コラム
COLUMN
スキンケアを行わない方も多いですが、男性も女性と同じく肌トラブルを引き起こす可能性があるため、しっかりと肌ケアを行うことが大切です。
とくに肌に水分を与える化粧水はスキンケアには欠かせないアイテムで、男性にも必要な基礎化粧品です。
今回は「男性にも化粧水が必要な理由」や「メンズ向けの化粧水の選び方」「化粧水の使い方」などを紹介します。
化粧水を使うべきか悩んでいる男性の方は、ぜひ参考にしてください。
メンズも化粧水を使おう
男性の肌は思春期の頃から皮脂分泌が活発になり、成人の頃には女性の2~3倍の皮脂が分泌されています。見た目は脂っぽく、Tゾーンを中心にテカったり、毛穴が目立ちやすくなったりします。
一方、水分量は女性より男性の方が少なく、見た目の肌はうるおっているように感じても肌内部の水分は不足している「インナードライ」の状態の方も少なくありません。
インナードライや皮脂の過剰分泌を改善するためには、化粧水などの基礎化粧品を使ってスキンケアを行うことが大切です。
男性の場合、シェービングなどで肌に刺激が加わる機会が多いため、肌荒れなどの肌トラブルが多い傾向にあります。また皮脂の分泌も多いことから、ニキビ肌にもなりやすく、あらゆる肌トラブルを防ぐためにもスキンケアは欠かせません。
乾燥肌になると、皮脂の過剰分泌やニキビ、肌荒れなどさまざまな肌トラブルを引き起こす要因となります。肌荒れはただ症状が気になるだけではなく、見た目の清潔感にも影響するため、肌内部の水分量が少ない男性は、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
化粧水の役割
スキンケアの基本となるのが化粧水です。化粧水は直接肌に水分を与える役割があり、乾燥した肌にうるおいを与えながら、肌を整える効果が期待できます。
肌内部の水分が不足するとバリア機能が低下し、乾燥肌を引き起こすほか、外部からの刺激に敏感になり、かゆみや痛みといった不快感を伴う場合があります。
肌トラブルを防ぐためには、うるおい不足を改善する必要があります。そのためにも、化粧水で不足した水分を補給しましょう。
化粧水はさっぱりタイプやしっとりタイプなどさまざまなタイプが販売されていますが、基本的にはさらっとしたテクスチャーが特徴的です。
ただし、化粧水は蒸発しやすい特徴があるため、スキンケアの仕上げには、乳液やクリームを使って水分の蒸発を防ぎましょう。
メンズ向け化粧水のおすすめの選び方
男性も自分の肌質に合った化粧水を選ぶことが大切です。肌トラブルや肌悩みを解決するためにも、自分の肌に合った化粧水で保湿ケアを行いましょう。
ただし、ニキビの悪化や、肌の炎症が気になる方は、スキンケアを行う前に医療機関に相談してください。
以下では、化粧水の選び方を紹介します。乾燥肌や肌荒れ、ニキビなど肌トラブルに悩んでいる男性の方は、ぜひ参考にしてください。
乾燥肌
乾燥肌は肌内部の水分が不足し、肌がつっぱったりカサついたりしている状態です。秋~冬は空気が乾燥し、乾燥肌を引き起こしやすい季節です。
また、夏場など気温が高い季節も水分の蒸発や紫外線の刺激による肌のバリア機能の低下によって、乾燥肌になる場合があります。
普段から肌が乾燥する方は、保湿成分が含まれた化粧水がおすすめです。ヒアルロン酸、グリセリン、セラミド、ヘパリン類似物質は肌の保湿効果に期待ができるので、化粧水を購入する際はこれらの成分が含まれているか確認してみましょう。
また、化粧水にはさまざまな美容成分も含まれているので、商品を購入する際はどのような保湿成分や美容成分が含まれているかチェックしてみてください。
乾燥肌の状態がひどく、肌が粉ふいたように見える場合は、角質層までしっかり水分を届けることが大切です。
セラミドやアミノ酸は、肌の角質層まで水分を浸透させる効果が期待できます。化粧水を選ぶ際は、この2つの成分が含まれているかもチェックしましょう。
脂性肌(オイリー肌)
脂性肌はオイリー肌とも呼ばれ、水分や皮脂の分泌が多い状態です。肌が脂っぽくなったり、テカリが気になったりする方は脂性肌の可能性があります。
脂性肌は乾燥こそ気にならないものの、肌のべたつきや毛穴トラブルに悩む傾向があります。脂っぽい肌は清潔感を感じられなかったり、だらしない印象を与えてしまったりするので、男性の方は身だしなみの一環として、スキンケアで脂性肌の改善に努めましょう。
医薬部外品の薬用化粧水のなかには脂性肌に効果が期待できる商品もあるため、脂性肌が気になる方は医薬部外品の商品をチェックしてみてください。
肌のべたつきが気になる方が多は、さっぱりタイプの化粧水を試してみると良いでしょう。ただし、乾燥が原因で脂性肌になっている可能性もあるため、スキンケアアイテムの選び方には注意が必要です。
混合肌
混合肌とは、部位によって肌質が異なる状態です。口元や目元は乾燥しているのに、おでこや鼻周りなどのTゾーンは脂っぽいと感じる方は、混合肌の可能性があります。
日本人は混合肌の方が多い傾向にあり、ホルモンバランスの乱れや紫外線、エアコンなどの外部環境が、混合肌を引き起こす可能性があります。
混合肌は肌の乾燥が原因の場合が多いので、保湿効果に期待ができる化粧水を選びましょう。
肌のベタつきが気になる部分だけさっぱりタイプの化粧水を使い、乾燥が気になる部位は保湿力の高い化粧水を使う、など工夫してみてください。
普通肌
普通肌とは皮脂や水分のバランスがよく、肌が健康な状態です。乾燥やニキビ、肌荒れなど、とくに気になる肌トラブルがなければ、普通肌の可能性があります。
普通肌の方は、テクスチャーや肌との相性、化粧水の馴染みやすさなどを比較しながら、自分に合った化粧水を選びましょう。
また、季節に合わせて化粧水を変えることもおすすめです。夏など皮脂や汗の分泌が気になる季節はさっぱりタイプの化粧水を使い、秋~冬の乾燥が気になる季節は保湿効果に期待ができるしっとりタイプの化粧水を使うなど、調整すると良いでしょう。
花粉症の方は、普通肌でも花粉が飛ぶ季節に肌が荒れることがあります。スキンケアは肌の状態に合わせて行うことが大切なので、化粧水も季節や肌の状態に合わせながら使い分けてみてください。
普通肌の方でもスキンケアを怠ると、肌トラブルを引き起こしたり肌質が変化したりする場合があるので注意が必要です。肌が健康だと感じる方も、スキンケアは必要です。
メンズ向け化粧水の使い方
化粧水は肌が清潔な状態で塗布しましょう。まずは、化粧水を使う前にシェービングや洗顔で肌の汚れを落としてください。
しっかりと汚れを洗い流したら清潔なタオルで拭き、化粧水を塗布する準備をしましょう。
化粧水は適量を使うことが大切です。化粧水をたっぷり使えば保湿効果が高くなると考える方もいますが、化粧水の使い過ぎはかえって肌荒れや、肌のふやけを発生させる可能性があるので控えてください。
化粧水の適量は商品によって異なるため、必ず説明書やラベルの「使用方法」を確認しましょう。
スキンケアの手順は、手のひらに化粧水の適量を広げ、肌にパッティングするように塗布します。ゴシゴシと擦るようにして塗布してしまうと、肌を傷つけてしまう場合があるので注意してください。優しく手で顔を抑えるようにして、化粧水を肌に馴染ませましょう。
肌の乾燥が気になる方は、化粧水を塗った後に乳液やクリームで保湿ケアをしましょう。
乳液は20~30%が油分でできており、肌に馴染ませることで油膜を作ります。化粧水が蒸発するのを防いでくれるので、乾燥が気になる方は乳液も活用すると良いでしょう。
クリームは乳液よりも油分が多く、肌の水分をとじ込める役割があります。脂性肌など肌のべたつきが気になる方は、べたつきの少ないクリームでスキンケアの仕上げを行うと良いでしょう。
乾燥がとくに気になる部分は、白色ワセリンの活用がおすすめです。白色ワセリンは石油から作られた保湿剤で、肌に油膜を張り、水分の蒸発を防いだり、外部からの刺激から肌を守ったりする効果が期待できます。
白色ワセリンは不純物が少ないため刺激も少なく、肌が敏感な赤ちゃんから大人まで活用できます。肌に合う乳液やクリームが見つからない方は、白色ワセリンの使用も検討してみましょう。
肌トラブルは体の内側から改善しよう
肌トラブルを改善するためにも、メンズ化粧水だけではなく、体の内側のケアも行いましょう。
肌トラブルの予防や改善のための3つのポイントを紹介します。今日からさっそく生活習慣を見直しましょう。
栄養バランスのとれた食事
肌や体は食事によって左右されるため、健康な肌を手に入れるためには、食生活の見直しが大切です。食生活が偏りがちな方は、バランスの良い食事を心がけましょう。
バランスの良い食事とは、糖質、タンパク質、脂質などの三大栄養素を毎日の食事に摂り入れ、ビタミン類や鉄、亜鉛など肌や体の健康に欠かせない栄養素を積極的に摂取することです。
皮膚や髪の健康を維持するためには亜鉛や、肌の主成分であるタンパク質を取り入れると良いでしょう。
また、肌のハリをサポートするコラーゲンを生成するには、タンパク質やビタミンC、鉄が必要なので、ハリ不足に悩まれている方におすすめです。
ビタミン類は新陳代謝を促す効果に期待ができるため、野菜や果物から意識的に摂取しましょう。
ビタミンの種類によっては、加熱により栄養素が壊れやすいものもあるので注意が必要です。生野菜をサラダとして食事に一品プラスしたり、デザートに果物を添えたりしながら食事を工夫してみてください。
必須脂肪酸も肌のバリア機能を保つために必要な栄養素ですが、体内では作れない栄養素のため、食事から摂取しましょう。必須脂肪酸はアマニ油やごま油などの植物油に含まれているので、料理する際は植物油を使って調理すると良いでしょう。
ただし、脂性肌や混合肌の方は皮脂の分泌を促す脂っぽい食事は控え、焼き料理や蒸し料理を選ぶなど注意しましょう。
水分を十分に摂る
体が水分不足になると血液の粘度が高まり、血行不良を引き起こす可能性があります。血行不良になると新陳代謝が悪くなるほか、肌のターンオーバーが乱れる要因となるので注意が必要です。
また、運動後や汗をかきやすい季節は水分不足になりやすいので、意識的に水分補給を行いましょう。のどが渇いた状態は既に水分不足に陥っている状態なので、のどが渇く前に水分補給は行ってください。
水分補給はこまめに少しずつ行うことがポイントです。
ただし、コーヒーや紅茶などカフェインを含んだ飲み物は利尿作用があるため水分補給にはおすすめできません。水やノンカフェインのお茶、お湯や生姜湯、ハーブティーなどの飲み物で水分補給を行いましょう。
ビタミン類が含まれたスポーツ飲料は、肌ケアにもおすすめです。ただし、スポーツ飲料などの清涼飲料水には糖分がたくさん含まれているので、飲み過ぎは肥満や糖の摂り過ぎの要因となるため注意しましょう。
また、冷たい飲み物を飲み過ぎると体が冷えて新陳代謝が悪くなるため、なるべく常温や温かい飲み物で水分補給を行うようにしてください。
規則正しい生活を心がける
生活が不規則な方は、まずは十分な睡眠時間を確保することが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の修復や再生を促すとされています。
睡眠不足が続いたり、不規則な生活で就寝時間が遅かったりすると、成長ホルモンの分泌量が減る可能性があります。成長ホルモンの分泌を促して肌トラブルのない健康な肌を手に入れるためにも、普段からきちんと睡眠を取りましょう。
ただ長く眠るだけではなく、睡眠の質にもこだわることが大切です。しっかり睡眠を取ったのに朝も疲れが残っている方は、睡眠の質が下がっている可能性があります。
睡眠の質を高めるためにも、寝る前にテレビやスマホを見ないなど、工夫をしてみましょう。
また、ストレスは自律神経の乱れやホルモン乱れを引き起こし、肌のターンオーバーが正常に働かなくなる場合があります。この肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が肌に残ったままとなり、肌トラブルを引き起こすリスクが高まります。
ストレスを溜めないためにも、入浴時間を充実させたり適度な運動を取り入れたりしながらリフレッシュをしていきましょう。
肌に合ったメンズ化粧水を探してみよう!
男性も化粧水を使って毎日きちんとスキンケアを行いましょう。肌は見た目年齢を左右する1つの要因となるため、スキンケアを始めてみてはいかがでしょうか。
スキンケアは肌表面だけでなく、食生活の見直しや意識的な水分補給、睡眠不足の改善やストレスの発散など、体の内側からのケアも意識することも大切です。肌トラブルを引き起こさないために、外側からも内側からもケアしていきましょう。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
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川﨑医師よりコメント
乾燥してかさかさしている場合と、皮脂が多くてフケのようにカサカサとなる場合があります。保湿を沢山しても治らない場合は、医療機関で相談してみるのもいいでしょう。