コラム
COLUMN
年齢を重ねると、シミやシワなどの肌悩みが増えてしまいがち…。その肌悩みの1つが乾燥肌です。20代では気にならなかったのに、30代になると徐々に目元や口元のカサつきが気になるという方も増えてきます。
そして、さらに40代、50代と年齢が上がるにつれて、乾燥に関する悩みは深刻になっていく傾向にあります。そこで今回は、乾燥肌と年齢の関係、年代別のスキンケアのポイントを併せて紹介します。
乾燥肌と年齢の関係
本来、肌には乾燥や外部刺激から守る「バリア機能」が備わっており、うるおいをキープすることができます。しかし年齢を重ねると、バリア機能の維持に必要な皮脂などの分泌量が減っていくのです。
バリア機能が低下すると肌内部の水分が蒸発し、乾燥肌になってしまいます。そのため、年齢を重ねるにつれて、乾燥肌になりやすくなると考えられています。
そもそも乾燥肌とは?
乾燥肌とは、水分や皮脂が不足している状態で、パサつきやガサガサとした感触が気になることがあります。乾燥肌になると表面がひび割れて見えたり、フケのような粉ふきが見られたりと見た目に影響が出ることも。
見た目に変化がなくても、入浴後や洗顔後に肌がつっぱるような感覚があれば、乾燥肌の可能性があるので要注意です。
乾燥肌の原因
本来、健康な状態であれば、うるおいを守ることができる肌。しかし肌は年齢だけでなくさまざまな影響を受けて、乾燥しやすくなってしまいます。そこで、乾燥肌の原因とその対処方法を紹介していきます。
●乾燥肌の原因①:加齢
前述したとおり、加齢は乾燥肌の原因の1つだと考えられています。加齢により皮脂などの分泌量が減少し、バリア機能が低下してしまいます。
バリア機能は肌内部に蓄えられた水分の蒸発を防いだり、外部刺激から守ったりする役割を果たしているため、正常に働かなくなると乾燥肌になってしまうのです。
乾燥肌にならないために重要なバリア機能を保つためには、スキンケアなどでうるおいを与えることが不可欠です。とくに年齢を重ねるとバリア機能が衰えてしまうので、化粧水や乳液、クリームなどを活用しましょう。
また、加齢により女性ホルモンが減少することも乾燥肌の原因だといわれています。女性ホルモンの一種「プロゲステロン」は、肌のうるおい保持をサポートする役割を果たしているため、減少すると肌が乾燥しやすくなるといわれています。
●乾燥肌の原因②:栄養不足
肌をつくる材料となる食事も、乾燥肌に関わる大切な要素です。栄養バランスが偏った食事をしていると、肌に必要な栄養素が十分に摂取できない可能性があります。
とくに丼ものやパスタといった単品料理や、外食、惣菜だけで食事を済ませている方は注意が必要です。
健康な肌を保つためには、タンパク質や必須脂肪酸、ビタミン類などの栄養素が必要なので、普段から意識的に摂取するようにしましょう。
●乾燥肌の原因③:紫外線や空気の乾燥などの外的要因
紫外線や空気の乾燥などの外的要因は、乾燥肌の原因となる可能性があります。紫外線を長時間浴びると日焼けをし、角質層が炎症した状態になってしまう場合があります。
日焼けによってダメージを受けることで、バリア機能の低下を招きます。その結果、乾燥肌になりやすくなるので、日焼けをしないように日焼け止めを塗るなど紫外線対策をするようにしましょう。
また、空気が乾燥していると肌の水分が蒸発し乾燥してしまいます。室内は加湿器などを使い、適切な湿度をキープしましょう。
とくに冬場は、エアコンやヒーターで部屋の湿度が低くなりがちです。加湿器がない場合は、濡れタオルを干すだけでも加湿できますので、ぜひ試してみてください。
間違ったスキンケアが乾燥肌を引き起こすことがある
肌を綺麗にするために行うスキンケアですが、実は方法を間違えると乾燥肌を引き起こす原因となる可能性があります。
洗浄力が強いクレンジングや洗顔料を使用すると、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。さらに洗顔をするときに強くこすったり、洗顔後にゴシゴシ水分をふき取ったりすると、肌にダメージを与えてしまうことも。
また、洗顔後やスキンケア後に肌がヒリヒリする場合は、使用している商品が肌に合っていない可能性もあります。スキンケアはご自身の肌に合ったものを選び、適切な方法で行うことが大切です。
年齢別にみるスキンケアのポイント
肌の状態は、年齢とともに変化していきます。そこで、20代~50代の年代別にスキンケアのポイントを解説します。
しかし肌の状態には個人差がありますので、あくまで目安となります。スキンケアは、ご自身の肌に合ったアイテムと方法で行うことが一番大切です。
●年齢別スキンケア方法:20代
20代は皮脂の分泌量が多く、肌の乾燥を感じない方も多いのではないでしょうか。しかし、油断せずバリア機能を維持するためにも、化粧水だけではなく乳液などの保湿化粧品も併せて使うようにしましょう。
また、ニキビができやすい方は、余分に分泌された油分をしっかり洗い流すクレンジングや洗顔料を検討するのもよいでしょう。
●年齢別スキンケア方法:30代
30代は肌のハリ不足や毛穴の開きなど、さまざまな悩みが出てきやすい年代で、エイジングケアを意識する方も多いのではないでしょうか。また、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」が乱れやすく、バリア機能も低下しがちだといわれています。
まず洗顔とクレンジングで汚れやくすみを落として、化粧水や乳液、クリームなどを使って肌にうるおいを与えます。基礎化粧品は、初期のエイジングケアができるアイテムを選んでみてもよいでしょう。
●年齢別スキンケア方法:40代
40代はシミ、シワ、たるみなど年齢による肌悩みが増加してくるので、本格的にエイジングケアをはじめる方も多いのではないでしょうか。
洗顔やクレンジングは洗い過ぎないことを意識し、皮脂が出やすいTゾーンから洗いはじめ、皮膚の薄い目元口もとはこすらないようにします。
基礎化粧品は肌悩みに合わせて、コラーゲンなどが配合されたアイテムを検討するのもよいでしょう。紫外線はシミやシワ、たるみの原因となる可能性があるので、UVケアもしっかり行います。
また、スキンケアを行うときは、肌に負担をかけない程度に優しく引き上げるように行うこともおすすめです。
●年齢別スキンケア方法:50代
50代になると、ホルモンバランスが崩れがちになり、皮脂の分泌量の減少やターンオーバーの長期化も気になるようになってきます。
そのため50代の肌は乾燥しやすくなっている場合もあり、刺激の少ない基礎化粧品を使い、優しく労わりながらケアをすることが大切です。洗顔料もしっかり泡立ててから使い、洗うときも肌を摩擦しないように注意しながら行ってください。
また、エイジングケアに特化したアイテムも多数販売されているので、ご自身の肌悩みに合わせて使ってみるのもひとつの方法です。
適切なスキンケアで乾燥肌対策!うるおいのある若々しい肌を手に入れよう
乾燥肌の原因は、年齢以外にも栄養不足や、紫外線などの外的要因も考えられます。生活習慣の乱れやストレスも乾燥肌に影響する可能性があるので、規則正しい生活を心がけることも大切です。
加齢が肌に与える影響を理解し、年齢や肌質に合った適切なスキンケアで乾燥肌を予防しましょう。
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる。
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。
テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。
NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。
著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
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工藤医師よりコメント
乾燥肌が進み、肌年齢が低下すると、見た目も老けてみられがちになってしまいます。肌の状態は年代によって変化しますので、年代別に応じた、ご自身に合ったスキンケアを行うことが大切です。