や薬剤師に確認の上、使用することをおすすめします。
なお、ヘパリン類似物質配合の治療薬は、健栄製薬のオンラインショップでも購入可能ですので、ぜひ検討してみてください。
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肌を保湿して乾燥によるかゆみやブツブツを防ごう
肌の乾燥が原因で、かゆみやブツブツが現れることがあります。症状の主な原因は、皮脂欠乏性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが考えられます。
いずれの皮膚炎も、長期間治らない場合や症状がひどい場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
なお、乾燥によるかゆみやブツブツを予防・改善するためには、肌の乾燥を防ぐことが必要です。部屋を加湿したり、肌に優しい衣類を着用したりするほか、適切な生活習慣を維持することも大切です。
ヘパリン類似物質配合の治療薬を使用することも、乾燥肌の改善に役立つでしょう。

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