コラム
COLUMN
肌荒れが起こると、メイクのノリが悪くなり、見た目も気になることがあるかもしれません。そのような不快な症状によって、多くの女性が肌の状態に悩まされるのではないでしょうか。
肌荒れは原因がわかれば、改善につながる可能性があります。今回は「肌荒れの原因」を解説すると共に改善方法を紹介します。肌トラブルのない健康的な肌を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
肌荒れの主な症状と特徴
まずは肌荒れの主な症状について紹介していきます。自分の症状がどのようなものなのか確認してみてください。
ニキビ・吹き出物
ニキビとは、肌の表面にポツポツと膨れた出来物のことを指します。ニキビは思春期の世代によく出ます。これは皮脂の分泌が活発になることによる場合があります。
また、大人になってからできるニキビを吹き出物と呼ぶことがあります。吹き出物は皮脂分泌量が多いことよりも、ホルモンバランスの乱れなど体調が原因になっている場合があります。
ニキビや吹き出物は、初期症状は痛みがないことが多いですが、炎症を起こして赤く腫れると痛みを感じる場合があります。
ニキビは状態によって分類されており、ここでは白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビについてご説明します。
白ニキビは初期症状の段階です。毛穴表面はまだ閉じていますが、毛穴に皮脂が詰まり白い発疹が見えます。
白ニキビが少し進行すると黒ニキビになります。毛穴表面が開いた状態になるので、皮脂が盛り上がり、空気と触れます。皮脂が次第に酸化して変色するため、発疹が黒く見えます。
白ニキビや黒ニキビからさらに悪化すると赤ニキビの段階になります。赤ニキビは皮脂に細菌が繁殖することにより炎症を起こしているので、発疹が赤く腫れます。
黄ニキビは、赤ニキビが悪化すると生じます。細菌が繁殖して炎症を起こした皮脂が化膿し、黄色い膿が毛穴に溜まるため、発疹が黄色く見えます。
肌のカサつき
肌が乾燥するとカサつき始めます。カサつき以外にも肌がつっぱるように感じることもあります。
乾燥がひどく進むと水分が足りずに保持できなくなった表面の皮膚が剥がれ落ち、白く粉がふいたように見えることもあります。
毛穴の開き
頬や鼻などの毛穴が大きく開いて見える状態も肌荒れの一種です。皮脂分泌が過剰であることが原因の場合が多く、皮脂の多く出やすいTゾーン周辺によく起こります。脂性肌、あるいは男性にみられることが多い症状です。
また、毛穴に皮脂や古い角質が詰まると角栓となりますが、その角栓を除去すると、あとの毛穴は開きっぱなしの状態になってしまうので、角栓を取り除くケアには注意が必要です。
湿疹・皮膚の炎症
湿疹は皮膚疾患の1つです。肌に赤みのある斑点があったり、ブツブツとした出来物が出来たりします。皮膚が炎症を起こすと痛みやかゆみの症状となってあらわれます。
原因は、摩擦を加えたり、かきむしったり、ハウスダスト、花粉、ダニなど、皮膚表面に接触する何らかの外的異物や外的刺激が挙げられます。
また、個人の皮膚の健康状態、皮膚のバリア機能の強さ、皮脂の分泌量なども原因となることがあります。
肌荒れの原因
肌荒れの原因として代表的なのは以下の6つがあります。
食生活の乱れ
偏った食生活は肌荒れを引き起こす要因とされています。
例えば、糖質や脂質の多い食事ばかり食べているとニキビができやすくなります。丼物や麺類など一品料理で食事を済ませがちな方も炭水化物が過剰になっていたり、野菜が不足していたりなど、栄養バランスが偏っている可能性があります。
白米より玄米や雑穀米、糖質や脂質よりタンパク質や野菜を中心とした食事内容に切り替えてみると良いでしょう。
ただし、糖質や脂質も健康のために必要な栄養素なのでバランスよくそれぞれを摂取するという意識が大切です。
ストレス
過度なストレスは自律神経の乱れに繋がり、体調の異変が起こる場合があります。
体調以外にも自律神経が乱れると、肌の新陳代謝が低下するため古い角質が肌表面に残ってしまい角質層が厚くなることや、皮脂の過剰分泌など肌も調子が悪くなり肌荒れの要因となります。
睡眠不足
睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が低下するといわれています。成長ホルモンは肌の新陳代謝を良くし、ターンオーバーを正常に働かせるのに役立っているので肌の健康にとても重要な役割を持っています。
したがって、睡眠不足になると成長ホルモンの作用が不足し、肌の調子が狂うことで肌荒れを引き起こす原因となります。
気温の低下
季節の変わり目など、気温が低くなる時期は空気が乾燥し、肌も乾燥しやすくなります。
肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、ホコリや紫外線など外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。肌荒れの原因は外部からの刺激も大きく関わるため、バリア機能の低下をきっかけに、肌荒れを引き起こす可能性があります。
花粉などのアレルゲン
花粉やハウスダストなど、アレルギーが原因で肌荒れを引き起こす可能性もあります。
とくに肌が乾燥しやすい季節はバリア機能が弱まり、肌にアレルゲン物質の刺激が加わりやすくなるので、肌に花粉などが付かないようにするなど工夫が必要です。
間違ったスキンケア
洗顔やクレンジングを何度も行ったり、力を入れてごしごしと洗顔したりと、間違ったスキンケアも肌荒れの原因になります。
間違ったスキンケアによって肌に摩擦やダメージを与え、必要な皮脂まで洗い流してしまうなどは乾燥を引き起こす原因になります。
肌荒れの改善方法
ここまで肌荒れの原因についてお話してきました。次に肌荒れの改善方法をいくつか紹介しますので、原因をしっかり把握したうえで、自分に合った改善方法を見つけていきましょう。
適切に洗顔をする
洗顔で肌に付着した汚れや皮脂、古い角質を除去して清潔にする必要があります。
ただし、洗浄力の強い洗顔料は必要な皮脂まで洗い流して肌荒れの原因になるため、低刺激性の洗顔料を使うと良いでしょう。
洗顔料はしっかりと泡立てて、直接肌をこすらないように、摩擦をなるべく減らすことを意識しながら優しく洗いましょう。
化粧水や乳液で保湿する
肌の乾燥を防ぐためにも、洗顔後や入浴後はすばやく保湿ケアを行いましょう。
化粧水で肌に水分を与え、乳液やクリームで水分の蒸発を防ぐという順番が大切です。
敏感肌の方や乾燥肌の方にはヘパリン類似物質も保湿効果が期待できる成分です。刺激が少なく、肌内部での水分保持力があるのでスキンケアに取り入れたいアイテムの一つです。
部分的に乾燥が気になる箇所には保湿力の高い白色ワセリンを使ってみるのも良いでしょう。
十分な睡眠をとる
睡眠不足による成長ホルモンの分泌を低下させないために普段から十分に睡眠を取ることが大切です。
眠りの質が悪い方は、質の良い睡眠を目指しましょう。朝晩決まった時間に起床就寝するといったように、規則正しい生活を心がけることで眠りの質の向上にもつながります。
栄養バランスのとれた食事を心がける
栄養バランスの整った食事を心がけましょう。糖質は肌に必要なビタミンBを多く消費してしまうため、適度な量で済ませましょう。
脂質の摂り過ぎは皮脂の過剰分泌に繋がる可能性があるため、こちらも適切な量で済ませます。また、味の濃い食べ物や塩分の多く含まれた食べ物は肌細胞の水分を失う要因となる場合もあるので、薄味を意識することも大切です。
肌荒れの改善に効果が期待できる栄養素
肌荒れ改善効果に期待できる栄養素をご紹介します。これらの栄養素・食べものを参考にバランスの良い食事を心がけると肌荒れの改善に期待できます。
タンパク質
タンパク質は肌のうるおいをキープするために欠かせない栄養素の1つです。積極的に摂取しましょう。
タンパク質が多く含まれている食品としては、肉類、魚介類、乳製品、卵類、大豆製品などが挙げられます。
例えば、納豆やヨーグルト、卵料理は取り入れやすいと思うので、毎日の食事にプラスしてみましょう。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを作るのに必要な栄養素の1つです。シミやそばかすを防ぐ効果にも期待ができるといわれています。
ビタミンCは野菜や果物に含まれている栄養素で、パプリカ、ブロッコリー、キウイ、いちご、キャベツ、ジャガイモ、サツマイモなどが代表的です。
ビタミンE
ビタミンEは肌を紫外線から守ったり、細胞の老化を防いだりする効果に期待ができます。
アーモンドやラッカセイなどのナッツ類、ごま油やオリーブオイルなどの植物性油に多く含まれています。野菜では、赤ピーマンや紫蘇、ニラにもビタミンEが含まれています。
ビタミンA
ビタミンAは皮脂や粘膜を健康な状態を保つ役割に期待ができる栄養素です。肌のうるおいをキープするためにも必要なので、しっかり適切な量を摂りましょう。
ビタミンAは主に野菜に含まれており、ほうれん草やニンジンなど色の濃い野菜(緑黄色野菜)が代表的です。その他に、レバーやのり、うなぎにも含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれており、皮膚の健康に必要な栄養素です。皮脂の分泌量を調整する効果にも期待ができるともいわれています。
魚介類や肉類、大豆製品や乳製品、海藻類や野菜類に多く含まれています。その他にレバーや魚肉ソーセージ、納豆やチーズ、卵などにも含まれています。
肌荒れの原因を把握して健康的な肌を目指そう!
肌荒れの原因はさまざまなので、自分の肌荒れが何によって起こったのかを見極めて、対処法を試してみましょう。
肌荒れは見た目にも気になりますが、見た目だけではなく不快な症状を伴うため日頃から予防することが大切です。
適切なスキンケアや、肌荒れ改善に役立つ食事を心がけて、肌トラブルのない健康な肌を手に入れましょう。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
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川﨑医師よりコメント
体調や生活習慣の乱れ、日々の食事内容に偏りがあると、皮膚に影響を及ぼすことが知られています。水分をよくとって、健康的な生活を送ることは、体の中からのスキンケアになりますので、心掛けておきましょう。