コラム
COLUMN
「自身の肌が汚い」「スキンケアの効果が現れない」と感じているが、解決方法が見つからず悩んでいる方は多いかもしれません。
肌が汚くなる原因は、主に肌トラブルです。肌をきれいにするためには、自身の肌にどのような肌トラブルが起きているのかを知る必要があります。
今回は、肌が汚く見える肌トラブルの種類と、肌が汚くなる外的要因・内的要因を紹介します。きれいな肌の特徴と汚い肌への対策方法も解説するので、肌に関する悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。
肌が汚く見える肌トラブル
肌の汚さを改善したいと考えるなら、肌が汚く見えてしまう肌トラブルを知り、自身が何に当てはまるのかを知る必要があります。
肌トラブルの原因を理解すれば、対処や予防がしやすくなるでしょう。以下では、肌が汚く見えてしまう肌トラブルを紹介していきます。
ニキビ・クレーター
ニキビの正式名称は「尋常性ざ瘡」といい、皮膚疾患のひとつです。見てわかる炎症や膿疱ができ、過剰な皮脂・毛穴のつまり・アクネ菌の増殖による炎症が原因です。
思春期に発症する方が多く、おなじみの症状だと楽観視しやすいですが、治ったあとにも炎症の赤みやクレーターが残る可能性があるので注意が必要です。
ニキビは適切なケアをしないと悪化することがあり、悪化するとニキビ痕やクレーターが残りやすくなります。ニキビ痕やクレーターは治りにくい傾向にあるため、気になる方は皮膚科に相談しましょう。
毛穴の開き
毛穴が開いていると毛穴が目立ち、肌が汚く見えます。正常な皮膚であれば、肉眼で毛穴は認識できません。
毛穴の開きの原因は、10~20代のときに過剰に分泌された皮脂が毛穴につまるのが要因の1つとされています。また、40~50代になると真皮コラーゲンが減少して皮膚表面がたるみ、毛穴が大きくなりやすいです。
黒ずみ(色素沈着)
肌に黒ずみ(色素沈着)があると、肌が汚く見えます。肌の黒ずみは、慢性的な刺激や炎症によりメラニン色素が増えるのが原因です。
具体的には、ニキビや掻きすぎ、マスクによる摩擦、紫外線などが挙げられます。黒ずみを擦るとさらに悪化する可能性があるので注意が必要です。
乾燥
乾燥はあらゆる皮膚トラブルの原因になります。毛穴の広がり、くすみも乾燥が原因であることが多いです。肌が乾燥すると、肌の透明感がなくなり、シワも目立ちやすくなります。
乾燥により、肌が白く粉を吹いた状態は健康的で美しい肌とはいえません。乾燥した肌は刺激に弱く、アトピー性皮膚炎をはじめとしたさまざまなトラブルの原因になります。
シミ・そばかす
一般的なシミは、顔や手の甲など日に当たりやすい箇所にできるのが特徴です。はじめは薄い茶色ですが、加齢により濃くなる傾向があります。
シミの一種である肝斑は、頬骨の高い位置にできやすいです。皮膚の摩擦やストレス、ホルモンバランスの乱れが原因で発生します。そばかすは、遺伝によってできる場合が多いです。
肌が汚くなる主な原因
肌が汚く見える肌トラブルの原因には、外的要因と内的要因があります。きれいな肌を目指すなら、外的要因と内的要因の両方を理解しておきましょう。
以下では、肌が汚くなる要因を外的要因と内的要因に分けて紹介します。
肌が汚くなる外的要因
肌が汚くなる外的要因は、以下になります。
- 間違ったスキンケアを行っている
- 紫外線対策をしていない
- 寝具が清潔でない
- ニキビや炎症が起きている場所を触る
- 空気の乾燥
スキンケアをしても、やり方が間違っていると肌トラブルにつながります。また、空気の乾燥は乾燥肌の原因、紫外線はシミの原因となります。
ニキビをはじめとした肌トラブルを予防するには、肌を清潔に保つことが大切です。手には雑菌がついているので、顔をよく触る方は注意しましょう。雑菌がつきやすい枕カバーも清潔に保つよう心がけましょう。
肌が汚くなる内的要因
肌が汚くなる内的要因は以下になります。
- 不摂生な食生活
- 睡眠不足
- 不規則な生活
- ホルモンバランスの影響
食生活や睡眠など、生活リズムが整っていないと、肌トラブルが起きやすくなります。生活習慣の乱れは、肌が生まれ変わるためのターンオーバーも正常に行われなくなります。
また、女性はホルモンバランスの影響で肌トラブルが起きることが多いです。自身の生理周期を把握し、肌がいつどのような状態になるかを記録しておくと良いでしょう。自身の肌の変化を把握していれば、そのときの肌に合った対処ができるようになります。
健康的で美しい肌の特徴
健康的で美しい肌の特徴は以下になります。
- うるおいがある
- キメが細かく整っている
- ハリがある
- 毛穴が目立たない
- 血色が良い
- 透明感がある
- 肌トラブルが少ない
一般的には、これらの条件に当てはまる肌が美しいと評価されます。肌の汚さは内的要因にも関係するので、美しい肌の方は健康的ともいえるでしょう。
【スキンケア編】肌が汚いときの対策方法
肌の汚さを改善するためには、適切なスキンケアを行う必要があります。以下で紹介する点に気をつけながらスキンケアを行えば、肌トラブルが起きる可能性を低くでき、肌質の改善も期待できるでしょう。
皮脂や肌の汚れをきちんと落とす
スキンケアは、皮脂や肌の汚れをきちんと落とすことからはじまります。皮脂や肌の汚れをきちんと落とさないと、ニキビや湿疹などの肌トラブルにつながります。
日焼け止めやファンデーションを使っている方は、洗顔だけでなく必ずクレンジングも行うようにしましょう。
適切な洗顔方法は以下になります。
- ぬるま湯で顔をすすぐ
- 洗顔料をよく泡立てる
- 1分程度を目安に、強くこすらずに洗顔する
- 洗顔料が残らないようしっかり洗い流す
使用するお湯の温度が高いと肌に必要な油分が流れてしまい、乾燥肌の原因となります。必ずぬるま湯を意識しましょう。洗顔料をしっかり泡だて、肌をこすらないようにするのもポイントです。
肌に残った洗顔料は、肌トラブルの原因になります。流し残しに注意し、洗顔後は清潔なタオルで優しく水分を拭き取りましょう。
肌に合った保湿ケアをする
肌をきれいにしたいなら、まず保湿ケアに注力しましょう。肌が乾燥すると皮膚のもつバリア機能が弱まり、外部の刺激を受けやすくなります。
「脂性肌だから保湿は必要ない」と考えている方もいますが、それは間違いです。皮脂の過剰分泌は、そもそも乾燥肌が原因の可能性もあります。
どの肌タイプであっても保湿ケアは必要です。保湿ケアアイテムには、乾燥肌から脂性肌までさまざまな種類があるので、自身の肌質に合ったアイテムを選びましょう。
紫外線対策をする
紫外線はシミ・そばかすの原因になるので注意しましょう。また、紫外線には皮膚の老化を加速させる作用もあります。紫外線が原因で起きる老化は、光老化と呼ばれています。
肌の汚さを改善したい場合は、しっかりと紫外線対策も行いましょう。紫外線対策方法は以下になります。
- 日焼け止めを使用する
- 帽子・日傘を使用する
- UVカットの衣類を着用する
- なるべく紫外線が強い時間帯に外で活動しない
紫外線は肌トラブルだけでなく、皮膚がんの原因にもなります。日本では比較的発症率が低いですが、紫外線予防は日頃からしておきましょう。
【体の内側からのケア編】肌が汚いときの対策方法
肌の汚さを改善するなら、スキンケアだけでなく体の内側からのケアも行いましょう。体の内側からのケアとは、食生活をはじめとした普段の生活習慣です。
以下では、肌に良い生活習慣を紹介していきます。
食生活を見直す
肌をきれいにしたい方は、油っぽい食べ物や甘いものの摂取を控えましょう。油っぽい食べ物や甘いものを食べすぎると、皮脂腺が刺激されて皮脂の分泌量が多くなります。皮脂が過剰分泌すると毛穴がつまり、ニキビができやすくなります。
ファストフードやインスタント食品を食べることが多い方も食生活を見直しましょう。
肌に良い影響を与える栄養素と食べ物は以下のとおりです。
栄養素の種類 | 食べ物 | 働き |
タンパク質 | 卵・牛乳・肉類・魚類 | 皮膚・筋肉など体をつくる |
ビタミンA | 卵・チーズ・レバー | 粘膜の働き、新しい肌をつくるサポートをする |
ビタミンB2、B6 | 緑黄色野菜・納豆・牛乳 | 肌・粘膜の機能を正常に保つ |
ビタミンC | 果物・ブロッコリー | コラーゲンの生成をサポートする |
ビタミンE | ナッツ類・大豆 | 肌の代謝を活発にする |
亜鉛 | 牡蠣・豚肉・牛肉 | 細胞分裂をサポートする |
きれいな肌になるためには、肌に悪影響のある食べ物を避け、良い影響のある食べ物を積極的に摂りましょう。
十分に睡眠をとる
睡眠不足は肌質の悪化につながります。睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌が乱れ、肌のターンオーバーが正常に行われなくなる可能性があります。また、睡眠不足は抵抗力や免疫力の低下につながるので、肌トラブルが起きやすくなります。
成長ホルモンが分泌されやすいのは、入眠してから3~4時間後です。寝付きの悪さに悩んでいる方は、寝る2~3時間前くらいにお風呂で体を温めると、入眠しやすくなります。
明るい光は眠気を遠ざけるので、寝る前は部屋を暗くしましょう。また、なるべくテレビ、パソコン、スマートフォンを見ないようにするのもポイントです。
運動習慣を身につける
運動は血流の促進、ターンオーバーの正常化にもつながります。そのため、運動習慣のある方のほうが皮膚の水分量が多く、肌のキメが整っている傾向にあります。
運動習慣がない方でも激しい運動をする必要はなく、有酸素運動や筋力トレーニング、ストレッチなどで十分です。自身の負担にならない運動からはじめてみましょう。
健康的で美しい肌を目指すためのおすすめ成分
健康的で美しい肌を目指すためのおすすめ成分は以下のとおりです。
- セラミド
- トラネキサム酸
- ヘパリン類似物質
それぞれの成分について詳しく解説していきます。
セラミド
セラミドはもともと皮膚の角質層にある成分ですが、加齢により減少します。セラミドは、水分の蒸発を防ぎ、肌のバリア機能を保つ役割があります。
スキンケアアイテムに含まれているセラミドは、人間の皮膚にあるセラミドに似せて作られています。
種類は、天然セラミド、植物性セラミド、ヒト型セラミド、疑似セラミドなどがあるので、スキンケアアイテムに含まれているかチェックしてみましょう。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、シミやそばかすの予防に期待できる成分です。人工的につくられたアミノ酸の一種で、肝斑に効果がある成分として認められています。
紫外線によって作られる黒色メラニンの生成を抑制するので、肌の色素沈着を防ぎたい方におすすめです。
トラネキサム酸に入ったスキンケアアイテムを選ぶ際には、トラネキサム酸の濃度や保湿成分にも注目しましょう。
ヘパリン類似物質
ヘパリン類似物質とは、人の肝臓でつくられる糖類の一種「ヘパリン」に似た成分です。高い親水性と保水性を持っており、角質層に浸透して肌が汚くなる原因である乾燥や炎症を予防できます。
薬などのアレルギーを起こしたことのある方や症状の重い方は、薬剤師や皮膚科に相談してから使用しましょう。
肌トラブルへの対策をして健康的で美しい肌を目指そう
肌が汚く見える原因には、ニキビやニキビ痕・毛穴の開き・黒ずみ・乾燥・炎症・シミ・
そばかすなどが挙げられます。肌が汚くなる肌トラブルの原因には、外的要因と内的要因があり、それぞれに注意しなければなりません。
スキンケアアイテムを選ぶ際には、自身の肌質に合ったものを選ぶのに加え、セラミド、トラネキサム酸などの成分が配合されたものを選ぶのがおすすめです。乾燥肌に悩んでいる方は、ヘパリン類似物質の保湿剤を試してみるのも良いでしょう。
日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。
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泉医師からのコメント
透明感のある美しい肌を作るには、スキンケアなど外側のケアと、食事から摂る水分や栄養など内側のケア両方が大切です。また、生活環境を整え、食事や睡眠のリズムを正すことも重要になります。美肌は一日にして成らず、毎日の小さな積み重ねがとても大切です。