コラム
COLUMN
毛穴の黒ずみは、見た目も悪いだけではなく、ザラザラとした肌触りが気になる方も多いでしょう。きちんと肌ケアを行っているつもりでも、間違ったスキンケアが毛穴の黒ずみの原因となっているかもしれません。
今回は「毛穴の黒ずみの原因」や「スキンケアの注意点」「除去方法」を紹介します。毛穴の黒ずみが気になる方はぜひ参考にしてください。
毛穴に黒ずみが出てくる原因
毛穴が黒ずむ3つの原因を紹介します。
角質
角質はケラチンというタンパク質からなる、肌表面の死んだ細胞です。角質が肌表面にあることで、外の刺激から肌を保護するなど肌にとっては重要な役割を果たしています。
角質が毛穴に詰まる原因は、肌の乾燥による皮脂の過剰分泌や、メイク汚れ、加齢が要因と考えられます。
角栓
皮脂や古い角質が毛穴に詰まると角栓となります。通常、肌のターンオーバーによって不要な皮脂や角質は排出されるので毛穴はさほど詰まることはありません。
しかし、ターンオーバーが乱れると、皮脂や古い角質などが上手く排出されず、毛穴が詰まった状態のままになってしまいます。
角栓の初期状態は白っぽい色味ですが、長時間詰まったままだと角栓が酸化し「毛穴の黒ずみ」へと変化します。
また、毛穴でメラニン色素が過剰分泌され、色素沈着すると毛穴の黒ずみになる場合もあります。
毛穴に角栓が詰まっていないのに、鼻が黒ずんでいるという方は、もしかするとメラニン色素による色素沈着が黒ずみの原因かもしれません。
産毛
産毛が毛穴の黒ずみに見えることもあります。剃毛などで産毛の太い部分が毛穴の断面に立つと、角栓のように毛穴が黒ずんで見えます。
産毛が毛穴の黒ずみの原因の場合は、脱毛などのケアで改善できる場合があります。自分の毛穴の黒ずみが産毛かどうか判断できない方は、一度医療機関で診てもらいましょう。
毛穴の黒ずみを除去する際の注意点
毛穴の黒ずみを除去しようと、一生懸命にケアに取り組む方も多いのではないでしょうか。しかし、ケアの仕方を間違えてしまうと、かえって毛穴トラブルを悪化させる可能性があるため注意が必要です。
以下では毛穴ケアで気を付けたいポイントを3つ紹介します。
毛穴の角栓を絞り出す行為
毛穴の黒ずみが気になるからと、無理に角栓を指や器具で絞り出す行為は肌に負担がかかります。角栓を絞り出す際に肌に傷が付いたり、毛穴が開いたままの状態になったりと、かえって毛穴や肌の状態を悪化させる可能性があるので注意しましょう。
また、角栓が抜けた毛穴は目立ちやすく、一度毛穴が開くと、セルフケアでは改善しにくい傾向にあるので、角栓を絞り出す行為は控えてください。
角栓パックをやりすぎない
角栓パックや毛穴パックと呼ばれる粘着力の強いパックは、すぐに角栓除去の効果を実感できるため利用する方も多いでしょう。
しかし、角栓パックは粘着力が強いため、肌を傷つけるほか、以前よりも毛穴が広がってしまう可能性があります。
広がった毛穴に皮脂や角質が詰まるとまた角栓ができるため、毛穴の黒ずみが何度も繰り返されてしまいます。毛穴の黒ずみを根本的に改善したい方は、ほかの方法で毛穴ケアを行いましょう。
洗顔の際に肌を強く擦る
黒ずみが気になり、毛穴をきれいにしようと肌をゴシゴシと強く擦るように洗っていませんか?
肌を強く擦ると必要な皮脂や角質まで洗い流れてしまうので、乾燥肌や毛穴トラブルの引き金となる可能性があるので注意しましょう。
また、強い摩擦は肌を傷めつけ、炎症を起こしたり毛穴の詰まりを悪化させたりする要因となるので控えてください。毛穴の黒ずみを改善したい方は、毛穴ケアに適切な洗顔方法で洗うようにしましょう。
毛穴の黒ずみを除去する方法
毛穴の黒ずみを自分でケアする3つの方法を紹介します。
洗顔(クレンジング)前にホットタオルで皮膚を温める
洗顔やクレンジング前に、ホットタオルを顔に乗せると毛穴が開いて皮脂や汚れが取り除きやすくなります。ホットタオルを活用すれば皮下組織の血流も良くなるため、肌の代謝を促す効果も期待できます。
ホットタオルは自宅でも簡単に作れるので、今日からさっそく試してみましょう。清潔なタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジ(500~600W)で30秒~60秒ほど加熱して完成です。
塩素による肌への刺激が気になる方は、軟水のミネラルウォーターを使ってホットタオルを作ると良いでしょう。
洗顔(クレンジング)は擦らないように行う
洗顔やクレンジングの際に、肌に摩擦が加わると毛穴周りでメラニン色素が過剰生成されたり、蓄積したりする可能性があるため注意が必要です。
洗顔やクレンジングは肌を強く擦らず、優しくマッサージするようにケアしましょう。
洗顔はよく泡立て、直接肌を擦らないように泡を転がすように優しく洗うのがポイントです。洗い流す際も、水をバシャバシャと顔にかけるようにしながら、手と肌が触れないように意識してください。
洗顔はTゾーンなど、皮脂の多い部分から洗い始めることをおすすめします。熱すぎるお湯は乾燥肌の要因となるため、34~38度のぬるま湯を使いましょう。
角質ケアができる化粧水を使ってみる
角質が気になるからといって、無理に取り除く行為は控えてください。角質は自然に落とすように心掛けることが大切です。
効率的に角質ケアを行いたい方は、肌を保湿しながら古い角質を取り除く効果に期待ができる、角質ケアに特化した化粧水を活用しましょう。
ただし、乾燥肌の方はより肌が乾燥しやすくなるため、肌質によっては合わないかもしれません。乾燥肌が気になる方は、角質ケア化粧水の使用後にしっかりと保湿を行ってください。
毛穴の黒ずみを予防する方法
毛穴の黒ずみを改善するには、まず毎日の洗顔方法を見直す必要があります。肌を強く擦りつけていないか、今一度確認してみましょう。
洗浄力の強い洗顔料も肌に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があるので、避けてください。
乾燥肌は皮脂の過剰分泌を引き起こし、毛穴が詰まったり、ニキビなどの肌トラブルを引き起こしたりする場合があるので、きちんと保湿することが大切です。
スキンケアは化粧水だけではなく、乳液やクリームも併用して保湿しましょう。とくに敏感肌の方は、ヘパリン類似物質が配合されたスキンケア商品もおすすめです。
ヘパリン類似物質は保湿力に優れながらも、肌への負担が少ない成分です。デリケートな肌の方でも愛用しやすいスキンケアアイテムなので、さっそく活用してみましょう。
毎日の肌ケアや生活習慣を見直して毛穴の黒ずみを改善しよう
毛穴の黒ずみは、普段のケア方法を見直すことで改善できる可能性があります。洗顔方法やスキンケア方法を見直し、毛穴トラブルのない肌を目指しましょう。
健康な肌を保つには生活習慣の見直しも欠かせません。睡眠不足や偏った食生活が続いている方は、肌を健康な状態に戻すためにも規則正ししい生活を心掛けてください。
セルフケアを行っても毛穴の黒ずみが改善されない方や、毛穴に炎症がある方は医療機関で診てもらいましょう。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
このコラムが気に入ったらシェアしよう!
乾燥肌治療薬
-
第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
川﨑医師よりコメント
鼻の毛穴は特に顔の中心であり、特に目立つためその人の印象を左右することがあります。毛穴の汚れまでしっかりと取れているか、日々のスキンチェックを心掛けましょう。