コラム
COLUMN
乾燥肌になると、カサつきやつっぱりを感じたり、ひどくなるとかゆみが出ることもあったりなど、とても辛いですよね。辛い症状を感じているままでは快適な日常生活が送れなくなります。この辛い乾燥肌トラブルを引き起こす原因を知り、対策していきましょう。
乾燥肌とはどのような状態?
乾燥肌とは、皮膚の水分や皮脂が減少している状態です。肌表面の皮脂は肌内部の水分を蒸発させないようにフタをする役割があります。そのため皮脂が不足すると肌内部の水分が飛んでいってしまい、肌がカサついたり、つっぱったりしてしまいます。
皮脂は肌表面を保護するバリア機能も持っています。皮脂が減少し、肌表面の角質層のバリア機能が低下すると、潤いがなくなるだけでなく少しの刺激にも敏感になってしまい、かゆみが生じてしまうこともあります。
なぜ乾燥肌になってしまう?
乾燥肌の原因には、環境によるものと生活習慣によるものがあります。
●環境による原因
冬場の外気やエアコンなどにより空気が乾燥していると、肌から水分が蒸散して乾燥が起こりやすくなります。また、寒さにより血行不良が起きると、肌を新しく入れ替えるターンオーバーがうまくいかずに古い角質が表面に残ってしまい、乾燥肌の原因になってしまいます。
●生活習慣による原因
―肌を洗いすぎている―
石けんなどで肌を洗いすぎてしまうと皮脂を落としすぎてしまうので乾燥肌を引き起こしてしまいます。洗わずに汚れを溜めるのはもちろん良くないですが、洗いすぎてしまうのも乾燥肌には良くありません。
―生活リズムが不規則であるー
生活リズムが不規則になると肌のターンオーバーも不規則になりますし、血行不良になることでターンオーバーがさらにうまくいかなくなり乾燥肌の原因になります。身体が不健康になると肌も同様に不健康になってしまいます。
―喫煙している―
タバコに含まれている成分によって血行不良が起こったり、老化を引き起こすと言われている活性酸素が発生したりして肌を弱らせてしてしまうことも乾燥肌の原因になります。
―寝不足である―
睡眠時には血液を全身に行き渡らせて、皮膚の代謝も良くします。寝不足になると、その代謝が悪くなりますし、身体にストレスがかかるため肌にも悪影響を及ぼします。
●加齢による保湿力の低下も
年を取ると皮脂の分泌量が低下したり、肌のターンオーバーが遅れて古い角質が溜まりがちになって、肌表面では水分の保持ができにくくなります。
乾燥肌による辛い肌トラブル
乾燥肌になることで引き起こされる辛い肌トラブルには以下のような症状があります。
・肌がカサつく
・肌がつっぱる
・粉をふく
・ヒリヒリする
・かゆみがある
乾燥肌がひどくなるにつれて、あらゆる刺激に敏感になってしまうのでヒリヒリしたり、かゆみが起こったり、辛い症状が出てきてしまいます。
辛い原因である乾燥肌を防ぐ対処法
乾燥肌を引き起こす原因を解消、そして以下の項目を実践することで辛い肌トラブルから肌を守りましょう。
●洗顔方法を見直す
顔の肌は薄くデリケートなので、洗浄力の強い洗顔料では、バリア機能の維持に欠かせない皮脂をとり過ぎる可能性があります。また、ゴシゴシと強い力で肌をこするのも、角質層を傷つけ、バリア機能を低下させてしまう恐れがあります。肌に摩擦が起こらないように柔らかい泡で、洗浄力の優しい洗顔料で行いましょう。
●スキンケアを丁寧に
洗顔後の肌には水分が多く含まれています。その水分を逃がさないうちに速やかに保湿ケアをしましょう。スキンケアをせずに放置するとせっかく含んだ水分が蒸発していってしまいます。
化粧水や美容液は肌に水分を補給はできても保持することは難しいです。これらのあとに乳液やクリーム、白色ワセリンなどでしっかりフタをして、補給した水分を逃がさないように心がけましょう。
●紫外線対策をする
外出する際には日焼け止めクリームなどを塗ることが大切です。顔の肌は薄く、常に外気にさらされているので紫外線の影響を受けやすいです。対策をせずに紫外線を浴び続けると日焼けし、肌の最も外側にある角質層が炎症を起こすことから、バリア機能の低下を招くおそれがあります。日焼け止めクリームだけでなく、帽子や日傘も利用してみましょう。
●食事の栄養バランスを整える
肌の主成分であるタンパク質、皮脂の原料となる必須脂肪酸、ターンオーバーを促すビタミンB2、B6など肌のバリア機能を維持する成分を積極的に摂取しましょう。ミネラルも水分の調節や肌の健康に大切です。タンパク質は肉や魚、大豆や大豆製品、必須脂肪酸はエゴマ油や亜麻仁油、ビタミンは卵、カツオ、バナナ、ブロッコリーやニンジンなどに豊富に含まれています。
辛いトラブルを引き起こす乾燥肌を防ごう
乾燥肌の原因は環境や生活習慣などさまざまで、個人によって何が原因なのかは異なります。辛い乾燥肌がある方は、生活習慣を振り返ってみたりしてその原因を見つけていき、肌トラブルを改善していきましょう。
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。
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乾燥肌治療薬
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第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
中島医師よりコメント
空気が乾燥すると、肌も乾燥していきます。寒い季節には特に乾燥肌対策が必要です。摩擦を避ける、保湿をしっかりする、水分や栄養をしっかりとることが大事です。症状が改善しない場合は医療機関でご相談ください。